太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

白いカーネーション

2021-05-09 13:36:43 | 日記
ハワイは今日が母の日。
こっちの母の日は、自分の母親だけじゃなく、「母である人全員」が対象だ。
だから、娘が母親に、その娘にも子供がいれば、母親から娘に、
子供がいる夫婦なら、夫から妻に、ハッピーマザーズデイ!のお花やカードを贈る。

義父はシュートメに、派手なバルーンとチョコレートとカードを贈り、夫と私からは鉢植えのチューリップとカードを贈った。
今夜はシュートメがロブスターとカニを調理することになっている。
ディナーは5時。
今日という今日は、絶対に遅れることはできない。
(遅れて大変な目にあった話はコチラ

昨日、職場で同僚から、日本にも母の日はあるのかと聞かれた。
「日本じゃ自分の母親だけが対象で、カーネーションを贈ることになっているから、母の日の前にはカーネーションが値上がりするんだよ」
「花の種類が決まってるの?」
「そう。で、母親がいない子は白いカーネーションなんだよ」
「ええええええええええええ!!!」
その時の同僚の驚きようといったらなかった。
「それはまた残酷な文化だね・・・・」

私も子供心に同じことを思っていた。
母の日に白いカーネーションを胸に挿している子を、私はまともに見られなかった。
母親がいないことは変えようがない事実なのに、なぜそれを今さらのように強調し、人に知らせねばならぬのか。
今はどうなんだろうか。どうかそれはもう昔の話であってほしい。


昨夜、姉からLINEがきた。
予備校に通っている一人息子が、生まれて初めて自ら花を買い、プレゼントしてくれたという。
今までの母の日はスルーで、父親に促されてようやく
「あ。ありがと」
と言うのが精いっぱい。
それでも母子の関係は悪くないし、息子なんかそんなものかもしれないし、別にいいやと思っていたのだそうだ。
玄関で、どこか照れ気味に、でも誇らしげに咲くピンクのカーネーションの写真が添付されていた。
私が姉だったら泣くなぁ、と思い、胸が熱くなった。

グループホームにいる母には、お花を届けたと姉が言った。

我が家の隣のお寺には、早朝から墓参の車で渋滞の列ができている。
私の母は、なにをどのぐらい理解しているのかはわからないけれど、
優しい人達に囲まれて穏やかに暮らしている。
シュートメは気難しい面があるけど、喧嘩できるのも元気で生きていてくれるからこそ。
母の日に、お墓に行かなくても母がいる。
それがどれだけありがたいことであるか、深く身にしみているつもりである。