太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

トンネルの長さ

2021-05-11 08:31:15 | 日記
夫が仕事を決めてきた。

無職だった期間は2週間余り。
最長は四か月だったから短いほうだが、トンネルの中を歩いているときには、
この先に出口があることはわかっていても、まるで永遠にも思えるものだ。
見知らぬ場所に行ったとき、往きよりも帰りのほうが距離が短く感じるのはそういうことだと思う。

今度の仕事はランドスケープで、美術館や個人の家のヤードワーク。
結局、自然相手の仕事に戻るわけだ。
オフィスワークはもうこりごりな夫が、植物を育てるナーサリーの仕事に就いた時、これはピッタリだと思った。
だからナーサリーを辞めたときは、私はとても残念だと思ったのだ。
新しい職場は、以前にいたナーサリーの筋向いで、
ナーサリーのときの同僚が、そのオーナーに、「彼は真面目でとってもよく働く、いいやつだよ」と言ったことで採用が決まった。




15年前、夫に初めて会った時、自己紹介のあとすぐに言った。

「僕は1度結婚していて、頭が凹むのを抑える薬を飲んでいるんだよ」

これは当時、英語がてんでダメだった私の直訳で、頭が凹むなんて大変だなァ、とアホな私は思っていた。
凹むのは頭でなく、心。
彼はバイポーラ―(日本語だとなんだろう、躁鬱ぽいのか)であり、日本に来る前にいた、大手の保険会社でひどいウツになった。


夫は怠けたくて仕事を辞めるのではなくて、壊れる前に離れることで自分を守っているのだと思う。
なんでそんなことで壊れるの、と言われても、それが病気なのだというしかない。
自然相手の仕事に戻れて、しかも、収入はグッと増える。

今日は庭のバナナを収穫する

夫が健康であることを喜び、私に仕事があることを喜び、いつも変わらぬ大自然の中で暮らしていることを喜び、
ふとすると、ネガティブに流れてしまう気持ちを立て直しながら、笑って過ごしてきてよかった。
祈ったものみんなに感謝。