太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

割れない食器

2021-09-07 07:31:11 | 日記
気に入っている食器ほど、なにかの拍子に割ってしまう。
使う頻度が高いからなのだろうけど、ポーランド製の手描きのティーポットを立て続けに2個割ったときにはガッカリもひとしおだった。
高価じゃないが、使いやすくて気に入っている手頃なサイズのボウルなど、
買った店がなくなっていたり、どこで買ったかも覚えていなかったりで、買い足すこともできない。

義両親の家の食器は、洋食器のフルコース。
お皿など、大中小が30枚ぐらいずつあり、同じ柄でコーヒーカップのセットもある。
いくら気に入った柄とはいえ、全部が同じお皿というのはつまらない、と日本人の私は思う。
日本の食事には、いろんな形や大きさの食器を使う。
焼き魚などにいい長方形とか(ここで焼き魚などやった試しはないけど)、
大皿でも平たいものだけじゃなく、少し深めのものもあると便利。
ご飯茶碗ぐらいの大きさのボウルは、卵を溶いたり、冷ややっこを入れたり、
刻んだネギなどを入れて食卓に出したり、おやつにおせんべいやドライフルーツなどを入れたりなど、1番活躍頻度が高い。

食器が好きなので、買い物に行ったときには必ず見る。
とはいっても、食器のスペースには限りがあるから見るだけで、
どうしても欲しければ、買った分だけ在庫を処分するしかないのだが、処分するのも勇気がいる。

最近、食器売り場や雑貨やで、割れない食器をよく見かける。
きれいなターコイズブルーに惹かれて、手にとってみたら拍子抜けするほど軽い。
質感などじょうずに出してあって、見た目には焼き物と変わらない。
これなら割れることもないし長持ちする。


だけど・・・・・

永遠に割れない食器って、どうなの?


割れない食器は、枯れない造花と同じ。
いつ見ても完璧な姿で、埃をかぶった造花ほど心寂しくなるものはない。
花は、命に限りがあるから美しい。
食器も、いつか壊れてしまうかもしれないものを大事に使うのが、いい。

永遠に形があるものというのは、この世界ではやはり異端なのだと思う。
うちの猫たちが死んだら、と考えただけで涙が出そうだけど、
いつか来るお別れがわかっているから、今この瞬間がいとおしいのだということも、わかっている。
生き物も、物も、同じだ。

だから、どんなに気に入った器が割れて悲しくなっても、割れない食器は私は買わないのである。