太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

妹のこと

2021-09-15 07:54:23 | 日記

朝、隣家にかかる虹。
虹はここでは頻繁に現れるけれど、見るたびに はっ! とする。


3歳上の姉と、5歳下の妹がいる。
私たちは顔も性格もそれぞれで、年の近い姉とは子供の時分にはよく喧嘩もしたが、
大人になって、私たちは親友のようになった。

姉は、まっすぐで、なかなか折れない強い柱。
私は、割とどんな形の器にもそれなりに収まってしまうが、折れやすい。が、折れても立ち直りが早い。
妹は、よくしなる竹のよう。姉のような強さもあり、私のような融通がきくところもおおいにある。

実は妹のことは、50年以上つきあっている今でも、わからない。
わかっているのは、妹が3人の中で最も懐が深く、器が大きいということだけだ。
妹が一人でハワイに来た時に、シュートメが言った。
「〇〇(妹)は、イージーゴーイングね」
日本語にすれば、おおらかというのだろうか。
その前に来た姉のことは、
「長女らしい、しっかりした人ね」
と言った。
姉も妹も、人当たりがよくてほがらかだけれど、シュートメは彼女たちの本質を鋭くついている。


姉は大病をし、私は私生活がゴタゴタしまくり、それなりの苦難を乗り越えてきたけれど、
妹が背負ったものは、私ごときには到底やりおおせないものだと思う。
私と妹が、仕事の話で妹の将来結婚することになる人の店に行ったとき、
その人の母親が妹に一目ぼれした。(むろん当人同士も恋愛になったのだけれど)
「私も独身なのに、なんで私には声がかからん!けしからん!」
と私は憤慨したものだが、義理の母親には、人を見る目があったということだろう。


それなのに、妹はどこから見ても苦労知らずの、気楽に生きている人に見える。
ふわーっとした雰囲気で、にこにこしているので誰からも好かれる。
妹に、「だいじょうぶ」と言われると、ほんとに大丈夫なんだと思えてくる。
妹は、真っ白でくるくるとした巻き毛の、ほんとうに可愛らしい子供だった。
50を過ぎた今でも、私は妹の中にあの頃と同じ顔が重なってみえる。

両親がいなくなり、姉妹だけが残された。
両親が私に残してくれたものは数多くあれど、この姉妹が1番大きいと思っている。
妹の背中を見ながら育った3人の個性豊かな娘たちも仲が良く、いつか同じように思うときが来るのだろう。