太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

うすくちしょうゆ

2021-09-20 15:43:12 | 食べ物とか
夫の叔母から電話。

「うすくちしょうゆ、ていうのが必要なんだけど、どこで手に入るの?」

ミートボールを作るのに、レシピ本に うすくちしょうゆ と表記してあるらしい。
これでも私も日本人の端くれ。
うすくちしょうゆは、普通の醤油よりも色が薄くて塩分が高いぐらいのことは知っている。
叔母がどんなミートボールを作るのかは知らないが、どうせ肉の色に紛れるのだし、
たぶん今回使ったきりで食品庫で賞味期限がきれるだろうし、わざわざ買うこともないと思うので、叔母に言った。

「私だったら、醤油を水で薄めて表記の分量にし、粉末ダシをパパっと振りかけておしまいにするけどね」

すると叔母は言った。

「それじゃあ、うすくちしょうゆとは違うものじゃないの」

そりゃあ違うけどもさ。
叔母は料理が好きで、料理上手だ。
料理好きな人と、そうじゃない人(私だ)、料理上手な人とそうじゃない人(これも私)の違いは、この辺にあるとみた。

私だってレシピ見ながら料理することもあるが、材料も作り方も斜め読みで、
その通りに作れた試しがほとんどない。
イタリア人シェフの書いたミートソースも、出来上がりの色が薄くて味がぼんやりしているので、
醤油やソースなどをあれこれ足してみた。
なんだって醤油を入れたらおいしくなるに決まっている、という醤油神話。
こうして適当にアレンジしてしまうので、本来の味がどんなものかわからないままだ。
ミートソースも、イタリアに醤油やソースはないから、まったく違うものができたと思う。
それでも、美味しい美味しい、と言って食べてくれる味音痴の夫がいるのでありがたい。

ホノルルに出る用事があったので、日本食スーパーに寄ってうすくちしょうゆを買い、叔母に届けた。

「これでミートボールが作れるわ、ありがとう!」

醤油もうすくちしょうゆも似たようなもんだろ、とうそぶく日本人の私、
うすくちしょうゆじゃなきゃダメにきまってんでしょ、というアメリカ人の叔母。
食に関して繊細さがまるでない私は、いろんな料理に挑戦して美味しいものを食べたい、という欲も薄い。
上等な味覚も持っていないので、たいていのものは美味しく食べられる。
そういう私に、同じものが3日続いても、醤油の入ったミートソースも平気な夫がつくのだから、世の中はうまくできていると思うのである。