太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

新しい始まり

2021-05-17 13:05:57 | 日記
今日から、夫は新しい職場に行き始めた。
ランドスケープの会社で、ランドスケープの仕事の合間にナーサリーで植物も育てている。

義理があって、断る前提で受けた他の会社の面接で、夫は気に入られて
面接の翌日に一日トライアルをすることになった。
トライアルをしてみたら、給与を上げるので是非来てほしい、と言われた。
そこの仕事は、研修のあとは一人で一つの場所を任されて、暇なときには読書をしてもパソコンやっても自由という、
人間関係にいつもやられる夫のような病気をもつ人にはうってつけだと思う。
でも夫は、そこの仕事は楽だけど、ランドスケープのほうは新たに学ぶことがたくさんあるから、そちらのほうがいいという。

そう伝えても、もしそちらが合わないようだったら考え直してほしいから、
しばらくポストを空けておくというのだから、ありがたい話である。


確かにスプリンクラーや池の設置を考えたり、樹の配置を決めたり、おもしろそうではある。
植物の世話をするナーサリーの仕事は経験があるし、契約している個人の家のヤードワークを覚えたら、
この先、我が家の庭は業者に頼まなくても済むようになるかもしれない。


3週間前に夫が仕事を辞めて以来、私は馬車馬のごとく自分の内側にひたすら向き合ってきた。

「しめしめ、なんだか知らないけど、これでますます良くなっちゃう!
どんな素敵なことが起こるか、メチャクチャ楽しみ!!!」

これは困ったときの私の必殺技で、車を運転しながら大声で繰り返す。
仕事の合間にも、つぶやく。
全然そう思えなくても、いや、思えないからこそだ。

「どうせ私はどんどんますます豊かでハッピーになっちゃうんだしぃ」

これは以前友人に教えてもらったつぶやき。
これをつぶやき始めたら、『らくらく』を入れたほうがいい、という声がした気がして、
「どうせ私はラクラクどんどんますます豊かでハッピーになっちゃうんだしぃ」
に変えた。

放っておくと下がってゆく気分を持ち上げて、「そんな保証はどこにある?」というエゴの声がかき消されるぐらいに大声で繰り返す。
声に出すと、その声が耳から入ることで効果があがる。

そして大事なことは、今ある祝福にしっかり感謝すること。
自分も家族も健康であり、家があり、私には楽しく働ける仕事があり、絵を買ってくれる人がおり、絵を売ってくれる人がいる。
欲しいものを買い、食べたいものを食べ、行きたいところに行き、何でも話せる友人や姉妹がいて、世界一かわいい猫たちがいる。
そのひとつひとつを、数えるように声に出して感謝する。



年を取るにつれ、変化に臆病になる。
私は、見知らぬ不満のほうがデカいのでは、と思い、慣れた不満で手を打とうと思ってしまうが、
今よりもっと良くなるはず、と思って次に行ける夫が、それがメンタルな病気のためであったとしても、眩しく見える。


馬車馬のように内観をした私のおかげで(私が体験している世界だから私のおかげなのだ、たぶん)、先週あたりから良いエネルギーが押し寄せてきた。
仕事が決まり、夫が片付けまくって、サンドバーに行く予定(その記事はコチラコチラ)も立てて、
昨日は、ギャラリーで私のオリジナル作品が2点同時に売れた。

「Well being 感じる?」

私が聞くと、

「うん、感じるよ」

と言った。



どんな未来も、どんな気分でいるかも自分で選べるのだということを、
「ない」より「ある」に焦点を合わせることを、
突然仕事を辞めるたびに思い出させてくれる夫に、私は感謝すべきだろう。









そんなバカな?

2021-05-16 07:51:15 | 日記
ハワイでは、構想数十年、苦節数十年のモノレールを建設中だが、遅々として進まない。
予定では昨年2020年完成だったのが、10年延びた。
(「絵に描いた餅のモノレール」の記事はコチラ

そのモノレールに、新たな問題が出てきた。
電車の車両は、既に日本企業のものが用意されているのだが、
その車輪の幅と、レールの幅が合わないというのだ。

今さら何が出てきても驚かないもんね、と思っていた私でも、これにはたまげた。
なんでそんなことが今までわからなかったのか?
ていうか、
なんでレールを作るとき、あるいは車両をオーダーするときに誰も確認しなかったのか?
もし私がモノレールの責任者だったら、ありうることだろうけど、
ちゃんとした人たちが集まってやっているのに、なんでこんなことが・・・


ニュースの記事によれば、
「対処方法として、車両の幅を変えるか、レールの幅を変えるかのどちらにするか関係者は協議中」
であるという。
そりゃ、それしかないだろうよ。
どっちが安上がりにできるか、でしょうよ。

2032年に完成というのも、ただのハッタリになったな、これで。

詰めが甘く、思慮が浅く、おおざっぱな私までも呆れるようなことが平気で起こる、
ハワイはそんなのどかな島なのである。



畳1枚大の巨大亀に出会う その2 ~サンドバー~

2021-05-15 16:05:35 | ハワイの自然
Sand Bar(サンドバー)に行った話。(その1はコチラ

往きは偏西風に向かっていく。
左端の煙っているのはスコール

義両親も快調に漕いでゆく。
76歳でこのフットワークは、ハワイに住んでいるからだろうか?

サンドバーが水平線のように見えてくる。
到着。

1時間ぐらいかかるはずが、30分ほどで着いてしまった。
カヌーをつなぎ止めて、シュノーケルの準備。

これが海の真ん中。

深さはくるぶしから、ふくらはぎぐらいまで。
ピクニックテーブルを持って来て、お昼を食べる人達もいる。


夫が子供の頃は、ボートを持っていたのでよくここに来たという。


表面に出ているのはサンゴ。

シュノーケルで潜ると、この浅瀬がサンゴでできているのがわかる。
この浅瀬全体の下が全部サンゴみたい。
潜る前から亀が何頭も泳いでいたが、潜ってみて驚いた。
何層にもなったサンゴの壁の隙間に、畳1枚分はあろうかという大きさの亀が昼寝しているではないか。
それも1頭どころじゃない。
大人4人ぐらい軽く背中に乗れるのが、何頭もいるのだ。
「軽く200歳は超えてるね」
夫も義両親も、これだけ巨大なのは見たことがないという。


本当はもっとゆっくり潜りたいところなんだけれど、このサンゴでできた大陸の外側は、急激に深くなっていて、
深さ恐怖症の私にはとてもじゃないけど無理。
ひたすらターコイズブルーの水が足の下に広がっていて、底が見えない。
背中がぞわぞわし、呼吸が浅くなる。
なるべく深いところを見ないようにしていても、リラックスできない。
この理由のわからぬ恐怖を、今生中に私は乗り越えられるんだろうか??



クラッカーやバナナの食事をしてから、浅瀬を散策。



誰かが連れてきたライフジャケットをつけた犬が、嬉しそうに全速力で走り回っている。
人も犬も、「ここが海の真ん中なんて!」という非日常を満喫している。
1時間ほどすると、続々とカヌーやボートが集まってきた。
まだ空いている朝のうちに来てよかった。
この浅さだと海水も、冷たいお湯ぐらいの温かさ。

帰りは偏西風に背中を押されて、とても楽。
来た時とは違うルートを通って戻ることにしたが、陸に近づくとかなり浅くなっていて、
何度かカヌーが乗り上げてしまい、行きつ戻りつしながら戻った。



陸に戻って振り返る。

うちの村は田舎だけど、田舎には良い場所が一杯あるのだ。
海風に吹かれて、自分のペースでいけるカヌーは原始的だけど楽しい。
こんなに簡単に行けるのなら、何度でも行きたい。




畳1枚大の巨大亀に出会う その1 ~サンドバー~

2021-05-15 16:04:23 | ハワイの自然
Sand Bar(サンドバー)に行った。
海の真ん中なのに広く浅瀬になっていて、歩くことができる場所。
我が家からは車で5,6分という至近距離にある。
こんな近くに住んでいるのに私は行くのは初めてだ。

空から見るとこんなふう

白っぽく見える場所が浅いところ。
旅行客のほとんどは、HE'EIAのボートハーバーからボートで行くが
私たちはカヌーを漕いでいくことにした。

HE'EIA州立公園

オンラインでカヌーを予約できる

私達が持っているカヌーは一人乗りなので、ここで二人乗りを借りた。
ライフジャケットもシュノーケルセットもなんでも揃っているので、手ぶらで行ける。
私たちは自前のライフジャケットとシュノーケル、バナナやクラッカーやチーズなどのスナックや水を積んでいく。

予約したのは朝8時から12時まで。

ここから出発。


公園の人によれば、サンドバーまでは約1時間。
風も穏やかで、かんかん照りでもなく、カヌーには最適だ。
意気揚々と漕ぎ出した。



つづく





流れ

2021-05-14 07:34:16 | 日記
突然仕事を辞めた夫の勤め先が決まったのだが、(その記事はコチラ
今になって、もうひとつ、来てほしいというところが出てきた。

仕事を決めたあとで、義理がある先がセットした面接に行った。
もちろん断る前提で行ったのだが、そこで強く先方に引き止められている。
その仕事は少し変わっていて、4か月の研修が終わったら、一人でひとつの営業所(といっても一人だけだが)を任されて、お客が来たときに対応する。
お客が来ないときには、読書していてもパソコンいじっていてもかまわない。

「楽だけど、1日が長そうだねえ。でも好きにすればいいよ」

ぼんやりしているのが嫌いな私はそう言った。

「そうなんだよ、ランドスケープのほうは、二人一組で動くし、もうちょっと社会性があるよね。それにランドスケープは、年収にして100万円多い

ナニ!!!!

何を迷うのか理解できなかったが、平静を装って言った。

「100万円は大きいね」
「そうだよね、それで毎年日本に行けるよ」

先方はなんとか引き止めようと、それで面接の翌日の今日、トライアルで1日そこで働くことになった。


仕事が決まった日から、夫は猛然とあらゆるデトックスを始めた。
なんとなく放置してある書類を一斉に片付け、車を隅々まで掃除し、
庭のハイビスカスを剪定し、クロゼットの中の服を洗い直し、お酒をやめた。


私が、なんとかしたいと思っていたことがらは、私がなんとかしようと思うのをやめたときに、スーっと流れてゆく。


いつも、そうだ。
いつも、そうなのに、毎回なんとかしようとしてしまう、懲りない私。


私の頭の中には、「100万円!」がグルグルしているが、
ものごとは最善に収まってゆくのだと信じている。