2021年1月20日の朝日新聞に、宮崎県高千穂町岩戸にある天岩戸神社(京都府福知山や奈良にも同名の神社が存在)が「注連縄発祥の地とされる神社」として、昨年12月18日に、「創建以来はじめて神体としている洞窟(天岩戸)に注連縄を張った」という記事を載せた。
しかし、今時どうしてこのような記事を載せるために広い紙面を費やすのだろうか?朝日新聞の意識を疑う。神社が神話という創られた物語を実しやかに取り上げる事は一旦許すとしても、メディアは許されない事であろう。なぜなら、そうでなくとも人々の物事のウソを見破る能力が低下欠如している今日において、メディアがそれを深慮せずに神社の主張のままに記事にする事は非常に問題であろう。過去においては、ウソについてはウソと分かったうえでウソを楽しんだ時代があった。しかし、今日はそうではなくなってしまった。
さて、注連縄についてであるが、天岩戸神社は「注連縄発祥の地」であると主張してきたようであるが、注連縄文化は、秋葉隆氏の研究成果である『朝鮮民俗誌』によると、「朝鮮半島の南半分と日本列島の西南部が同じ『注連縄文化圏』に属しているという事が明らかになっている。これに基づけば、「注連縄」の発祥地が「日本」であると決めつけたりする事はもちろんの事、また高千穂町の天岩戸神社であると主張する事は極めて非科学的で独善的な主張であり、「ウソ」と言い換えても良いだろう。であるから、天岩戸神社の主張をそのまま公的な情報伝達機関である朝日新聞がわざわざ紙面を大きく割いて取り上げている行為は、「フェイク・ニュース」の拡散以外の何物でもなく、それは読者を惑わす洗脳行為であると言っても良いだろう。朝日新聞は公的メディアとしての自覚を持ち、今日を生きる人間の洞察力を培う記事の書き方をしてほしいものである。読者は国民は底の浅い価値のない記事は求めていない。
(2021年1月23日投稿)