つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

天声人語;「ソメイヨシノは華やかさが好まれて広がった」は歴史修正が狙いか?でなければ勉強不足

2024-04-11 10:21:59 | 桜を見る会

 ※アメリカ合衆国第4代大統領ジェームズ・マディソンの言葉「自らの支配者たらんとする人民は、知識が与える力で自らを武装しなければならない

 2017年2月4日の朝日新聞「天声人語」に、「ソメイヨシノ」に関して、「いまや桜の代名詞となったソメイヨシノも、明治以降、その華やかさが好まれて広がった」と説明していたが、これでは「広がった」理由をあまりにも軽率に、単純な「美的好悪」の感性の説明だけで済ませていると受け取れるが、「ソメイヨシノ」はそのレベルの説明で済ませる事ができる「」ではない。「好悪」の感性だけを普及理由としてしまうならば、それは説明としては誤りというべきだ。執筆者がそれを分からないはずはないであろう(分かっていないとすれば執筆者は勉強不足である)。もしも、それを分かっていながら上記の説明をしたとするならば、非常に問題のある説明というべきである。執筆者は意図的に読者に事実を伝えず、「好悪」だけが理由であったように読者に思わせ、洗脳する事を目的としていると言ってよいもので、読者にとってはきわめて危険な説明であるといえる。

 現在、「ソメイヨシノ」は日本の桜の8割を占めるといわれるが、その「ソメイヨシノ(染井吉野)」は幕末から明治時代初めに、東京の染井周辺で人工的交配により生み出されたもので、その後各地に広まったといわれている。当初は「吉野桜」と呼んでいたが、1901年、「ソメイヨシノ」が正式名となったようだ。

 神聖天皇主権大日本帝国政府は、「ソメイヨシノ」を「国花」として位置づけ、明治以来「小学校」ではその「徽章」として使用するようになり、学生服の金ボタンにも使用するようになった。また、学校教育においては、国定教科書の第3期4期の教科書では「サクラ」の花を教科書の「顔」として取り入れ、子どもの頃から意識の中に刷り込んでいった。

 東京では、1880年代以降「ソメイヨシノ」が流行し始め、1890年代には政府の意向に沿って各地の行政機関により、公園整備の際に植えるようになった。1890年頃には、「靖国神社」の境内にも「ソメイヨシノ」が植えられたという。

 大阪では、日露戦争前後に、天王寺公園に初めて「ソメイヨシノ」が植えられた。

 「ソメイヨシノ」が大々的に植えられるようになったのは、1910年以降であるという。それは、帝国政府や軍部の意思に沿って広められたものである。また、帝国政府は、国家神道(天皇教)信奉者(現在の歴史修正主義者)による「作り話プロパガンダ活動にも支えられて、国民の間に「ソメイヨシノ」が日本の「伝統」的な桜であると信じ込ませようとするとともに、それを通して為政者は自身に都合の良い思想認識を捏造し、それを「日本民族」が持つべき思想認識と位置づけ、国民に刷り込み洗脳していったのである。それを示すものを以下に示しておこう。

 前田曙山『曙山園芸』(1911年)の『』には「……桜と日本は神が結べる縁で、何者が水を差すとも、切れるの変わるのという仲ではない」としている。

 1913年改訂の国定教科書『高等小学読本』第1課にある井上哲次郎の『桜花』には、「……我が日本民族の長所が個人主義にあらずして、むしろ団体的活動にあるを表現してあまりありというべきなり。……桜花は我が日本民族のまさに具有すべき気性精神を表現するものにほかならず」としている。

 大町桂月『筆艸』の『日本国民と桜』には「……日本国民の特質をいえば、淡白にして思い切りよく、生死に未練なく、個人的ならず団体として大いに強し桜の花神、化して日本国民となれるか。日本国民の魂出でて桜の花となれるか。桜花は日本国民の表象なり」としている。

 1937年の大照晃道『桜と日本民族』には「……山桜のパッと咲いて潔く散れると云う処、民族的精神と相通っているのである。……桜に備えている徳……は、同時に国民の精神のその内容を為しているものであった。その精は植物となっては山桜となり、人となっては大和民族となったものであろう」としている。

 日本の「歴史修正主義」は大日本帝国政府による近代化とともに始まり、敗戦により否定されたが、それは表面的なものであって、地下水のごとく根強く暗躍し続け、社会の表面へ返り咲くチャンスを伺っていたが、1990年代より、公然と活動しその主張を正当化するようになり、今日の安倍政権に至るのである。神聖天皇主権大日本帝国政府の国民支配の手法を継承する安倍自公政権は、歴史は自分の都合の良いように「書き換えるべきもの」であると考えており、現代の国民を思いのままに洗脳したり、歴史の発展を逆戻りさせる事を不可能な事ではないと強く信じているのである

(2020年3月30日投稿)

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍前首相の「桜を見る会前夜夕食会」弁明:傲慢無礼国会発言の誠意ある謝罪は真実の説明のみ

2021-12-29 19:59:13 | 桜を見る会

 2020年12月25日、安倍晋三前首相は「桜を見る会」前日開催の「夕食会」費用補填問題で、衆参両院の議員運営委員会に自ら求めて出席し「弁明」し「謝罪」したとの事。そして、「弁明」後の記者会見で「説明責任を果たせた」と胸を張ったとの事。

 しかし、事務所の関与について調査もしておらず、明細書についても確認していない。また、収支について政治資金収支報告書に記載しなかった理由も明らかにしていないなど、まったく誠実さが見られない発言や態度であった。これで「説明責任を果たせた」といえるはずがないであろう。

 また、今年の2月17日の衆院予算委において、安倍氏が「私がここで総理として答弁するという事については、全ての発言が責任を伴う」とした上で、「ホテル側から見積書などの発行はなかった。明細書について、ホテル側は『営業秘密』のため開示できない」と述べた。それに対し小川淳也氏(当時無所属)が、ホテル側から見積書明細書などを主催者側に例外なく発行するとの回答を書面で得たうえで、安倍氏に、総理の事務所からホテルに照会し、書面で回答をもらうよう要請すると、安倍氏は「私がここで話しているのがまさに真実です。いい加減にやっているんだと決めつけるのであれば、もうコミュニケーションが皆さんとは成り立たない。信用できないという事であれば、予算委員会は成立しない。私が嘘をついているというのであれば、嘘をついているという事を説明するのはそちらで側ではないのか」と強弁していたのである。これほど傲慢無礼な発言や態度は常識では考えられない事である。謝罪をするという事は、許しを請うという事である。このような傲慢無礼な発言を浴びせた安倍氏が、浴びせられた相手の許しを請うためにはどうするべきなのか。それは相手の納得のいくように相手の意思に沿って誠意をもってありのままを説明する以外にありえないだろう。

(2020年12月27日投稿)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「桜を見る会」(安倍首相主催)の告発を不受理にした東京地検:筋の通った納得ゆく対応せよ

2020-06-23 10:02:27 | 桜を見る会

 2020年5月26日の衆院法務委員会藤野保史氏(共産党)により、安倍首相主催の「桜を見る会」に関して憲法学者らが同年1月に首相を背任の疑いで告発していた事について、東京地検が不受理にしていた(同年1月31日通知)事が明らかになった。

 しかし、納得ゆかないのは、不受理の理由がこれまでとの一貫性がない、筋の通らないものであった事だ。それは「代理人による告発は受理できない」というものであって、藤野氏が「森友問題などでは代理人による告発を受理している」と質したのに対して、法務省・川原隆司刑事局長は「一般に、告発については刑事訴訟法の規定をもとに代理を認めないと解している」と答弁しているからである。

 「森友問題」では「代理人による告発を受理したにもかかわらず、「桜を見る会」では「代理を認めない」という説明対応は、主権者国民としては納得できないのは当然であろう。

 告発は、500人以上の弁護士や法学者らが、安倍首相と後援会幹部の計3人の公職選挙法の違反政治資金規正法違反を問うものである。

 高級ホテルでの会合費用は回避5千円では賄い切れず、後援会が穴埋めしていれば「公選法」で禁じている有権者への寄付にあたる。夕食会の収支が政治資金収支報告書に記載されず、政治資金規正法違反になる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本郵便新切手デザイン「ソメイヨシノ」:大日本帝国への回帰めざす安倍自民党政権による「国花」擦り込み戦術に加担するのを止めよ

2020-04-02 19:55:16 | 桜を見る会

 2017年2月24日、はがきの郵便料金を6月1日から62円に値上げするのに際して、新切手のデザイン「ソメイヨシノ」を公開した。「ソメイヨシノ」のデザインは、2014年4月からの消費税率改定による郵便料金値上げ(52円)に対応するのとあわせて、新デザインとして登場した。

 これについて、何も感じる事なく思考停止状態に陥るのではなく、「なぜ、ソメイヨシノなのか」という疑問を持つ事が大切である。

 この時期はちょうど、第2次安倍政権(2012年12月26日~2014年9月3日)下であり、政権の意向を反映した結果の登場と考えて間違いない。つまり、安倍政権は、国民を洗脳するために切手のデザインをも利用する手法をとったという事である。そして、今回の新デザインにおいても「ソメイヨシノ」を使用するという事は、その手法を今後も継続するという事を示したという事である。それではなぜ、「ソメイヨシノ」を使用するのか、「ソメイヨシノ」にはどのような「意味」が込められているのか

 大日本帝国政府は、「ソメイヨシノ」を「国花」として位置づけ、国民に対して、子どもの頃からその純粋な意識の中に擦り込んだ

 そして、「ソメイヨシノ」が日本の「伝統」的な桜であると信じ込ませようとするとともに、それを通して為政者は自身に都合の良い思想認識を捏造(歴史の捏造、歴史修正主義)し、それを「日本民族」が持つべき思想認識として国民に擦り込んだのである

 大日本帝国政府の国民支配の手法を継承する安倍政権は、歴史は自分の都合の良いように「書き換えるべきもの」であると考えており、現代の国民についても思いのままに洗脳したり、歴史の発展を逆戻りさせる事を不可能な事ではないと強く信じているのである

 日本郵便は安倍政権に加担するべきではない。そして国民は、大日本帝国への回帰を目指している安倍政権が、その「国花」に位置づけていた「ソメイヨシノ」に込めた思想を、国民に再び擦り込もうとしている事を見抜き反対すべきである。政治政策には些細な事に見えても必ず「目的」がある。思考停止に陥らず、自分を守るために、その「目的」を見抜き行動しよう。

※詳しくは、別稿、「ジャンル」は「教育」のなかの

『「天声人語」;「ソメイヨシノは華やかさが好まれて広がった」は歴史修正が狙いか?でなければ役不足』を読んでください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

経済同友会代表幹事・桜田謙悟氏は「桜を見る会」国会審議に対し、安倍政権支持の本音を隠し野党を貶める発言をやめよ

2020-02-11 23:05:36 | 桜を見る会

 経済同友会代表幹事である、SONPOホールディング社長桜田謙悟氏が、2020年2月5日の定例会見で「桜を見る会」に関する国会審議について、彼にとっては他人事のように(実際は大きく関わる当事者であるにもかかわらず)安倍首相と野党の両者を批判をした。そんな無責任な事を言う暇があれば、安倍首相に対し、国民が納得できるよう、真相を懇切丁寧に誠意を示して説明するよう説得する事が氏の立場としてはとるべき行動であろう。それを何故行わないでつまらぬ発言だけをしているのか。野党も主権者国民もこんな事を好んでダラダラとやっているわけではない事は十分分かっているはずであるにもかかわらず分からぬをふりしている。野党や国民が安倍首相や安倍自公政権に対してこのような不信感を持ったままでは他の審議ができない事も十分分かっていながら分からぬふりをしている。また、喧嘩両成敗のように単純にどちらをも批判するのは、自身にこの件を解決させようという意思がない事を示す無責任極まりない姿勢そのものである。氏のような立場の人間はこのような人間が多いものだとはわかっているが、してほしくない腹立たしい発言である。

 安倍首相の答弁については、「あれで説明なのか」と発言。そう思うならば安倍首相に説明らしい説明をするよう説得すべきであろう。そうしない事が桜田氏の立ち位置が安倍首相側である事を表している。野党に対しては、「国民のために聞いてくれているのか。時間の無駄。もっと重要な法案がある。何をしているのか憤りを感じる」と発言。「国民のために聞いてくれているのか」と国民側に立っているような発言をしているが、その後の言葉からは決してそう考える事はできない。それは「時間の無駄」と発言しているからだ。国民にとってこの件の真相を明らかにする事は決して無駄な事ではない。むしろ重要な事である。桜田氏の言う「もっと重要な法案を審議する」ためにも、安倍自公政権の体質を明らかにしておく事は今後国民が安倍自公政権に対しどのような姿勢をとるべきかについて極めて重要な判断材料を与えてくれるからだ。しかし、桜田氏はそう考えていないために「時間の無駄」と発言しているのだ。その後に続く「野党に憤りを感じる」という言葉にも明確にその事が表れている。この言葉は明確に野党や国民の側に立つ者の発する言葉とはいえない。もしそうでないならば、野党に知恵を貸し、野党とともに安倍首相に正面から向き合って真相を話すよう求め、国会審議の正常化に尽力すべきである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする