つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

グアム島にも日本軍性奴隷、業者は戦犯で死刑に

2015-12-31 16:28:50 | 慰安婦問題

 1941年12月、日本軍は米領グアムを占領し、「大宮島」と改称し、支配した。当時、グアムには日本人の将兵や行政官や民間人に加えて、強制連行した朝鮮半島出身の人々(道路整備や軍事施設の建設に使役)、近くの島から移住してきた日本語を話すチャモロ人、多くの沖縄県出身の契約労働者(南洋興発株式会社という日本資本の製糖会社)が住んでいた。日本語を教育する学校が建てられ、日本式の稲作水田が拓かれた。交番や神社や料亭、そして「慰安所」も作られた。

 現存する日本軍が製作した大宮島の地図には、全島地図と島の中心部を拡大した部分地図の2種類ある。日本軍は全島の地名を日本風の呼称に変えたが、部分地図には、須磨(スマイ)の村が描かれ、警備隊の分支隊や駐在所など島の主要な施設が集中していた。須磨村には須磨神社があり、多くの軍関係施設が存在した。そして、その近くに「慰安所」と書かれた建物が存在する。

 グアム大学の元教授の著書『運命の上陸』(1995年)によると、「日本軍は軍隊とともに42人の娼婦を連れてきた。彼女たちのほとんどは朝鮮半島出身の「慰安婦」であり、さらに5つの慰安所のために住民から15人」の現地女性を「雇った」という。

 1944年7月、大宮島を守る日本軍と上陸を狙う米軍が交戦し、同年8月、島は再び米国の領土となった。そして、戦後、戦時下の大宮島における強制売春の罪(戦犯)で、1945年8月27日に死刑判決を受けた日本人シノハラがいた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本軍性奴隷問題、1938年3月4日「陸軍省副官通牒」の意味

2015-12-31 14:35:46 | 慰安婦問題

 この通牒は「軍慰安所従業婦等募集に関する件」というもので、その内容は、北支那方面軍と中支那派遣軍(関東軍を除くすべての軍隊)に宛てたもので、募集に当たり「派遣軍に於いて統制」し、業者の「選定を周到適切に」する事、募集に当たっては「関係地方の憲兵及び警察当局との連携を密に」する事を指示するものである。

これはまず、陸軍省が現地の部隊が慰安所(軍人・軍属専用施設)を設置する事を改めて容認したもの。

 「派遣軍において統制」とは。軍の選定した業者が朝鮮、台湾、日本に派遣されて「慰安婦」を集める際に警察(業者を誘拐犯と思い逮捕)との間で混乱が起きていた。そのため、すでに同年2月23日に内務省警保局長から通牒「支那渡航婦女の取扱に関する件」が出され3つの指示をした。①「これ等婦女の募集周旋等の取締にして適正を欠かんか帝国の威信を毀け皇軍の名誉を害うのみに止まらず銃後国民特に出征遺家族に好ましからざる影響を与える、軍の了解又はこれと連絡あるが如き言辞その他の軍に影響を及ぼすが如き言辞を弄する者はすべて厳重に取り締まる事」→国民に知られないように統制せよの意。②「婦女売買又は略取誘拐等の事実なき様特に留意する事」→「婦女売買禁止に関する国際条約」や日本刑法の「略取誘拐罪」に抵触しないように統制せよの意。内地からは、満21歳以上で、現に売春を行っている者以外の渡航を禁止し、軍が駐留している華北・華中へ行く者(軍の慰安婦)だけを黙認する。③この「通牒」は朝鮮や台湾では出されておらず、日本内地と植民地との扱いが異なっていた。植民地に対する差別的扱いをしたもの。

また、「憲兵及び警察当局との連携を密に」し、刑法に違反していても止めてはいけない、としており、朝鮮や台湾では誘拐や人身売買で業者が国外へ連れ去っても黙認していたといえる。

 読売新聞はこの通牒に関してのパンフレットを配布したが、そこで「1938年3月4日に出された陸軍省副官通牒は、軍の関与を示すものだったけれども、それは善意の関与をしたものだった」と主張していた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月29日(火)のつぶやき

2015-12-30 02:36:02 | 報道/ニュース

「日本軍性奴隷問題」の合意内容は、きわめて日本国民の人権にも影響を与える問題でもあるのです。 goo.gl/l6RRyT


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月27日(日)のつぶやき

2015-12-28 02:33:53 | 報道/ニュース

過ちに対する率直な謝罪こそが成長発展を導く。 goo.gl/tn4hPh


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本軍性奴隷問題、安倍政権には加害者意識が感じられない

2015-12-27 21:53:14 | 慰安婦問題

 日韓両政府は、岸田文雄外相が28日に韓国ソウルを訪れ、韓国の尹炳世外相と会談すると正式発表した。日韓政府は「日本軍性奴隷問題」での妥結を目指しており、日本政府予算で医療・福祉支援を実施する事で最終調整。日本側が「新たな基金」を創設する方向で検討している。新たな基金は、安倍日本政府だけでなく、朴韓国政府にも拠出を求める「共同設立」で、韓国政府を関与させる事で「性奴隷問題」の「最終妥結」を担保する狙いがある。韓国政府に関与を求める背景には、1995年に日本政府主導で設立した民間の「女性のためのアジア女性基金(アジア女性基金)」の反省がある。「性奴隷問題」の解決を目指し「償い金」の支給事業などを展開したが、韓国内では「性奴隷」支援団体の反発もあり、支給が「一部」にとどまったからである。今回、安倍日本政府は外相会談で「最終かつ不可逆的な解決」を目指しており、「性奴隷」への支援事業には韓国政府の積極的な関与が欠かせないと判断した。

 安倍政権は、この問題について、これまで「性奴隷」とされた女性たちの主張や韓国政府の主張を認めていない。つまり、日本軍や日本政府が加害者である事を認めていないだけでなく、ねつ造扱いをし、誹謗讒言中傷し、名誉を棄損している。これらの行為については公的に釈明し謝罪する必要があるであろう。また、「新たな基金」の設立という事だが、その手法は日本政府が加害者であるにもかかわらず、被害者である韓国政府に対して拠出を求め関与させるという、主客転倒した思考が見られ、罪の意識が感じられず非常識そのものであり、呆れて絶句してしまう。

 また、お金で解決する事だけしか考えていないようで、「性奴隷」とされた女性の名誉回復をするという姿勢が感じられない。安倍政権は、「性奴隷問題」は法的に解決済みとの立場を変えず、「責任」という言葉に難色を示してきた。安倍首相は以前「首相として心から同情し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と表現したが、加害者側の表現として「同情」「申し訳ない」という言葉表現は使用すべきではない。第三者的な立場にある者が使用できるものである。加害者が使用する言葉としては誤っている。しかし、ここに安倍首相の本音が表れているという事である。また、安倍政権は「少女像」について、「日韓関係に悪影響を与えている事を認める必要がある」としているが、これも、加害者としての立場を理解していないものといえる。

 「性奴隷」にされた女性の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)の常任代表・尹美香氏は先月、東京都内での新聞取材に対し、「『生活が苦しいからお金をあげましょう』という形では解決にならない。過ちを犯した側が、過ちをいかに認めるかが大事だ」と述べている。また、「少女像」については、「撤去すべきかどうかは被害者が考える事」と、日本側の要求に不快感を示している。

 韓国の「日本軍性奴隷」生存者は46人となった。そして、彼女たちは日本政府に対し、一日も早く公式謝罪と法的賠償をしてもらう事により、名誉回復がなされる事を求めている。

 12月5日、日本軍性奴隷の一人「チェ・ガプスン」ハルモニが亡くなった。1919年に全羅南道クレで生まれた。15歳の時、日本の巡査が父親を捕まえに来ましたが、8人家族で父親が連れていかれたら生計が成り立たないと、代わりに長女の彼女が連れて行かれる事になった。全州を経て満州の牡丹江まで連行され、日本兵だけがいる部隊で「性奴隷」生活を強いられた。部隊が移動するたびにあちこち連れて行かれ、8月15日に解放を迎えた後、3~4年間さまよったあげく、歩いて故郷のクレにたどり着いた。彼女は長い間老衰で病院で寝たきりだった。「罪を犯さず生きなければならない」と言われていたが、罪を犯した人々から謝罪も受けられずあの世に逝った。(挺対協)

「新しい基金」は「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)の時以上に、安倍政権の「傲慢さ」と「上から目線」が強く見られる。過ちを率直に認め謝罪できない見苦しい安倍政権。安倍政権が朴政権をねじ伏せようとしているように見える。これでは日韓友好は遠のくだろう。「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」

日韓友好はまだまだ遠い。

(2015年12月27日投稿)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする