朝鮮学校保護者への初めての国庫補助が実現しようとしている。高校無償化や、学生支援金でも除外されている朝鮮学園を含む外国人学校に対し、日本政府の国庫補助が実現しようとしている。
日本政府は、2019年10月から実施の幼保無償化制度から各種学校(朝鮮学園を含む外国人学校)の幼稚園を除外した。朝鮮幼稚園への幼保無償化の適用を求める100万人署名運動が取り組まれ、全国で約107万筆が達成された。
そのため2020年度には、政府は、幼保無償化から除外された所を対象に、新制度の調査事業を実施した。そして、2021年度からは、「支援事業」(「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動事業の利用支援」)を実施するに至ったのである。つまり、「幼保無償化」「本体」の対象外となった施設に通う子どもの保護者を政府と地方自治体で共同支援する事業を実施するに至ったのである。実施主体は市町村で、保護者の支援額(上限月額2万円)の負担割合は、政府・都道府県・市町村の3者で3等分となっており、政府も1/3を負担するのである。
日本政府の負担割合は1/3であるが、朝鮮学校保護者への初めての国庫補助実現となりそうである。
ちなみに、日本政府は新型コロナウイルスの影響で生活が困窮した学生に、最高20万円を給付する制度を設置したが、朝鮮大学校を対象から除外した。その事に対して、国連人権理事会から任命された特別報告者4人が、「人種や民族に基づく差別にあたる」として、日本政府に是正を強く求める書簡を送付していた。これに対して加藤勝信官房長官は2021年6月22日、「差別には該当しない」と記者会見で反論した。その理由を「専修学校や各種学校に通う学生は、日本人か外国人かに関わらず、事業の対象外だ」と述べている事を付け加えておきたい。
(2021年6月29日投稿)