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松井一實広島市長がヘイトクライムに加担:「新しい歴史教科書をつくる会」広島支部主催「慰安婦の真実パネル展」に市民交流プラザ使用を許可

2024-03-12 11:09:01 | 慰安婦問題

 2014年12月、在特会(在日特権を許さない市民の会)は、「ヘイトスピーチ(ヘイトクライム)」を行い、「侮辱罪」「威力業務妨害罪」「器物損壊罪」などで有罪が確定している。慰安婦の真実パネル展」の内容も同様の人権侵害行為に当たると見なしてよい。そして、展示場所を提供した広島市長・松井一實氏はその「ヘイトクライム」に加担したと見なすべきで、犯罪行為である人権侵害行為を許さない広島市民はもちろん日本国民は、市長の責任を糾し、その責任を負わせるべきである。新聞・テレビはこの事件をまったく報道していない。メディアの責任も追及すべきである。メディアによる世論操作の手法の一つは、「報道しない(黙過する)」事である。

 2019年4月16日~24日、広島市まちづくり市民交流プラザ1階ロビーにおいて、「新しい歴史教科書をつくる会」広島支部が、「これが『慰安婦』の真実だ!日本政府は謂れなき謝罪と賠償を取り消せ!」というテーマの「慰安婦の真実パネル展」を開催した。これに対し、一市民が市に苦情を訴えたところ、市民局市民活動推進課「生涯学習や市民活動に取り組んでいる団体の『表現の場』として提供」、「市民の皆様には様々な考え方がある事から、展示内容を直接の理由に使用を制限する事は困難であると考えております」と回答した。

 そして、「日本軍『慰安婦』問題解決ひろしまネットワーク」も、抗議を行い二度と繰り返さないように5月27日付で要請をした。それに対する市長の6月11日付の回答が以下の内容であった。

まちづくり市民交流プラザ南棟1階ロビーは、生涯学習や市民活動に取り組んでいる団体の『表現の場』として提供しております。本市から指定を受けた公益財団法人広島市文化財団は、市民が中心となって活動している団体の主催で、営利活動や特定の宗教・政党を支持・支援する内容ではない事を確認し、使用の承認を行っています。また、団体や展示内容によって犯罪行為や違法行為が行われるおそれが客観的に認められるものでない限りは、どの団体に対しても平等に承認しています。本市としては、展示内容の正確性等は主催者の責任の範囲であると考えており、展示を承認した事が、市として主催者の考え・主張などを皇帝した事を意味するものではありません。以上となります。この度は貴重な御意見をいただきありがとうございました。

お問合せ先

広島市役所市民局市民活動推進課

電話082-504-2113 FAX082-504-2066 

E-mail katsudo@city.hiroshima 」というものであった。

上記のような回答内容でしかなかったため、「ネットワーク」は10月18日付で広島市長・松井一實氏に対し、詳細な説明とともに「再度の要請書」を提出した。

(2019年11月9日投稿)

 

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沖縄季評に書かれた教科書が載せない、敗戦直後のパンパンと明治維新の新島原遊郭

2024-02-16 12:25:56 | 慰安婦問題

 2021年11月5日の朝日新聞「沖縄季評」が「パンパン」の事に触れていた。「パンパン」とは、「アジア太平洋戦争で降伏した日本を占領した、連合軍兵士の相手をする日本人売春婦を指す言葉」であるとしている。

 さて、GHQによる占領下の日本政府は、占領軍兵士に対する性的慰安施設を設置した事を紹介しよう。日本政府は1945年8月18日、占領軍専用の「慰安施設」を特設するよう官僚に指示している。「日本の娘を守る」という名目であった。当時の大蔵官僚であった池田勇人が「1億円で純潔が守れるのなら安いものだ」と活躍した。しかし、プロの売春婦たちはこの事業に参加する事を拒んだ。彼女たちは「アメリカ人は大男なので性器も巨大だろうから怪我をする」と考えたようだ。そこで設立者たちは一般女性を募る事にして、東京銀座巨大看板を出した。それには『新日本女性に告ぐ、戦後処理の国家的緊急施設の一端として、進駐軍(占領軍)慰安の大事業に参加する、新日本女性の率先協力を求む』と書いた。愛国的、自己犠牲的に参加した女性もおおかったようで、8月22日までに1360人もの女性が「特殊慰安婦施設協会」(RAA)に登録した。そして、皇居前広場RAAの発足式と『……戦後社会秩序の根本に見えざる地下の柱たらんとす……国体護持に挺身せんとするに、他ならん事を、重ねて直言し以て声明となす』との宣誓を行った。

 RAA発足の日には数百人の米兵たちが大森のRAA施設に向かった。少数の娘たちが集められていたが、大半は処女であった。ベッドも布団も衝立もなく、阿鼻叫喚、官僚が罠にはめた娘たちは米兵に集団強姦された。当時の警察署長はすすり泣いたという。RAAの女性が相手にした米兵は1日15人から60人であった。自殺者も精神的な問題を抱えた女性も多かった。RAAは数カ月で廃止された。RAAの女性の90%が性病に感染し、米兵の70%が梅毒、50%が淋病に感染している事が判明したからである。

 RAAの廃止後、内務省官僚は『女性には売春する権利がある』と赤線地域を設定した。警察が市街地図に赤線を引き、その範囲内での売春を許可した。5万5千人から7万人の売春婦がいたという。

 ところで、明治維新においても新政府が同様の政策を実施していた事も紹介しよう。『戊辰物語』(東京日日新聞社会部編)によると、「吉原の廓築地へ移して外国人お取持ちのため「新島原」というのが出来る話が始まって、吉原の連中が「どうぞ移りませんように」と神様参りを始めたりした。ホテル館が出来る、居留地が出来る、遊郭が出来るで、攘夷家は築地近辺を通らなかった。新島原は確か2年に竣工したと思うが、仲の町があり、花魁道中があり、引手茶屋などすべて本式で、今のうなぎの竹葉の通りが仲の町、鉄砲洲に大門があった。遊女はどのくらいあったか知らんが、島原八カ町といった。この遊郭は2年ばかりで廃絶したが、一時は大したもので、遊女屋のおやじは「天下のための商売だ」とひどく威張った」とある。

ちなみに、新島原遊郭は、1868(明治元)年11月東京築地に開かれ、居留地の外人めあてに千名近い娼妓が存在した。後、各方面からの反対で、1871(明治4)年全部取り払われた。

赤線地域……政府公認の売春地域。日本政府はGHQの公娼廃止指令に基づき、1958年売春防止法を制定し、公娼制度を廃止し、赤線地域(売春許可地域)もなくした。

(2021年11月6日投稿)

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「文喜相案」の即時破棄を要求する世界市民が宣言文発表、日本メディアは被害者の立場に立って報道すべきだ

2023-02-21 11:24:52 | 慰安婦問題

 2019年12月4日、韓国で、日本軍性奴隷制問題解決のための市民団体「正義記憶連帯」をはじめ、12カ国(韓国、日本、米国、カナダ、ドイツ、イギリス、アイルランド、スイス、オーストリア、ニュージーランド、オーストラリア、インドネシア)、44団体によって、「文喜相案」の破棄、と被害者中心主義原則に合致した日本政府の公式謝罪と賠償を含む法的責任履行、を求める世界市民の宣言文が発表された。以下に一部を抜粋する。

「『文喜相案』は強制動員及び日本軍性奴隷制問題のような反人道的な戦争犯罪を、政治的・外交的な立場にのみ基づいて問題解決をするという美名の下に、日韓政府の財源、日韓の企業と国民の募金で財団を作り、見舞金のみを支給しようとするものである。さらに懸念されるのは、文在寅政府が2018年1月に、「手続き上も、内容的にも、被害者中心主義の原則に背く重大な欠陥がある」と明らかにした2015年日韓政府合意が有効である事を確認するという内容が包含されている点だ。国連人権機関は、日本軍性奴隷制のような反人道的な犯罪の解決は被害者中心主義の原則に基づく国際人権原則に則って被害者の人権救済のため、加害者の犯罪事実の認定、被害者の全過程への参加と意見の反映を経た公式謝罪と金銭賠償を含む賠償の履行、再発防止の対策づくり等の法的責任の履行によってのみ解決することができると明確に述べており、このような原則に基づいて日本軍性奴隷制問題も解決されなければならない。……今、大韓民国の国会と政府がなすべき事は、見舞金の支給による対日過去史問題の一括妥結という低級な方式の妥協案ではなく、被害者中心主義の原則に則った犯罪の認定、公式謝罪と法的賠償の履行による問題解決のために2018年7月、性平等基金の予算で策定した日本政府の見舞金10億円に相当する103億㌆を返還措置し、日本軍『慰安婦』被害者たちの人権と名誉回復のために『日本政府に犯罪の認定と責任の履行を求める事』である。」以上

(2019年12月6日投稿)

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東ティモールの元日本軍性奴隷死去

2021-06-19 14:14:46 | 慰安婦問題

 東ティモール人権協会(HAK)によると、元日本軍慰安婦とされたフランシスカ・マシェドさんが、2021年6月13日午後3時半頃、亡くなられた。彼女は、東ティモール南部、コバリマ県スアイに住んでいた。90歳。彼女はコバリマ県の山の方、フォホレン郡ダトトル村の集落長に命令され、スアイの町のベマタンに作られた慰安所に入れられた。集落長から、いう事を聞かないと親が殺されると脅された。1人1部屋をあてがわれ、彼女は「トミコ」と呼ばれ、その名前を入れ墨に彫られた。3年「慰安所」にいた。彼女以外にも「ダスコ」、「ホシコ」といった日本人の名前を付けられた女性や、「ワイレオ」「ファロジョ」「ワイマリ」という名前の女性がいた。

 大勢の兵士の相手をしなければならなかったので、兵士の名前はあまり覚えていなかったが、それでも「アリムガタ」とか「ワインタセオ」(「オガタ」や「部隊長」との意?)とかいう言葉を耳にしている。戦後、結婚したが、夫に大戦中の経験を話したことはなかった。

(2021年6月18日投稿)

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慰安婦訴訟のソウル中央地方法院判決に対する菅自公政権の反応:主権者国民は鵜呑みにせず主体的判断を

2021-01-12 00:32:03 | 慰安婦問題

 神聖天皇主権大日本帝国軍隊性奴隷とされた、現在「ナヌムの家」で暮らす韓国人女性ら12人が安倍自公日本政府に対して、一人当たり1億㌆の慰謝料を求めた訴訟の判決が2021年1月8日、ソウル中央地方法院(地裁)で言い渡された。日本軍性奴隷問題で日本政府を相手取った損害賠償請求訴訟で、韓国の司法が判断を示すのは初めてである。

 元日本軍性奴隷は2013年に地裁に民事調停を申し立てたが、安倍自公政権が応じなかったため、16年に提訴した。安倍自公政権は、賠償問題は1965年の日韓請求権協定解決済みとの立場をとっているとともに、「主権免除」(国家に対しては他国の裁判権は及ばないとする国際法上の原則)などを理由に、裁判自体を認めず訴状の受け取りを拒否したまま、法廷には一度も出席しなかった。

 そして、判決について、菅首相は「慰安婦問題については、1965年の日韓請求権協定において完全かつ最終的に解決済みである。我が国としては、このような判決が出される事は、断じて受け入れる事はできない」と訴訟却下を求めた。

 茂木外相は「国際法上の原則を否定した判決は極めて遺憾で、断じて受け入れられない」と韓国外相に抗議した。また、「国際法に違反するような常識では考えられない判決である。あらゆる選択肢を視野に入れて毅然と対応したい」と述べた。秋葉外務省事務次官は「極めて遺憾だ」と韓国駐日大使に抗議した。

 外務省幹部は「司法の暴走が目に余る。韓国政府が『日韓関係の戦後処理は解決済みだ』と、きちんと対外的に言わないからこうなってしまう」と述べた。

 早稲田大・萬歳寛之教授は「一般的な国際法上の認識では、主権免除は手続き上の判断であり、実体(中身)の判断とは別物だ。だが判決はそれを一緒にしてしまっており、違和感を感じる。65年の日韓請求権協定や2015年の日韓合意に照らしても、判決は不十分な内容と言わざるを得ない」と述べた。

 朝日新聞「社説」は、「安倍自公政権が結んだ合意を文在寅政権が評価せず、骨抜きにしてしまった事が最大の原因」「(韓国政府が)合意の意義を原告らに丁寧に説明していれば訴訟が避けられたかも」「韓国政府はまず、慰安婦合意を冷静に評価し直し、今回の訴訟の原告でもある元慰安婦らとの対話を進めるべき」と、客観的立場に立たず安倍自公政権側に傾いた主張を連ね、結論では、「日韓が和解のための最大の努力を尽したとは言いがたい。両政府の外交力が問われている」など、喧嘩両成敗無責任な批判に逃げている。

 主権者国民は、上記のような「主張」を鵜呑みにせず惑わされず判決そのものに触れ主体的に判断をする事が大切である。以下はソウル中央地方法院の判決についての「報道資料」である。

■ソウル中央地方法院大34民事部(裁判長部長判事金正坤)は2021.1.8慰安婦被害者裵○○ら計12人が日本国に対し提起した損害賠償請求訴訟において、原告らの請求をすべて認容し被告日本国が原告らに各1億㌆ずつ支払えという判決を宣告する。

■原告らの請求の要旨

原告らは日本帝国が侵略戦争中に組織的かつ計画的に運営していた「慰安婦」制度の被害者であり、日本帝国は第二次世界大戦中侵略戦争遂行のために組織的・計画的に「慰安婦」制度を設けて運営し、「慰安婦」を動員する過程で植民地として占領中であった韓半島に居住していた原告らを誘拐したり、拉致して韓半島の外に強制移動させ、原告を慰安所に監禁したまま常時暴力、拷問、性的暴力にさらした。このような一連の行為(以下「本件行為」という)は不法行為であることが明らかであり、これにより原告らが深刻な被害を受けたので、被告にその慰謝料の一部として各1億㌆の支払いを求める。

■判決要旨

ア 裁判権の有無(国家免除の適用可否)の判断:裁判権あり

 国家免除(または主権免除)は、国内裁判所が外国国家に対する訴訟について裁判権を持たないという国際慣習法である。19世紀後半から例外事由を認める相対的免除理論が台頭した。

 韓国大法院判決によっても私法的行為については、裁判権の行使が外国の主権的活動に対する不当な干渉となるおそれがあるなどの特別な事情がない限り、外国の私法行為について当該国家を被告として韓国の裁判所が裁判権を行使することができる。しかし、本件行為は私法的行為ではなく主権的行為である。

 国際司法裁判所(ICJ)は2012.2.3ドイツ対イタリアの事件で「国家免除に関する国際慣習法は、武力衝突の状況における国家の武装兵力及び関連機関による個人の生命、健康、財産侵害に関する民事訴訟手続きにおいても適用される」という趣旨の判決を宣告したことがある。

 しかし、本件の行為は日本帝国によって計画的、組織的に広範囲に強行された反人道的犯罪行為であって国際強行規範に違反するものであり、当時の日本帝国により不法占領中であった韓半島内で我が国民である原告らに対して強行されたものであって、たとえ本件行為が国家の主権的行為であっても国家免除を適用することができず、例外的に大韓民国裁判所に被告に対する裁判権があるといえる。

 その根拠としては、

1)韓国憲法第27条第1項、国連「世界人権宣言」第8条でも裁判を受ける権利を明らかにしている。権利救済の実効性が確保されていない場合、これは憲法上の裁判請求権を空虚にするものであるから、裁判を受ける権利は他の実体的基本権と合わせて充分に保護されて保障されるべき基本権である。

2)国家免除は手続的要件に関するものではあるが、手続法が不十分なことにより実体法上の権利や秩序が形骸化したり、歪曲されてはならないものである。

3)国家免除の理論は恒久的で固定的な価値ではなく、国際秩序の変動に応じて継続して修正されている。

4)1969年に締結された条約法に関するウィーン条約第53条によると、国際法規にも上位規範である「絶対規範」と下位規範の間に区別があり、下位規範は絶対規範を離脱してはならないとするのであり、ここにいう絶対規範の例として国連国際法委員会の2001年「国際違法行為に対する国家責任条約草案」の解説で挙示された奴隷制及び奴隷貿易禁止などを挙げることができる。

5)被告とされた国家が国際共同体の普遍的な価値を破壊し、反人権的行為により被害者に深刻な被害を加えた場合までも、最終的手段として選択された民事訴訟で裁判権が免除されると解釈することは不合理で不当な結果を導くことになる。すなわち、ある国家が他の国家の国民に対し、人道に反する重犯罪を犯さないようにした国際諸条約に違反しても、これを制裁することができなくなり、これにより人権を蹂躙された被害者は憲法で保障された裁判を受ける権利を奪われ自身の権利をまともに救済されない結果をもたらし、憲法を最上位規範とする法秩序全体の理念にも合致しない。「慰安婦」被害者らは日本、アメリカなどの裁判所に何度も民事訴訟を提起したが、すべて棄却又は却下された。請求権協定と2015年の「日本軍慰安婦被害者問題関連合意」も被害を受けた個人の賠償を包括することをできなかった。交渉力、政治力をもつことができない個人に過ぎない原告らとしては、本件の訴訟のほかに具体的に損害の賠償を受ける方法は見出しがたい。

6)国家免除の理論は、主権国家を尊重し、みだりに他国の裁判権に服従しないようにする意味をもつのであって、絶対規範(国際強行規範)に違反して他国の個人に大きな損害を与えた国が国家免除の理論の背後に隠れて賠償と補償を回避する機会を与えるために形成されたものではない。

イ 国際裁判管轄権の有無についての判断:管轄権がある

 不法行為の一部が韓半島内で行われ、原告らが大韓民国国民として現在大韓民国に居住している点、物的証拠はほとんど消失しており、基礎証拠資料はほとんど収集され、日本での現地証拠調査など必ずしも必要でない点、国際裁判管轄権は排他的なものではなく併存可能な点などに照らせば、大韓民国の本件の当事者ら及び紛争となった事案と実質的関連性があるといえるので、大韓民国の裁判所は本件について国際裁判管轄権を有する。

ウ 損害賠償責任の発生

 日本帝国は侵略戦争の遂行過程で軍人の士気高揚と苦情発生の低減、効率的統率を追求するために、いわゆる「慰安婦」を管理する方法を考案し、これを制度化して法令を整備し、軍と国家機関で組織的に計画を立てて人員を動員、確保し、歴史上前例のない「慰安所」を運営した。10代初中盤から20歳余に過ぎず、未成年又は成人になったばかりの原告らは「慰安婦」として動員された後、日本帝国の組織的直・間接的な統制下で強制的に一日に数十回日本の軍人たちの性的行為の対象となった。原告らは過酷な性行為による傷害、性病、望まない妊娠、安全性がまともに保証されていない産婦人科治療の危険を甘受せねばならず、常に暴力にさらされ、まともな衣食住を保証されなかった。原告らは最小限の自由も制圧され、監視下に生活した。終戦後も「慰安婦」だった前歴は被害を受けた当事者に不名誉な記憶として残り、いつまでも大きな精神的傷となり、このため原告らはその後社会への適応が困難であった。

 これは当時の日本帝国が批准した条約及び国際法規に違反したものであるだけでなく、第二次世界大戦後、東京裁判所憲章で処罰することを定めた「人道に反する犯罪」に該当する。

 したがって、本件行為は反人道的な不法行為に該当し、被告はこれにより原告らが被った精神的苦痛に対して賠償する義務がある。被告が支払うべき慰謝料は、少なくとも原告らに対し1億㌆以上とするのが妥当である(ただし、原告らが1人当たり各1億㌆のみを一部請求として請求したので、上記金額を超える部分については、判断しない)。

エ 損害賠償請求権消滅についての判断:消滅しない

 原告らの損害賠償請求権は、韓日両国間の1965年の請求権協定や2015年の日本軍慰安婦被害問題関連合意の対象に含まれていないので、請求権が消滅したとは言えない。[以上]

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