つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

「天声人語」の心に留めておきたい言葉

2023-07-26 19:09:05 | メディア

 2023年7月26日付朝日新聞「天声人語」が、森村誠一氏の回想録『遠い昨日、近い昔』の冒頭に引用されている英国人作家の言葉「最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、悪辣で、馬鹿みたいな事をしている時に、それを言ってやる事だ」を紹介していた。それを読み、すぐによく似た意味の言葉を思い出したので紹介したい。

平民新聞、神聖天皇主権大日本帝国政府の「対露宣戦布告」に対し、「反対」の意思表明をする言葉。当時、日清戦争後の下関講和条約に対する三国干渉以来の第2次伊藤内閣による「臥薪嘗胆」運動の煽動、東京帝大教授ら七博士による対露開戦意見書、対露同志会などの対露開戦論により世論は「開戦」が圧倒的となっていたが、結局、幸徳秋水・堺利彦らの平民新聞」は、反戦を唱えた。

「不忠と呼ぶ、可なり。国賊と呼ぶ、可なり。もし戦争に謳歌せず、軍人に阿諛(あゆ、おもねりへつらうの意)せざるをもって不忠と名づくべくんば、我らは甘んじて不忠たらん。もし戦争の悲惨、愚劣、損失を直言するをもって国賊と名づくべくんば、我らは甘んじて国賊たらん。 

 平和をとなうるを効果なしとす。しかも我らはただ一人の同志を得ば足る。今日一人を得、明日一人を得、三年、五年、十年、進んで止まず、我は必ず数千、数万の同志を得るの時あるを信ず

英国国会での「アヘン戦争」に関わる戦費支出に対するグラッドストーン(自由党)の「反対」意見。ウィリアム・メルボルン自由党内閣は清国派兵1840年2月に正式決定。戦費支出は同年4月の国会で9票差で承認された。以下がその際のグラッドストーンの言葉。

「その原因がかくも不正な戦争、かくも永続的に不名誉となる戦争を、私はかつて知らないし、読んだ事もない。今、私と意見を異にする紳士は、広東において栄光に満ちて翻っていた英国旗について言及された。だが、その旗こそは、悪名高い禁制品(アヘン)の密輸を保護するために翻ったのである。現在中国沿岸に掲揚されているようにしか、その旗が翻らないとすれば、我々はまさにそれを見ただけで恐怖を覚え、戦慄せざるをえないであろう」

(2023年7月26日投稿)

 

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