月曜日、インターネット予約していた渋温泉の金具屋に行ってきました。前日夜に飼い猫を動物病院に預け、新宿駅で往復の新幹線特急券と乗車券を買い、東京駅発10時24分の新幹線で、長野に行きました。夫婦で泊まる旅行は新婚翌年くらいに行った伊豆高原の「花吹雪」(昔はそんなに高くなかったです、びっくり!)以来でしたから、なんと25年ぶりくらいです。
1時間20分で長野についてしまうのにはびっくり。長野電鉄で湯田中まで行くのに3時くらいの電車で行けば、駅から金具屋までは送迎車があるというので、それまでゆっくり長野見物ということで、善光寺までとことこ歩くことにしました。昔、善光寺に桜の季節に行ったのですが、そのときはバスツアーだったので、長野の市街地を歩くのははじめてです。門前の通りが広くて、古めかしい建物が並んでいて、そこはまるで「明治村」みたいでした。
善光寺ちかくに、十割そばの店「大善」があり、そこに入りました。山菜天ぷらも頼んで二人で十割そば(夫は大盛り)、さらに日本酒もお願いして合計2050円という安さ。何より、そばも天ぷらもなんとおいしいことでしょう!酒のつまみは1品200円というお得なメニュー。夜も来たいと思いました。私たちは、蕎麦に惹かれて善光寺です。そして、仲見世のような門前のみやげ物屋を通り、とてつもなく大きな善光寺に入りました。平日だったので空いていて、気持ちよかったです。内陣は有料なので入らなかったのですが、外陣だけでも大満足です。
また長野駅に戻っても疲れるので、長電の特急が止まる「権堂」で電車に乗ることにして、善光寺の帰りは権堂の商店街を歩きました。途中、なんともレトロで懐かしい映画館を発見。まるで、倉本聰のドラマみたい・・・。
特急の時間までは、すぐ近くのイトーヨーカドーでコーヒーを飲んで待ち、地下駅の「権堂」も、またさらにレトロな雰囲気でした。特急自体も、なんかどこかで見たような、懐かしさです。終点「湯田中」までは1時間かからず、車窓からの眺めを楽しんであっという間でした。駅では、旅館の旗を持って待っていてくれました。結局、乗ったのは私たちだけ。皆さん、車やツアーバスで行くんですね・・・。
金具屋に到着して、5時半から建物の説明があるのでそれを予約して、私たちの泊まる居人荘の302号室「竹風」に案内され、お茶をいただきました。古い和風建築ですが、あとから洋式トイレやシャワー室を作ったようでした。旅館の浴衣とどてらを羽織り、ちょうど空いていた貸切風呂の「和与の湯」につかって初めての渋温泉を味わい、それから文化財に指定された建物や宮大工さんが仕上げた見事な作りを見て回りました。実に素晴らしい!九代目の説明を予約しておいてよかった・・・。私たち二人で聞いて回っているうち、他の泊り客の方たちも参加して、最後は大勢になりました。文化財指定を受けた大広間の説明が終わると、ちょうど夕食の時間となり、食事処に向かいました。
大広間
おととし指宿に演奏旅行で泊まったときもそうだったのですが、旅館の食事は、あまりに豪華すぎて、完食をモットーにする夫もさすがに食べ切れませんでした。私は最初から少し残すことにして食べたいものをしっかりいただきました。でも、これって、エコじゃないと思います。もったいないなー。うちは二人とも貧乏性なので、なんだか食べきれないのが悲しいです。もしも食べ切れなかった分を部屋に持ち帰れたら、部屋の冷蔵庫のビールやお酒が飲めるし、旅館もうれしいと思うのですが・・。部屋で食べるという条件付で、「部屋 de 宴会」セットとして、漆の箱にでも入れてもらってお部屋で飲み食いしたいものです。どうでしょうか?出された料理はそのうち6割でも十分満足できると思います。さらに温泉に入りたいから、そう満腹にはなりたくないもの・・・。料理はもちろん、とてもおいしかったです。
満腹のあとはちょっと休憩してから、張り切って温泉めぐりです。といっても、渋温泉の外湯めぐりではなく、金具屋さんの大浴場と貸切風呂に、露天風呂で十分!私は露天風呂に、浪漫風呂、岩窟風呂に入りました。
そうそう、金具屋さんでは、部屋に入ると、温泉セットがおいてありました。この袋、紐の部分が女性は赤、男性は紺で、女性用にはタオルとシャワーキャップ、歯ブラシセットが入っていて、男性にはタオル、髭剃り、歯ブラシでした。そして、隣の手形は例の渋温泉の外湯めぐりの鍵がついているのです。今回は一度も外湯を経験しませんでしたが、外部の人間にとっては相当に熱いそうです。寒い地方だからなのかな?この外湯手形は、帰りには部屋にきちんと置いておくことになっています。
翌日は、食前にまた露天風呂と鎌倉風呂、食後にも最後に露天風呂に入りました。そして10時のチャックアウト後、雨模様だったのですが、渋温泉街を散策して、NHK「小さな旅」に出ていた喫茶「信濃路」でおいしいコーヒーを春子おばあちゃんに入れてもらいました。夫がコーヒー好きなので、バスの時間ぎりぎりまで話をしてドキドキしました(バスは一日何本もないので)。
酔っ払いは大嫌いという春子おばあちゃん。コーヒーの入れ方はドイツ式で、本当においしかったです。自分でおいしく飲むためにはじめた喫茶店、NHKの国井アナウンサーに安すぎるといわれて1杯500円に値上げしたそうですが、それでも安すぎるほど、おいしいです。楽しいお話をたくさん伺ってきました。
湯田中駅の裏には、「楓の湯」があり、そのそばには無料の足湯がありました。もちろん、私は電車の時間まで、足湯につかりました。もう、温泉三昧で最高の気分です。
帰りも長電特急「ゆけむり」号に乗りました。この車両は、懐かしいと思ったらなんと、小田急ロマンスカーだったのです。快適でした。ローカル鉄道は経営がきびしいと聞いています。実際、特急も乗客はあまり多くなく、大丈夫なのかと心配してしまいます。平日だからだといいのですが、ローカル鉄道は、地元の生活の足でもあるし、これからもがんばってほしいものです。
今回は、来月の就職前にちょっと旅行しておきたいと思っての温泉旅行でした。渋温泉はとてもいいところなので、ぜひまた訪れたいです。そうそう、食べるの忘れてしまったご当地名物「うずまきパン」、次回までのお預けです。何度でも訪れたい、懐かしいような町並みの温泉街でした。ぜひまた行かなくちゃ!渋温泉の公式サイトはこちらです。温泉街全体がいい雰囲気を持っていて、猫もいるし、猿も(猿はちょっと怖い)。猫が幸せに暮らしている町は、お年寄りにも優しい街。金具屋さんにもかわいい猫ちゃんたちがいました。