大串章選
シスターのオール捌きや風光る 柏市 藤嶋務
シスターがボートを漕いでいる姿が、びっくりでさらにかっこいい!
高山れおな選
旅人の如くマスクを探しけり さいたま市 齋藤紀子
恐れるも恐れられるもマスクして 青森市 小山内豊彦
マネキンの脱いでまた着る春隣り 仙台市 三井英二
一句目と二句目、今大問題の新型コロナウイルスのせいで、日本でもマスクが品薄になり、手に入らなくなりました。この騒動を句にしたものが今回は多かったです。
三句目は、マネキンだけじゃなくて人間さえも、この季節は日々、気温変動が多くて何を着ていいかわからなくて、苦労します。この句は、銀座のデパートのショーウインドウの様子が目に浮かんで選びました。春を待つ思いが待ち遠しくて、春のファッションをいち早く着せたマネキンが目に浮かびました。
稲畑汀子選
老犬より老人元気冬の朝 芦屋市 高杉靖子
人生100年時代です。老人は元気で長生きしなくては。老犬も、昔よりは長寿になったはずですが、犬の介護は大変ですね。それも大型犬となると・・。昔、谷口ジローの「犬を飼う」という漫画を読みました。
長谷川櫂選
わかさぎの光の穴を覗き込む 長野県川上村 丸山志保
八十を省きて三粒年の豆 八王子市 石川みえ子
一句目、わかさぎのきらきらした様子が目に見えるようで、とてもいいと思いました。二句目、83才の作者、たしかに83粒なんて、食べるのは無理。再来年はチコちゃんですね!