ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇10月27日

2024年10月29日 21時07分03秒 | 短歌

永田和宏選

枚数に限りがあるから丁寧に撮りき昭和のフイルムカメラ     観音寺市 篠原俊則

自販機の缶コーヒーがサイフォンの珈琲となり定年後の朝     富山市 原 徹

 一首目、今はみんなデジタルになり、たくさん撮ってもすぐに削除できる。それに、スマホも高性能のカメラで、かなりうまく写真が撮れるようになりました。だから、映えるとかあちこちで写真を投稿しています。こんな社会になって、私はあまりいいとは思えません。みな、自己満足で社会を席巻しているような。ネットにはフェイクもたくさんあふれているし、私たちが撮らなくても、あちこちに防犯カメラがあるのだから。二首目、定年後に時間が有り余ってコーヒーにお金と時間をかける、それは趣味としていいけれど、勘違いして、カフェを開きたいなんて言ったら、大変ですよね。コーヒーは、自分の時間だし、一人でほっとする時間。それだけで大切にしましょう。

馬場あき子選

朝一番友と大和路へ行きし妻 そうだ今夜は鰻を食おう    五所川原市 戸沢大二郎

証拠品捏造をした人の責めは問われぬままの無罪確定     神戸市 安川修司

 一首目、そうだ・・からがなかなかいいですよね。まるで、そうだ京都へ行こうなんて具合に、鰻を持ってきたところが面白いです。自分も贅沢していいんですって。二首目、冤罪で頭に来るのは、自白強要する怖さと、さらには無実なのだから、犯人がほかにいるのに、それを調べようともしない警察、これが本当に許せませんよ。のうのうと罪を逃れて平気でいる人間がいるのですから。犯人に仕立てられてしまう恐怖は、もしかしたら誰にでも降りかかるものなのかもしれません。見込み捜査で自白だけが頼りなんて、本当に信じられませんよね。

 久しぶりに短歌を選んでみました。やはり言葉は大切だし、とても深い世界です。自分の心に引っかからないのは、自分自身の想像力や感性が鈍っているということでした。

 

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