夫と私の共通点は、彼はあまり話さなかったけれど、いじめられているほうだったってことかな。それと、クラシック好き。そして食べること、飲むことが大好き。
でも、お酒が好きというのは、もしかしたら、「お酒」に逃げていたのかも。彼の本当の心のうちは、今でもよくわからない。あまり、子供のころの話をしたがらなかった。父の転勤で、小学校高学年から中学時代を北九州市ですごしたそうだ、社宅で。義母から、マンガ本を同級生に貸したりしていたけれど、ある日、帰りに相当転んでけがしたことがあったとか。転校生は、いじめにあうのが鉄則みたいなところがある。そうだったのかもしれない。とにかく、学校嫌いで人間嫌い。そこに惹かれたのも、私自身もそうだったからかも。
私のいじめられ体験は、もう外見がはっきりしているから。目が悪く、幼稚園のころからメガネをかけていた。めがねざるとか言われたし・・。子供は残酷。
親、特に母親は、もっと子供にかまわなくちゃ。どんなことがあっても、あなたを守るという姿勢をはっきり見せてほしい。夫が母を憎んだのも、そういうところが見えなかったからではないかしら。最晩年、毎晩のように母を殴る夢を見ると言っていた。だから、会うのが怖いと。自分に死期が近づいて、その力もないから、ようやく会う決断をしたんだろう。どんなことがあったのかは、私にはわからない。でも、人間が一番会いたい存在は、「母」以外ないと思う。
きっと、子供のころに、もっともっと抱きしめてもらいたかったんだと思う。いつも、裏切られたという気持ちがあったんだろうね。
いじめは、卑怯だよ。今の時代は昔と違って、いじめが陰湿で陰惨で、本当にいやだ。もし、自分がそうされたらという想像力を持ってほしい。誰もが、そんなこと、怖くてできなくなるはず。人にされて嫌なことはしない、これは当たり前のことなのに。
ごめんねって、手をつなごうよ。遅くないと思うよ。自分がされていると想像してみて。いじめっ子は、いじめていることすら忘れちゃうんだよ。ひどいことだと思うよ。人を傷つけるというのは、最低だ。どうして、そんなことするの?お母さんが抱きしめてくれないの?素直になろうね。