2017年(来年度)卒の大学生就活解禁まで1か月を切っているせいであろうか。
私が今年3月に大学を卒業する娘の就活に直撃して綴ったエッセイのひとつ 2015.8.1 バックナンバー「ありのままの貴方こそが企業が求める人材だ!」 へのアクセスがここのところ増えている。
その内容を、以下に少し振り返らせていただこう。
我が娘など経団連指導による“新制度”を「解禁破り」し、既に3月初頭より自主的に就活を開始している。 というのも娘が通う大学が就活新制度に対応し、大学3年時までにすべての卒業単位を取得する事を半強制して、大学4年生時には就活と卒業研究に集中可能なカリキュラム構成にするべく努力している故だ。 もちろん、それに従わない(あるいは奨学金返済を自己負担とし日々バイトに励む義務のある)学生も数多い事実の様子でもある…。
ところが我が娘は就活歴5ヶ月が経過した8月にして、未だ「内定」とやらを一度足りとて頂戴出来ない有様だ。 娘の場合、諸企業の一次筆記試験には大抵合格して来る。 ところが次なる「面接試験」で幾度も振り落され続ける現実だ…
そんな折、朝日新聞紙面にて 社会学者 上野千鶴子氏が大学生の相談に答えるご回答を見つけた。 その回答の程が的を射て素晴らしい! 以下に結論部分のみを紹介しよう。
貴方は「アナ雪」のように「♪ありのままで」就活に臨めばよい。 ただ、問題は貴方が「ありのままの自分」に自信を持てない事にあるようだ。 面接担当者とは貴方がこれまで達成して来たことよりも、これからののびしろを見る。 その際必要なのは、貴方の能力よりも態度。自分に自信があるか、おどおどしているかはすぐ見抜かれる。 過剰な自信は逆効果。 自分がこれまで生きて来たことに信頼して、未知の事態に対して前向きに取り組める姿勢があれば、それが評価されるだろう。 これからの就活戦線、何勝何敗になるか分からないが、失敗しても「人格を否定された」訳ではない。 貴方が求めるものと相手が求めるものとの不一致にしか過ぎない。 「(相手から)求められる人材」をあれこれ心配するよりも、貴方が将来就く仕事に何を求めたいのか、それを点検する必要がある。 (以上、“悩みのるつぼ” 回答者 上野千鶴子氏の回答の一部を少しだけアレンジして引用。)
元々天邪鬼の原左都子など、本日昼のNHKニュース映像にて取り上げられた某一部上場企業(商社だったが)の面談風景を目にして、意地悪視点で首を傾げた事がある。 新卒者の面談を実施しているのが、何と年端もいかない新卒者と同年代と思しき若者達なのだ!
ちょっと勘弁して欲しい気もする。 子ども同士で面談し合って何が判明するのだ?? これじゃあ、自分と同類の若造を選抜するのが関の山ではないのか? まあただ、大手商社が文系大卒者を選抜する場合、そもそも何らの専門力もない者同士(更には恐らく縁故採用者同士)だろうから、この種の選抜方式を取るのが関の山なのかなあ??? 何だかこの猛暑の時期に肌寒さすら感じ、悪寒がするね……
(以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を引用したもの。)
話題を2017年度卒の大学生就活に戻そう。
朝日新聞2016.2.12 付「面接で違法な質問ダメ 学生の人権守れ 大阪で大学・行政連携」なる記事を発見した。 その内容の一部を以下に要約して紹介しよう。
大阪府内のある男子学生は、就活面談で「お父さんの職業は?」と尋ねられ、母子家庭故にその回答に戸惑ったという。 大就連では、学生に「就職差別等についての報告書」の提出を呼びかけ、職業安定法に基づかない募集要項や面接での質問等、法に抵触する内容があった場合、大阪府からの改善要請や労働局からの行政指導が行われる仕組みとなっている。
このケースでは、男子学生に対する家族についての質問は本人の能力や適性には関係がなく、不必要な情報で採用選考上予断と偏見が生じる可能性があるとして、労働局が指導。 会社側もこれに対し釈明し、今後社内統一基準を作ることを約束したという。
(以上、朝日新聞記事より一部を要約引用したもの。)
一旦、原左都子の私論に入ろう。
上記の事例の場合、就活面接が確かに母子家庭に暮らしてきた男子学生を傷つける結果となったと同時に、その質問が「就職差別」に繋がったと判断可能だ。 企業側に改善を求めた労働局側の対応は的を射ているし、男子学生がその後この種の就職差別を受けることなく望む企業に就職出来たことを祈りたい。
ここで、原左都子の私事に入らせていただこう。
当エッセイ集内で度々公開しているが、我が娘は若干(あくまで若干の範疇だが)の事情を抱えてこの世に誕生している。
娘幼少の頃よりサリバン先生を母の私が実行しつつ、何らの社会福祉制度にも依存することなく、あくまでも娘自身の指導教育を徹底するとの手段で、通常の社会にて生き抜く力を育成して来ている。 サリバンの私としては十分普通に世を渡る力を娘に伝授出来たと自負しているし、元々持って生まれたDNA資質に恵まれた(両親のいいとこ取りをしている)娘側も、一人の成熟した人間として世に出るべく心がけていると把握している。
就活採用現場に日々精力的に出かける娘を一見すると、(エントリーシートから判断して家庭内での成育歴は良さそうだし、本人も普通レベルの学力はある、 が、何かちょっと変かな?)なる感想を抱く面接担当人物が存在するのも否めない事実であろうと捉えていた。
それが、「大当たり」だったことが悲しかった頃に母として綴ったのが、冒頭で紹介した「ありのままの貴方こそが企業が求める人材だ!」 とのエッセイだ。
ただ、サリバンである私もへこたれない!
娘には相変わらず 「ありのままの貴方こそが企業が求める人材だ!」と告げつつ、それを認めない企業とは元々縁がないのだから、落とされた方がずっとマシ!! とまでサリバンとして言い続けた。
そんな折に巡り会ったのが、娘が自らゲットした就職先である。
小規模会社であることがラッキーだったのか、その企業の面接では口数が少ない娘に対して、オープンかつフランクに面接担当者が対応してくれたとのことだ。
例えば我が娘の名前は古代ギリシャ哲学から命名しているのだが、それを心得ない人物から、娘の名前がカタカナであることに対し、「ハーフですか?」なる意に反する質問を繰り返された過去の歴史がある。
(いい加減にしてよ! あんたの方こそ高校レベルで習ったはずのギリシャ哲学を何で知らないの!??)と母の私など、尋ねる人の無知さ加減にむかっ腹が立ったものだが、我が娘の方がよほど人間が出来ている事実に我が怒りをいつも鎮めて来たものだ。
この娘の命名の由来を、娘を採用した民間企業の面接担当者氏が初めて尋ねて下さったとのことだ。 (これぞ、それを命名した母親冥利に尽きるのだが。)
それを娘にきちんと聞いてくれた後、その命名由来に感激したらしき面接担当氏が、自然な流れで更なる質問として「ご両親は如何なる職種の方ですか?」と娘に尋ねたらしい。 それにも娘はすべて答えたとのことだ。(父はともかく、母である私の職歴を語るのは大変だったと思うのだが…)
何も我が家の自慢話を展開しようとの意図ではないが、このような面接場面も存在してよいのではないかと、私など“逆バージョン”として思うのだ。
もちろん、上記母子家庭に暮らす大学生の事例こそが数多い現実であろうと心得る。その現実は保護するべきだ。
ただ、たかが未熟な大学卒業生を雇い入れる新人採用面接に於いて、何故にそれ程までに個人情報保護に邁進せねばならないのだろう??
我が家など、面接担当者氏がオープンかつフランクに未熟な娘に個人情報を尋ねてくれたお陰で叶った就活内定だっと総括できるのだが… (単に、我が家が特殊な事例なのだろうか…??)
私が今年3月に大学を卒業する娘の就活に直撃して綴ったエッセイのひとつ 2015.8.1 バックナンバー「ありのままの貴方こそが企業が求める人材だ!」 へのアクセスがここのところ増えている。
その内容を、以下に少し振り返らせていただこう。
我が娘など経団連指導による“新制度”を「解禁破り」し、既に3月初頭より自主的に就活を開始している。 というのも娘が通う大学が就活新制度に対応し、大学3年時までにすべての卒業単位を取得する事を半強制して、大学4年生時には就活と卒業研究に集中可能なカリキュラム構成にするべく努力している故だ。 もちろん、それに従わない(あるいは奨学金返済を自己負担とし日々バイトに励む義務のある)学生も数多い事実の様子でもある…。
ところが我が娘は就活歴5ヶ月が経過した8月にして、未だ「内定」とやらを一度足りとて頂戴出来ない有様だ。 娘の場合、諸企業の一次筆記試験には大抵合格して来る。 ところが次なる「面接試験」で幾度も振り落され続ける現実だ…
そんな折、朝日新聞紙面にて 社会学者 上野千鶴子氏が大学生の相談に答えるご回答を見つけた。 その回答の程が的を射て素晴らしい! 以下に結論部分のみを紹介しよう。
貴方は「アナ雪」のように「♪ありのままで」就活に臨めばよい。 ただ、問題は貴方が「ありのままの自分」に自信を持てない事にあるようだ。 面接担当者とは貴方がこれまで達成して来たことよりも、これからののびしろを見る。 その際必要なのは、貴方の能力よりも態度。自分に自信があるか、おどおどしているかはすぐ見抜かれる。 過剰な自信は逆効果。 自分がこれまで生きて来たことに信頼して、未知の事態に対して前向きに取り組める姿勢があれば、それが評価されるだろう。 これからの就活戦線、何勝何敗になるか分からないが、失敗しても「人格を否定された」訳ではない。 貴方が求めるものと相手が求めるものとの不一致にしか過ぎない。 「(相手から)求められる人材」をあれこれ心配するよりも、貴方が将来就く仕事に何を求めたいのか、それを点検する必要がある。 (以上、“悩みのるつぼ” 回答者 上野千鶴子氏の回答の一部を少しだけアレンジして引用。)
元々天邪鬼の原左都子など、本日昼のNHKニュース映像にて取り上げられた某一部上場企業(商社だったが)の面談風景を目にして、意地悪視点で首を傾げた事がある。 新卒者の面談を実施しているのが、何と年端もいかない新卒者と同年代と思しき若者達なのだ!
ちょっと勘弁して欲しい気もする。 子ども同士で面談し合って何が判明するのだ?? これじゃあ、自分と同類の若造を選抜するのが関の山ではないのか? まあただ、大手商社が文系大卒者を選抜する場合、そもそも何らの専門力もない者同士(更には恐らく縁故採用者同士)だろうから、この種の選抜方式を取るのが関の山なのかなあ??? 何だかこの猛暑の時期に肌寒さすら感じ、悪寒がするね……
(以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を引用したもの。)
話題を2017年度卒の大学生就活に戻そう。
朝日新聞2016.2.12 付「面接で違法な質問ダメ 学生の人権守れ 大阪で大学・行政連携」なる記事を発見した。 その内容の一部を以下に要約して紹介しよう。
大阪府内のある男子学生は、就活面談で「お父さんの職業は?」と尋ねられ、母子家庭故にその回答に戸惑ったという。 大就連では、学生に「就職差別等についての報告書」の提出を呼びかけ、職業安定法に基づかない募集要項や面接での質問等、法に抵触する内容があった場合、大阪府からの改善要請や労働局からの行政指導が行われる仕組みとなっている。
このケースでは、男子学生に対する家族についての質問は本人の能力や適性には関係がなく、不必要な情報で採用選考上予断と偏見が生じる可能性があるとして、労働局が指導。 会社側もこれに対し釈明し、今後社内統一基準を作ることを約束したという。
(以上、朝日新聞記事より一部を要約引用したもの。)
一旦、原左都子の私論に入ろう。
上記の事例の場合、就活面接が確かに母子家庭に暮らしてきた男子学生を傷つける結果となったと同時に、その質問が「就職差別」に繋がったと判断可能だ。 企業側に改善を求めた労働局側の対応は的を射ているし、男子学生がその後この種の就職差別を受けることなく望む企業に就職出来たことを祈りたい。
ここで、原左都子の私事に入らせていただこう。
当エッセイ集内で度々公開しているが、我が娘は若干(あくまで若干の範疇だが)の事情を抱えてこの世に誕生している。
娘幼少の頃よりサリバン先生を母の私が実行しつつ、何らの社会福祉制度にも依存することなく、あくまでも娘自身の指導教育を徹底するとの手段で、通常の社会にて生き抜く力を育成して来ている。 サリバンの私としては十分普通に世を渡る力を娘に伝授出来たと自負しているし、元々持って生まれたDNA資質に恵まれた(両親のいいとこ取りをしている)娘側も、一人の成熟した人間として世に出るべく心がけていると把握している。
就活採用現場に日々精力的に出かける娘を一見すると、(エントリーシートから判断して家庭内での成育歴は良さそうだし、本人も普通レベルの学力はある、 が、何かちょっと変かな?)なる感想を抱く面接担当人物が存在するのも否めない事実であろうと捉えていた。
それが、「大当たり」だったことが悲しかった頃に母として綴ったのが、冒頭で紹介した「ありのままの貴方こそが企業が求める人材だ!」 とのエッセイだ。
ただ、サリバンである私もへこたれない!
娘には相変わらず 「ありのままの貴方こそが企業が求める人材だ!」と告げつつ、それを認めない企業とは元々縁がないのだから、落とされた方がずっとマシ!! とまでサリバンとして言い続けた。
そんな折に巡り会ったのが、娘が自らゲットした就職先である。
小規模会社であることがラッキーだったのか、その企業の面接では口数が少ない娘に対して、オープンかつフランクに面接担当者が対応してくれたとのことだ。
例えば我が娘の名前は古代ギリシャ哲学から命名しているのだが、それを心得ない人物から、娘の名前がカタカナであることに対し、「ハーフですか?」なる意に反する質問を繰り返された過去の歴史がある。
(いい加減にしてよ! あんたの方こそ高校レベルで習ったはずのギリシャ哲学を何で知らないの!??)と母の私など、尋ねる人の無知さ加減にむかっ腹が立ったものだが、我が娘の方がよほど人間が出来ている事実に我が怒りをいつも鎮めて来たものだ。
この娘の命名の由来を、娘を採用した民間企業の面接担当者氏が初めて尋ねて下さったとのことだ。 (これぞ、それを命名した母親冥利に尽きるのだが。)
それを娘にきちんと聞いてくれた後、その命名由来に感激したらしき面接担当氏が、自然な流れで更なる質問として「ご両親は如何なる職種の方ですか?」と娘に尋ねたらしい。 それにも娘はすべて答えたとのことだ。(父はともかく、母である私の職歴を語るのは大変だったと思うのだが…)
何も我が家の自慢話を展開しようとの意図ではないが、このような面接場面も存在してよいのではないかと、私など“逆バージョン”として思うのだ。
もちろん、上記母子家庭に暮らす大学生の事例こそが数多い現実であろうと心得る。その現実は保護するべきだ。
ただ、たかが未熟な大学卒業生を雇い入れる新人採用面接に於いて、何故にそれ程までに個人情報保護に邁進せねばならないのだろう??
我が家など、面接担当者氏がオープンかつフランクに未熟な娘に個人情報を尋ねてくれたお陰で叶った就活内定だっと総括できるのだが… (単に、我が家が特殊な事例なのだろうか…??)