原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

河合夫妻逮捕問題、地元政界では「実はもらってました」のドミノ倒し状態…

2020年06月27日 | 時事論評
 「河合夫妻逮捕問題」、比較的早期に両人が逮捕されたのは良かったが。


 何だが“腑に落ちない”というのか。
 “両人共々、とっとと議員辞職しろよ!”と言いたくもなるし。
 安倍氏の責任はいつ問えるのか!!? の問題も抱えたままだ。
 とにかく未だ、解決するべき事案は山積状態だ。😩 


 本日2020.06.27付朝日新聞「天声人語」がこの話題の中で、特に広島の政界の現状を面白可笑しく取り上げていた。
 以下に、要約引用しよう。

 広島の政界では今、ドミノ倒しのように「実はもらってました」という告白が続いている。
 衆院議員、河合克之容疑者による現金配布先とされていた地方政治家たち。 謝罪の記者会見で涙を見せる市議もいて、さながら懺悔ドミノだ。
 ある市議は反省の印に丸刈りになっており、浪花節的でもある。 今まで黙っていたのは「2人だけの秘密」と念を押されたためだったらしい。
 約束は少し前まで律儀に守られていた。 社会学者ジンメルによる指摘が当てはまるか。 2人あるいは二つの集団の一切の関係は「そこに秘密が存在するか否か、さらに秘密がどれほど存在するかの問題によって性格づけられる」と『社会学』で述べている。
 秘密、とりわけ重たい秘密は人間をつなぎとめる接着剤になる。 それを河合議員は利用しようとしたのだろう。 お金を渡される時に「安倍さんからです」と言われた町議もいた。  (配られた党費には)税金も入っているから「国民からです」と言っておいてもよかった。
 「秘密は緊張を含んでおり、この緊張は秘密が明らかにされた瞬間に解消される」ともジンメルは述べた。 広島には話して胸のつかえが取れた人もいる。 告白すべき人が中央政界にもいるのなら、お早めに。

 (以上、本日の朝日新聞「天声人語」より一部を引用したもの。)


 私見に入ろう。

 私が一番腹立たしいのは、河合夫妻が逮捕後もずっと議員として居座り、高額の“国会議員歳費特権”(要するに議員としての報酬)を取得している件だ。 
 この夫妻、逮捕されるずっと以前よりこの“選挙勝利のためのカネ配り容疑”により、ほとんど議員としての仕事が出来ていないはずだ。 にもかかわらず、高額の歳費特権を貰い続けているその“盗人猛々しさ”に苛々させられる!
 良心があるのならば、今後は“歳費特権”を受け取ることを辞退してはどうか?! と言いたくもなる。

 広島政界の「(自分も)実は貰っていました」の“遅ればせながら告白”に関しては。
 差し出された時に直ぐに堅く辞退したらしき議員もいたらしい。
 あるいは貰ったものの責任を感じ、とうの昔に自ら辞職したとの議員や市長も少ないながら存在するようだ。
 河合氏から「2人だけの秘密」と耳元で囁かれたにせよ、やっぱり受け取る連中が大多数だった事実が明らかになった今回の事件でもある。 😵 
 ただ、政界に於いて「2人だけの秘密」の言葉が、社会学者ジンメルの指摘のような“効用”を発揮するとは私は思わない。
 単に政界人にとって、“カネ”とは何にも勝って魅力的なものと言う事なのだろう。(選挙に出るにはお金がかかるし、議員人生を貫くにも同様のようだしねえ…)


 そんな政界の常識を今後改革していく事こそが、大きな課題ではなかろうか?
 「金権政治」が叩かれて久しいが、何ら解決の方向に向かっていないどころか。

 今回の河合夫妻事件、戦後“最醜態”の「政治家金権問題」であるようにも感じる。
 (実際、端から見ている側が恥ずかしい思いを募られる事件だ…)