昨日昼のニュースを見ていると、以下のニュースが流れた。
長男(2)を敷布団で巻いて殺害したとして、警視庁は24日、東京都町田市主婦T容疑者(31)を殺人容疑で逮捕し、発表した。 T容疑者は調べに「泣きやませるためだった。殺すつもりはなかった」と供述し、容疑を一部否認しているという。
町田署によると、武田容疑者は23日午後8時50分ごろ、自宅2階の一室で、長男の崇太郎君の全身を敷布団で巻き、約40分間放置して殺害した疑いがある。 夜泣きがやまなかったといい、これまでも泣きやまないときに敷布団で巻くことがあったという。
同9時半ごろ、様子を見に行った武田容疑者が、崇太郎君が息をしていないことに気づき110番通報。 崇太郎君は病院に搬送されたが、同11時10分すぎ死亡が確認された。 窒息死とみられる。
武田容疑者は放置していた間、会社員の夫(37)、双子の長女(2)と1階にいたという。
(以上、ネット情報より引用したもの。)
私事に入ろう。
ちょうど昼飯時で隣にいた亭主に、「この2歳の男の子、夜驚症だったんじゃないの? うちの〇〇(娘)がそうだったからそう思う。」と話しかけると。
亭主もそれをよく覚えていて、「〇〇の夜驚症は凄かった」と振り返る。
もうそれはそれは「凄い」などという範疇ではなく、“気狂いのごとく異様な程に”ほとんど毎日泣き叫んだものだ。
我が娘の場合、むしろ昼寝後の症状が酷かった。 症状が出ると手が付けられない。 “あやす”などとの対応は全く無効で、とにかくその「発作」が静まるまで抱っこをして時間を待つしか方策がとれなかったものだ。 (我が娘の場合は、“抱っこ”をせがんだ。)
面白いことにその「発作」は(我が娘の場合は)30分程で収まり、その後は何も無かったがごとく本人はケロッとして、いつもの可愛い〇〇ちゃんに戻るのだ。
我が娘の場合は他にも奇病を数多く抱えていて複数の専門医にかかっていたため、直ぐにその症状を相談することが叶った。 脳波(異常が見つかった)やCT(こちらは特段の異常なし)等の定期検査を繰り返し、「夜驚症」であることが判明した。
その担当医がおっしゃって下さった言葉を今でも覚えている。
「必ずや治ります。 お母さんは日々大変でしょうが、もうしばらくの辛抱です。 〇〇ちゃんを大事にしてあげて下さい。」
このアドバイスが大きな後ろ盾、大きな励みとなったものだ。
さすがに専門医、そのお言葉通り我が娘の「夜驚症」は小学校入学時には完治していた。 お陰で我が子を殺さずに済んだ… 😰
ここで、「夜驚症」に関する専門情報をネットより引用しよう。
夜驚症は、子供の睡眠障害の1つです。
普通に眠っている最中に、急に泣き叫んだり、叫びながら暴れたりという症状、発作が起こります。
脳は深い眠りについている状態、ノンレム睡眠時に起こる発作であることから、子供自身が夜驚症の症状が起こったときの事を覚えていません。
夜驚症の発作は、3歳~6歳の子供に多く見られる症状です。 睡眠時驚愕症とも呼ばれることがあります。 睡眠機能がしっかりと完成するまで、思春期までにいはおさまることがほとんどです。
基本的には治療しなくても自然に治ることが多いです。
ちなみに、子供が眠っている時に様々な症状が起こるということは夜驚症以外にもあり、悪夢障害、夢遊病等など、全てを総称して【睡眠時随伴症】と呼びます。
夜驚症の原因
夜驚症の原因としては、はっきりとは解明されていません。
しかし、子供の脳は睡眠時にコントロールする機能が未熟であるために、眠っている状態から覚醒することができずに夜驚症が起こってしまうと考えられています。
また、子供がものすごく楽しい体験をした時、逆にものすごい怖い体験をした時、過度に緊張した経験などが原因となり夜驚症を引き起こすとも考えられています。
夜驚症の症状
夜驚症の症状としては、眠っている状態なのに突然目を覚ますところから始まります。 座り込んだり立ち上がったりして、突然泣き叫び出したり、何か怖いものにおびえているような行動や表情をしながら泣いたりします。 泣かずに叫び暴れるという症状が起こることもあります。
自立神経がものすごく強い興奮状態となるため、心拍数が急激に上がったり、呼吸数が増えてしまい、ひどく汗をかくこともあります。
発作が落ち着きおさまってくると、徐々にはっきりと目を冷ました状態に近づいて行きます。
発作がおこってからしばらくは、話しかけたりしても全く返事をしてくれないような状態です。 ママの姿も見えていないような行動でしょう。 しかし、徐々に落ち着いてくれば、声をかけると返答したり、ママの顔を見たりします。
夜驚症の症状が起こる発作時間としては、個人差がありますが、大体1から10分くらいでおさまります。 発作がおさまった時、本人は何が起こったのか覚えていないというのも夜驚症の症状の特徴ですね。
夜驚症の発作が起こり、症状が見られた場合、子供自身は部分的覚醒状態にあります。 そのためパパやママが声をかけても、子供は声に対して反応しません。
外に出たりしないか、階段を登ったりしないか、段差から落ちたり躓いたりしないかなど、危険が及ばないように近くで見守ります。
発作中は意味不明な行動を取り、部屋から出ていったり、壁に向かって歩いて行ったり、大きく暴れたりということがありますが、基本的には見守りましょう。
パパママが一生懸命無理に抑えこもうとすると、発作がより悪化してしまうことがあります。 無理に押さえつけること無く近くで見守るのが正しい対処法です。
夜驚症の治療方法
子供の夜驚症の発作が起こり、症状を見ると、ものすごく不安になります。 どこかが悪いのではないか、我が子は大丈夫なのかと心配です。 しかし、夜驚症が健康を害す病気などではないため、基本的に治療は必要ないとされています。 あえていうのであれば、近くで見守り自然治癒を待つことが最善の治療方法となりますね。
夜驚症ではなく、てんかんなどの病気が原因となり症状が起こっているもあるので、発作の回数が多かったり、症状がひどい場合などは受診してみるとよいですね。
(以上、「夜驚症」に関するネット情報の一部を引用したもの。)
上記情報を読むと、「夜驚症」の症状にも多少のバラつきがあるようだ。
我が娘の場合は、その「発作」時間がいつも30分程と長かった。 また「抱っこ」をせがむとの症状もあった。
とにかく「夜驚症」の症状が出た時には上記情報内に記されている通り、子どもの安全を視野に入れつつ症状が過ぎ去るのを待つのが親の役目であろう。
冒頭の「2歳長男殺害事件」に話題を戻そう。
私も我が子の「夜驚症」の苦労を数年経験してきているため、もしもその子が「夜驚症」だったのなら… との思いを抱かされる。 母親の日々の苦労の程が我が事として蘇る…
ご亭主もその時自宅の1階にいたとの報道だが。
長男と母親を救う手立てが無かったものか、と無念でもある…
「夜驚症」を持つ子を育てた経験を有する立場から、今回のエッセイを公開させていただいた。
と言うのもこの手の相談を周囲にしても、それを知らない人々からは「子どもって泣くものなのよ。 もっとおおらかに子育てしなさい」等々の“間抜けな回答”しか返って来ないものだ。😫
この現象に傷つけられ続けた我が子育て時代でもあったが故に、「医学」に関する専門知識・情報の重要性を語りたくもあった。