原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

忘れ得ぬローマ・テルミニ駅の光景

2020年06月13日 | 旅行・グルメ
 (冒頭写真は、ローマ テルミニ駅の電光掲示板。 列車の出発時刻と乗り場等の案内が記載されているが、我々母娘は右側中央より少し下方に掲示されている10時05分発トリノ行列車に乗る予定だった。 2016.01撮影。)

 
 冒頭写真は、2016.01~02にかけて、娘と二人で個人旅行をしたイタリア ローマ・ピサ・フィレンツェの写真のうち、ローマの主要駅テルミニ駅にて撮影したもの。

 イタリア旅行記の写真は本エッセイ集内に帰国後数多く公開しているが、どうやらその中で一番人気なのがこの“テルミニ駅電光掲示板”の写真のようだ。
 あれから4年半の年月が経過した現在尚、最近の「原左都子エッセイ集」編集画面トップ50内にランクインし続けている。

 このテルミニ駅には前の日の夜遅くローマ空港に到着しホテルで一泊した後、旅程初日の一番最初に訪れた思い出深い場所である。



 それでは、以下に2016.02.04公開の 「ローマ・ピサ・フィレンツェ 列車と徒歩の旅 ーテルミニ駅編ー」を以下に再掲載させていただこう。 

 ローマにて迎えた初日は、丸一日かけてローマ観光を実施する予定だ。
 その前に、確認しておくべき事項がある。
 翌日フィレンチェまで移動する特急列車(上記のトリノ行の列車)の予約は日本にて既に完了しているが、テルミニ駅内の実際の乗り場や乗り方をあらかじめ習得しておこうと考えた。
 大都会東京暮らしが長い我々にとって、電車に乗る事など日常茶飯事だ。 ただ、国により駅の運営方法や乗車の仕方が異なる事も過去に於いて経験している。

 さてローマのテルミニ駅だが、東京に負けず劣らず乗客の数が半端ではなく多い。
 その人混みをかき分けつつ、トリノ行の列車乗り場をあちこち探したのだがどうしても見つからない。
 駅にインフォメーションがあるとの情報を得ていたため、それを探してもどこにもなければ、東京に比し駅員の数が極端に少なく駅員すら探し出せない。

 そんな折、切符自動販売機の近くにいた警備員らしき若き女性に乗り場を尋ねた。
 そうしたところ、その態度のあまりにも横柄な事に驚かされるはめとなった。 どうやら、我々が乗る列車の会社とは異なる自動販売機の近くで乗り場を尋ねた様子だ。  それを「この黄色人種のバカどもが!」とでも言いたげに我々を蔑んだ眼差しで見ながら “チッ” と舌打ちしたのを私は見逃していない。
 (何と失礼な奴!)とムカっ腹が立ったものの、一応その女性が「Go straight and left」と言い放ったのを聞き、一応一言お礼を言ってその方向へ向かった。

 ところが、やはり乗り場は見つからない。
 そこにやって来たのが、一見親切そうなイタリア人男性だ。 駅の係員ではなさそうなのだが、どうやら駅案内に慣れている様子だ。 私が手元に持っていた電車情報を見せると、すぐさま乗り場まで連れて行ってくれた。
 予想に反して駅の入口から遠い場所に乗り場ホームがあったのだが、わざわざそこまで案内してくれ我々が安堵していると、イタリア語でチップをせがんでいる様子だ。
 仕方なく財布から5ユーロを取り出して手渡すと、喜んでそそくさと去って行った。

 後味が悪い事この上ないが、とりあえずは乗り場が判明したため役には立ったと考え直し、我々も駅から去った。

 ローマ初日の初っ端の朝から、ローマの玄関口テルミニ駅にて遭遇したこれらの“事件”により多少のトラウマが残ってしまったものの、気を取り直して我々のローマ観光が続く事と相成る。
 
 (以上、2016.02バックナンバーより再掲載したもの。)



 2020.06現在の感想だが。
 
 特に個人旅行の場合、旅先の一期一会の場面で現地の人々の優しさや親切心に触れるのが叶う事こそが一番の嬉しいサプライズである。
 それを出来るだけ数多く堪能したくて、個人旅行を嗜好しているようなものだ。

 ところが…
 このテルミニ駅のハプニングには実に意気消沈させられたものだ…
 娘は未だ大学生、その卒業直前にイタリアにて素晴らしい思い出を残してやりたかったのに、ローマ初日の初っぱなからこれらの“事件”に遭遇せねばならないとは!

 ただそれでも母である私が毅然としていられたのには、理由があった。

 最初に“チッ”と舌打ちした横柄な態度の警備員女性だが。 正直言って、デブだし身長は私よりも低いし、何よりもその失礼な態度から感じ取れるイメージから考慮して、(日本人の私たちの勝利だぜ!)と思えたのだ。 せせこましい勝利感であることは認めるが…😝 
 更に参考だが、当時からイタリアには中国人団体観光客がわんさか押し寄せていて、そのマナーの程がよろしくなかったのが事実だ。 そんなこともあって、イタリア現地の方々は黄色人種に対して、残念ながらよきイメージが無いのであろう。

 後の我々にチップをせがんだ男性だが。
 この方に関しては本文内でも記載したが、親切な人だったことには間違いない。 しかも、実際役に立った!
 この案内を経験していなければ、次の日に我々は日本で予約した特急列車の乗車は叶わなかった事だろう。
 チップ5ユーロは多過ぎたかもしれないが、我々の案内に30分程を要したこともあり、私なりに“軽い昼食”をイメージしてその金額を渡した。  少ないからもっとくれ!との鬱陶しいいがみあい事態を避けたかったこともあったが。

 旅にはトラブルがつきものだが、ローマ初日の朝からこれらの被害に遭ってしまった事実の尾を引かない事を、母の私は心がけたものだ。


 最後に、ローマ テルミニ駅周辺にまつわる写真を公開しておこう。

       
        テルミニ駅にて撮影した写真。


       
        我々母娘がローマからフィレンツェまで乗車した特急列車。


       
        テルミニ駅近くのスーパーマーケットで買った食材。 サラミ類が絶品だった!


       
        テルミニ駅近くのレストランテラス。 (参考だが、路上の違法駐車がもの凄く、東京の方がマシ感を抱いた…)  ローマ観光後の夕餉はこのレストラン室内でハウスワインと共に楽しんだ。 マダムやウエイター氏達がとても親切に対応して下さったのが思い出深い。😃