娘の引越し手伝いが一段落した昨日、私は義母が暮らす高齢者介護施設を訪ねた。
既に1か月程前より、足腰(特に腰?)の慢性の痛みを我が家へ電話で頻繁に訴えてきていた義母だが。
特にここ一週間程はその頻度が上がり、少ない時でも日に5度程の着信があった。
ちょうど娘の引越作業中で、母の私は娘の新居での作業手伝いに尽力していたのだが。
先週の事だったが、老体にムチ打っての引越し作業に心身ともに疲れ果てて帰宅すると。
亭主が言うには、「施設の母がどうしても〇子(私の事)に施設へ立ち寄って病院へ連れて行って欲しい、と言う。その病院とは義母が昔よく通っていた都心の大病院なのだが、連れて行ってもらえるかな?」
実際疲労困憊していた我が身に、更なるムチ打つその亭主の発言に怒り心頭の私が反論して。
「どうして認知症を抱える義母の言いなりになるのよ! そもそも月々高額の入居料を支払っての施設入居なのだから、うちに電話を寄越すのではなくて義母には施設の医療担当者に相談せよ!と指導するべきだ。 しかも、順番が違ってるよ。 本来ならば施設側の医療担当者が義母の容態をきちんと診て、もしも異常があるようならばある程度の診断をした下に、その結果病院受診が必要ならば施設から家族へ病院受診依頼を寄越すべきだよ。」
これに関しては亭主ももちろん承知しているのだが、とにもかくにも義母があまりにも頻繁に電話を寄越すのに辟易としているのは事実であり。 その課題を私に振ろうとしたのは理解可能だ。
私応えて、「娘の引越し手伝いで私が疲労困憊しているのは分かっているよね? とにかく、私は今は義母の病院付き添いは体力的にも不能だから、一人で対処してくれる?」
その後、更に私が亭主に提案した。
「義母が私の施設訪問及び病院付き添いをどうしても嘆願しているのならば。 一旦話を戻して、施設の常駐看護師長に現在の義母の容態の詳細を伺うのが先決問題だと思う。 いきなり義母の病院付き添いではなく、その会合を持てるのならば一度義母の施設へ行ってもいい。」
この私の考えを亭主が受け入れてくれ、早速施設へ連絡したところ。 看護師長氏も快くその会合に出席して下さる段取りとなった。
そして昨日、私は義母の施設へその会合出席のために亭主と出かけた。
我々の到着までに、看護師氏が義母に事の成り行きを十分に説明頂いていたようで、義母も交えての4者会談と相成った。(とは言えども、義母は難聴と認知症のため会談の内容はまったく理解不能だったであろうが…)
その会談の前に、義母が私に嬉しそうに告げる。
「〇子さん(私の事)は、この連休は郷里の実母さんに会いに行っていたのね。(亭主がそのように嘘の説明をしてくれていたようだ。) 私はね、〇子さんが実母さんの処へ行くととても寂しいの。何だか私のことを忘れられるような気がして。 それで、今日も施設へ来てくれないのかと思っていたら来てくれたから本当に嬉しい。」と、満面の笑みで話してくれる。
とにかく、私が施設へ行ったことで義母が安堵してくれたのに私も助けられて。
その後、施設看護師氏との4者会談(実質は3者会談だが)が実施された。
結論としては、その後の看護師氏の発言が元医学関係者である私の思想と一致していたことに、私は大いに安堵した。
要するに。
身体が弱った高齢者相手に、手術等の医療行為を成すこと自体が既に不可能な事実。
ただし高齢者が訴えてくる「痛み」に対しては薬剤等々で対処するべきこと。
これらに関しては、施設の医療担当者が責任をもって、今後共執り行うこと。
加えて、施設入居者から直接家族に“病院へ連れて行って欲しい”と嘆願する事実は控えてもらうこと。
上記事項に関して施設看護師長氏と我が家との合意が叶ったのは、我が家にとっては大きな収穫だった。
ところが未だに厄介なのは、義母自身が昨日の会合が何であったかをまるで理解していない点だ。
本日午前中に、さっそく義母から我が家に電話が掛かってきて問うには。
「昨日は〇子さん(私のこと)が来てくれて、とても嬉しかったのだけど。 何で、看護師さんが同席していたの??」
この電話には亭主が出たが、テキトーにあしらってくれたようだ。😖