原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

そんなに私が悪いのか?!!

2015年10月05日 | その他オピニオン
 (写真は、集合住宅である我が家の南側バルコニーから撮影した、現在大規模修繕工事中につき足場が組まれ建物全体に幌が被せられた風景。)


 私は生来的に“気難しい”人間である事を認める。 
 そして、物事の白黒をはっきり付けたい人種であることも自覚している。
 更には、どちらかというと“短気かつ喧嘩っ早い”性分であるとも自己分析出来ている。

 そんな私に、一昨日とある「格闘」の挑戦状を叩きつけられるごとくの事件が発生した。


 私の現在の住居である集合住宅が、9月より第一回大規模修繕工事に突入している。

 そもそも我が家は今回の修繕工事“先送り案”支持派であり、9月からの工事実施に関して「反対」の立場を貫いてきた。 
 その理由とは複数ある。
 一つには、現在東京は2020五輪開催に伴い建設工事が多発している現状であり、必然的に市場の工事費用が高騰している。  物件の痛みが激しいのならば早急に修繕工事に入るべきだろうが、事前調査によるとさほどの痛みはないとの結果が出ている。 ならば工事費用高騰現象が収まって後に実施しても遅くないと、管理組合を通して幾度となく訴えた。
 二つ目として、我が家の場合築32年を経過した別物件(昨年売却)を所有していた関係で、「大規模修繕工事」の実態の程を詳細に把握している。 それに対し集合住宅を購入する人のほとんどが初回の購入者であり、修繕工事を実施したら見違えるように物件が蘇るとの感覚があるようだ。 確かに、こと外見に関しては“”一見”美しく蘇ったかの感覚は抱く。ところが物件の劣化とはそれ程甘くはなく、第一回大規模修繕では着手しない建物内側の給排水設備等々の劣化を防げる訳ではない。 
 三つ目は、物件管理会社(長谷工だが)とその下請工事会社との癒着の実態だ。 これに関しても、我が家はその現状を厳しく追及した上で、出来るならば癒着の無い工事会社と修繕契約を結ぶことを主張した。 と言うのも、現在我が物件の修繕積立金が ¥4,000万円 積み立てられているのだが、その全額が今回の修繕工事に必要と言う。 そんな偶然があるはずがなく、詳細な資金計画を提出せよ!と迫った我が家だ。

 結果としては管理組合員大多数賛成決議により、我が家としては不本意ながらも「第一回大規模修繕工事」に9月から突入してしまったのだ…。 
 (世の庶民とは何故これ程“素直”なのだろう? それは単に馬鹿なのか? あるいは巨大組織相手に“闘う”との選択肢を避けたいのだろうか??)

 実際問題、我が家の意に反して9月に大規模修繕が開始されている。 もはや、これを許容して日々暮らすしか方策が採れない。 (と思いつつも冒頭写真のごとく、展望と日当たりが自慢だった我が家も南側バルコニーに鉄柵と幌を施されてしまっては、まるで「牢獄」に出も入れられている気分だ。 これを工事期間である年末まで耐えねばならない…。


 そんな折、事件が発生した。

 我が家の場合、当該物件を購入する時点で「オプション」工事を複数申し出ている。 「オプション」とは市場価格に対し大幅に割高なのだが、とにかく入居前に工事を終えてくれるのが魅力で、複数のオプション工事を依頼した。
 その一つが、南側バルコニー床面に設置した「タイル」だった。 当時のオプション時価で50万円程の費用を計上している。 ところが今回の大規模修繕において長谷工側が指示した内容とは、「バルコニーに設置しているタイル等は自費にて撤去廃棄するように」との事だ。
 これにも噛みついた私だ。 購入時に時価より大幅に高い価格で購入させておきながら、今更自費で撤去・廃棄せよとは何事か! 我が家の意向としては、撤去及び再設置費用を支払ってよいから、長谷工側でその手配をして欲しい旨を伝えた。  そうしたところ、長谷工側から6万円との有償で撤去・再設置工事を実施するとの返答が来て、それに同意した。

 さて一昨日(10月3日)、実際にバルコニータイル撤去工事が始まった。
 まず工事作業に来てくれたのが長谷工の下請組織の工事員氏だった。 足場から来て頂いたのだが、私としては直にご挨拶を申し上げたく思い、バルコニー側の窓を開けその旨の挨拶をした。 作業員氏はそれに心良く応じて下さり一人で粛々と工事を実施されていたようだ。
 その作業の途中に、突然長谷工の作業員氏と思しき男性が足場から我が家のバルコニー内にいきなりやって来て大声で言うには、「こんなにバルコニーを汚されては迷惑だ!」
 ちょうど南側室内で「原左都子エッセイ集」を綴っていた私は、その発言に驚き大衝撃を受けた。 その時感じた私の反感は次の通りだ。  (誰がバルコニーのタイルを買って設置せよと言った!? しかも市価より高額で! 大規模修繕時にそれ程迷惑ならば、最初から売るなよ!! 少し考えてみろよ。 一旦バルコニーにタイルを敷き詰めたならば、素人がその下を掃除出来る訳がないだろ! 綺麗好きな私とてタイルの下が想像を絶する程に汚れている事など百も承知だが、どうやって掃除しておけと言うのか!)
 それでも、私は一生懸命作業をしている長谷工下請職人の方が作業を終わるまで耐えた。 そして下請け職人氏が作業を終えた時点で、長谷工本部に上記( )内趣旨の抗議電話を入れた。

 そうしたところ返って来た回答はさすが、大手建設企業ならではの模範回答だった。 「明日の午前中までに現場調査をしまして、謝罪に伺います」との事だ。
 そして、昨日午前中に今回の長谷工大規模修繕最高責任者氏と、現場監督氏が我が家にやって来て謝罪を述べた。その謝罪内容を紹介するに、結局暴言を吐いた現場作業員氏を厳重注意としたとの事だ。
 それに多少の不安を感じた私は、「その作業員が本当に自分が失言したと認めていますか? 厳重注意したと言っても、その方が我が家のバルコニー修繕にまた来るのですか??」 いろいろ尋ね返す私に対し、どうも私よりも若いと思しき長谷工本社職員の回答がしどろもどろなのも察知した。 


 要するに、今後も自力対応するしか方策が取れない事を実感だ。

 巨大企業内で、ある程度上部社員とて弱者。 
 しかも下請け職人氏とて、もっと弱者。  
 更には、我が家のベランダで「迷惑だ!」と叫んだ長谷工職員こそが一番下っ端の弱者。……

 そんな弱者だらけの世の中に於いて、誰相手にも喧嘩を売れる訳などないとの結論に達するのだろう。

 「あんたが悪い!」と誰かに喧嘩を売られたとしても、年長者の立場としてはその言葉を一旦我が胸に潜め、「そうですね。」と軽く反応出来る力量を培いつつこの世を渡って行くべきなのだろう。

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