原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ASIMOくん、君の歩みはもう止まるのか?

2018年06月28日 | 学問・研究
 (写真は、我が家に保管してあったロボットASIMOのデフォルメ人形。)


 先程、ネット上で以下の情報を入手した。
 早速、引用しよう。

 ホンダが2足歩行の人型ロボット「アシモ」について、開発の中止を検討していることが28日、明らかになった。 アシモは2000年に発表された2足歩行ロボの先駆けで、段階的に改良が加えられてきた。 今後はアシモで培った技術を活用し、福祉・介護分野などで使う実用的なロボットの開発に注力する方向だ。 
 ホンダは1986年に2足歩行ロボットの開発に着手。 現在のアシモは走ったり、ジャンプしたりといった高い運動性能を持つ。 手を使って簡単な作業もすることができる。
 ホンダは、人型ロボットの開発自体は継続する。 アシモも一般の知名度が高く、ホンダの技術力の象徴でもあることから、イベントなどで活用を続ける方針だ。 


 ここからは私事で恐縮だが。

 6年前に現役引退した理学博士・物理学研究者の我が亭主が勤務していたのが、まさにこの「アシモ」の研究開発に着手した民間企業技術研究所だった。
 亭主自身はこの「アシモ」の研究開発には直接かかわっておらず、その発展系である「歩行アシストロボット」(アシモの制御技術を応用し足腰が弱った人の歩行を助ける装置)の研究に定年前の何年間か携わっていた。

 当時としてはホンダが世界に先駆けて研究に着手した“2足歩行ロボット”「アシモ」は、まさにロボット界に於いて花形だったようだ。
 2000年初頭の頃、我が家でも亭主が私と未だ幼き娘を捕まえて「アシモ」について自慢げによく語っていた記憶がある。
 そして、冒頭写真の「アシモ」デフォルメ人形を2個も買って来て、娘と私にプレゼントしてくれたりもした。 (先程その保管場所を探したのだが、残念ながら1個は行方不明。 もう1個は娘の部屋にて埃にまみれた状態で発見し、その写真を撮影した。
 
 本物の「アシモ」を見に行った事もある。
 あれほど亭主が自慢する「アシモ」を娘に見せてやろうと企てた私は、東京お台場に位置する科学博物館へ娘を誘い「アシモ」とご対面した。 予想よりはるかに小さい「アシモ」だった事に、私は何だかいじらしく痛々しい幼気(いたいけ)な姿を見る思いだった。
 ただ、やはりこれ程小さく設計せずして、二足歩行や一瞬宙に身体を浮かせるランニング機能をロボットに持たせるのは無理なのかと判断した。


 つい最近の事だが、いつも昼の時間帯に視聴しているNHK連続ドラマ内で「ロボット」の話題が出た。
 何でも主人公の幼馴染みの律が、大学にてロボット研究に携わりたいとの夢を描いたシーンだった。
 そのシーンを亭主もたまたま見ていたのだが、「確かにドラマの時代背景がロボット研究さきがけの頃だ。 そして、ドラマの律が所属している西北大学(おそらく早稲田大学)がホンダに先駆けてロボット研究を実施していたのも事実だ。 今となってはロボット研究も多岐に及び、その目指す方向が多様化している。 今後のロボット研究の未来は多様だ。」等々と私相手に持論を展開したものだ。
 (そうか、今では家でうだうだしている印象しかない亭主も、意外や意外、ロボット開発研究に関しては熱い思いを持っていたんだねえ~~。)


 ここで、ウィキペディア情報より「二足歩行ロボット」に関する記載の一部を以下に引用しよう。

 二足歩行ロボットは、主に人間の活動を前提とした空間で、ロボットが支障なく移動し作業することを目的に研究されている。 また、自動車のペダル、自転車のペダル、足踏み式空気入れなど、ユーザーインタフェースとしての人間の足を前提とした機械をロボットに動作させることを目的としているケースもある。 初期の二足歩行ロボットにおいては、人間の二足歩行というメカニズムを工学的な視点より研究・解明する目的で製作されたものもある。  二足歩行以外には、産業用の組立てロボットのように移動手段を持たないものや、地上(車輪、キャタピラ、蛇のような多関節構造、4脚、6脚)、水中(無人潜水艇)、空中(無人飛行機)、宇宙(無人探査機)などの移動手段がある。
 ロボットの語源はチェコの作家カレル・チャペックの『RUR』という1921年に出版されたSF小説に出てきたロボットという名の人造人間である。 この小説ではロボットは奴隷として描かれており、ある日人間に反抗し人間の殺戮を開始する、というストーリーである。 原典での描写に従えば、ロボットとは人間に危害を加える人造人間の奴隷ということになる。 ハリウッド映画に出てくるロボットの多くが、この原典でのイメージを引き継いでいるのは理解できるだろう。 日本におけるロボット研究においては、からくりとの文化的なつながりが複数の識者により指摘がされている。 また、『鉄腕アトム』や『ドラえもん』といった漫画・アニメ作品で描かれたような、人間と共に、また人間と同じように活動するロボットへのあこがれが、日本でヒューマノイドや二足歩行ロボットの研究が盛んである理由の一つとの指摘する人も多い。 実際、そのような意見を述べるロボット研究者は少なくない。
 二足歩行ロボットは、以前から日本の技術の高さと独自性が内外から評価されつつも、未だ産業化とは程遠い状況である。 二歩行ロボットのような新技術の実用化には、天才による画期的な発想ではなく、失敗を繰り返しそれに学ぶ地道な改良が必要で、大規模な資本投下と足の長い開発が欠かせない。  最も実用化が有望なのは、人間が入れない作業空間ということで、原子力産業への適用は以前から提案がされていた。 しかし、事故の想定を嫌う原子力サイドの対応は極めて消極的であった。 
 (以上、ウィキペディア情報より一部を要約引用したもの。)


 その後のホンダの対応だが。
 再び亭主の談話によれば、民間企業の「社会的責任」観点から「歩行アシスト」の研究開発は続行しているとの事のようだ。 
 要するに民間企業に於いても(組織存続の収支を度外視してでも)「社会的責任論」を重視せずして今現在の企業経営が成り立たないとの事実が歴然としているのは明白なのであろう。

 そんな中、米国ではこの“2足歩行ロボット”を軍用利用目的で研究開発中であるらしい。
 要するに「スーパー兵士」の登場だ。

 まったくもって、ロボット人工知能開発研究が今後の世の平和に於いて吉と出るのか凶と出るのか!??
 それは研究開発者達の良識の程に依存されているのが現実なのであろう。

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