一昨日に、ベトナム北部、中国雲南への旅の簡単な旅行メモを投稿しました。中国農村部もそうですが、ベトナムは全体としてすごく貧しい。もちろん収入が世界比較ですごく低いということであって、生活必需品など国産品の物価がさらに輪をかけて安いのですから、単純には比較できません。以下はそういう生産力の面だけの話ですが、今読んでいる本から紹介します。世界経済入門(岩波新書、西川潤著)より、2000年の数字です。
金持ち国はだいたい、経済協力開発機構(OECD)に入っており、その平均一人あたりGDPは26,310ドルです。アジアでこれに加入できていたのは1999年で日本、韓国だけだったと記憶しています。日本のその数字は、33,550ドルとあり、当時の韓国は9,930ドルです。以下、貧しい国のこの数字をあげてみます。
ベトナム(430ドル)などインドシナ3国やミャンマーなどの300~400ドルを最低として、東・東南アジアは世界の貧困地帯の一つであって、平均1,267ドルです。サハラ以南のアフリカ諸国が最も少なくて450ドルです。ラテンアメリカは平均して高いと言われますが、それでも3、280ドル。石油のある国とない国に分かれる中東・北アフリカが平均では2,250ドルということでした。
ここでいう貧しい国の特徴は以下です。
何よりも輸入ができない。だから大きなインフラ整備、工業化などができません。国内産品は安いとしても、世界の文明からは取り残されがちな国ということです。医療なども当然、極めて劣悪になり、死亡率が高くなります。そこから、改善のためにちょっと無理をすると対外債務急増ということになります。
途上国(平均1人GDPは1,342ドル)の対外公的債務は、80年700億ドルー90年末1.4兆ー00年末2.5兆ドルと増えています。グローバリズムの21世紀に入って、公的債務が減った代わりに民間直接投資が増えています。ただし、先進国の民間投資は中所得国には向かいますが、最貧困国にはまず行きません。
最後に、「日本のGDPは高くとも、その『格差』が凄いだろう」という声に答えます。この本には「所得最上位1割が国民総所得または総消費に占める率と、最下位2割がそれらに占める率の比較」が書いてありました。
日本はそれぞれ22%と11%です。これに近いのがスゥエーデンの22対9あたりでした。インド、バングラディシュは34対8と27対7でちょっと悪く、アメリカ(31の5)、中国(33の6)、ロシア(36の5)がもう少し悪い。
最も酷いのはブラジル(48対2)、チリ(45対3)や南ア(47対2)というところでした。
ちょっと読んでみただけでも、グローバリズムのなすがままにはできない状況だと思いました。作者もそういう批判をしています。ここから作者は、「グローバル化に対応する方向」として、EUと「東アジア経済圏」に触れています。地域扶助という当然の考え方ですね。
著者は早稲田大学大学院の経済学教授ですから、資料は全て出典明記で、世界銀行などきちんとしたものでした。それこそグローバルな名著だと思いました。
金持ち国はだいたい、経済協力開発機構(OECD)に入っており、その平均一人あたりGDPは26,310ドルです。アジアでこれに加入できていたのは1999年で日本、韓国だけだったと記憶しています。日本のその数字は、33,550ドルとあり、当時の韓国は9,930ドルです。以下、貧しい国のこの数字をあげてみます。
ベトナム(430ドル)などインドシナ3国やミャンマーなどの300~400ドルを最低として、東・東南アジアは世界の貧困地帯の一つであって、平均1,267ドルです。サハラ以南のアフリカ諸国が最も少なくて450ドルです。ラテンアメリカは平均して高いと言われますが、それでも3、280ドル。石油のある国とない国に分かれる中東・北アフリカが平均では2,250ドルということでした。
ここでいう貧しい国の特徴は以下です。
何よりも輸入ができない。だから大きなインフラ整備、工業化などができません。国内産品は安いとしても、世界の文明からは取り残されがちな国ということです。医療なども当然、極めて劣悪になり、死亡率が高くなります。そこから、改善のためにちょっと無理をすると対外債務急増ということになります。
途上国(平均1人GDPは1,342ドル)の対外公的債務は、80年700億ドルー90年末1.4兆ー00年末2.5兆ドルと増えています。グローバリズムの21世紀に入って、公的債務が減った代わりに民間直接投資が増えています。ただし、先進国の民間投資は中所得国には向かいますが、最貧困国にはまず行きません。
最後に、「日本のGDPは高くとも、その『格差』が凄いだろう」という声に答えます。この本には「所得最上位1割が国民総所得または総消費に占める率と、最下位2割がそれらに占める率の比較」が書いてありました。
日本はそれぞれ22%と11%です。これに近いのがスゥエーデンの22対9あたりでした。インド、バングラディシュは34対8と27対7でちょっと悪く、アメリカ(31の5)、中国(33の6)、ロシア(36の5)がもう少し悪い。
最も酷いのはブラジル(48対2)、チリ(45対3)や南ア(47対2)というところでした。
ちょっと読んでみただけでも、グローバリズムのなすがままにはできない状況だと思いました。作者もそういう批判をしています。ここから作者は、「グローバル化に対応する方向」として、EUと「東アジア経済圏」に触れています。地域扶助という当然の考え方ですね。
著者は早稲田大学大学院の経済学教授ですから、資料は全て出典明記で、世界銀行などきちんとしたものでした。それこそグローバルな名著だと思いました。