この小沢辞任劇は、慶喜が二条城で大政奉還した作戦と同じだ。薩長へのカウンターポリティックス。諸侯の前にポイッとに大政を奉還し、慌てた諸侯や公家たちが、いま慶喜に政権を投げ出されたら困るから、お願いですから慶喜様の新国家政策で政権を担当して下さいと頭を下げて、慶喜の構造改革路線を支持するように仕向けようとした政治術策と同じである。
狙いは一本。
恒久法を民主党の政策としてオーソライズさせることだ。そして、その上であらためて代表を引き受ける。要するに党内の恒久法反対派を潰し、密室協議に乗った過失責任を帳消しにするための一鳥二石の剛腕謀略である。役員会と執行部は、小沢一郎を慰留しようとすれば恒久法を認めるしかない。さらに政権協議にも入らざるを得ない。恒久法と政権協議の拒否を選ぶか、それとも俺を選ぶかと、二者択一を迫っているわけだ。
民主党役員会は小沢一郎の脅しと駆け引きに乗ってはいけない。恒久法を認めてはいけない。すぐに辞表を受理して、後任を代表代行の菅直人に決めろ。小沢一郎に付いて出て行く人間は追い出してやればいい。選挙での神聖な公約を破って自民党と取引をはかった小沢一郎は、引責辞任が当然だ。これは喩えて言えば、日産のゴーンがトヨタの経営陣と密談して、独断で合併を決めようとしたのと同じだろう。重大な脊任行為じゃないか。
許されるはずがない。辞任の前に解任で当然だ。 (11/4 17:40)