本日の田中宇氏の配信ニュースを読むと、近年のイギリスの不思議だった行動がよく分かるような気がするので、そのさわりを抜粋してみたい。
過去に僕が妙だなと思ったイギリスの行動が、これを「仮説」に使うなら、説明できるような気がするのだ。イギリスはなぜユーロに入らなかったのか。労働党政権なのに、なぜイラク戦争に賛成したりイスラエルの肩を持ったりしてきたのか。一般に近年、なぜイギリスは近くの国から離れて、遠くのアメリカにべったりで来たのか。アメリカのレーガノミックスが、イギリスのサッチャリズムを踏襲したように見えたが、それはなぜなのか。などなど
田中氏は、物作りがだめになったけれど、過去に稼いだ金で国際的金融事業を行い、その周辺を巧みに工作することで経済を支えてきたイギリスの「終焉」を語っている。だとすれば、イギリスが画策してきた部分では、世界の悲劇が減るという意味で、これは明るいニュースになるが。
今までのイギリスが悪辣だったというよりも、こういうことだったのではないかななどと僕は推定し、感慨が深かった。第1次、2次世界大戦を経て衰退してきた大英帝国を、こういう形の「経済的知力?」で辛うじて持たせてきたのかと。今は第2位の経済大国である日本が今後相対的に衰退していくとしても、こういう所行の二の舞は願い下げだなとも思った次第だ。また、今のイスラエルが強いのではなく、困っているから強気に出ているだけとも読めるのである。暗い事ばかりの今の世界のなかで、これは本当に朗報となるのかな?
【 米の著名な投資家ジム・ロジャーズは1月21日「もう英ポンドは終わりだ。ポンド(建て資産)を持っている人は、すぐに全て売った方が良い」「ポンドを支えてきたのは、北海油田とロンドンの金融界だったが、今やいずれも枯渇している。もはや英国は、何も売るものがない」「シティ(英金融界)も終わりだ。国際金融の中心はアジアに移っている。今や、世界のすべての資金はアジアにある。何故その資金をわざわざ欧米の方に戻す必要があるのか?。ロンドンなんか不要だ」と宣言した。
ロジャースは数年前、中国中心のアジアが経済的に勃興することを予測して拠点を米国からシンガポールに移し、多極化に賭けた人である。英国の経済力(経済謀略技能)は意外と強く、その後、中国株が大幅下落したりして、事態は彼の予測した速度では進んでいないが、英国が崩壊するとなれば、世界経済の多極化も進むだろう。彼は、崩壊する英国に対して「ざまあみろ」と思っているに違いない。 】
【 英国はユーロ加盟して欧州の盟主をめざす(つまり米国とやや疎遠になる)多極型戦略を捨て、米イスラエルと一緒に世界支配する一極型戦略を選択した。結局、イラク戦争の失敗と金融危機の発生によって、この一極型戦略は劇的に崩壊し、米英イスラエルはこぞって窮地に陥っている。 】
【 英国は、経済が金融偏重であるうえ、英国の金融システムが米国のコピーなので、07年夏に米国で金融危機が勃発した直後から「英国は米国より先に破綻する」との予測を、私は米英発の情報の中に見かけるようになった。しかし、日本の「専門家」を含む、世界の大方の人々は「米英金融システムは強い」という固定観念に固執し、破綻を予測できなかった。今になって「バブルというものは、崩壊するまで誰にもわからないものだ」などと、著名な「専門家」や論説委員が、自らの不勉強や思考の柔軟さの欠如を棚に上げ、日本の大手新聞に書いているのを見ると、米英金融崩壊を早期に予測して長らく与太者扱いされた私は、悲痛な思いにとらわれる。
世界における英国の強みは、ロンドン金融界(シティ)の力だけではない。国際政治や国際相場を裏で操れる諜報機関(MI6など)の工作力もある。地球温暖化、原油や金の相場、ロシア市場の暴落、中東やロシア・中国周辺などでのテロ・民主化運動・ゲリラ活動など、彼らが操作しそうな分野は多い。シティが潰れても、MI6が健在なら、英国は新たな策動によって、自国の繁栄と、自国好みの国際政治体制を維持するかもしれない。(たとえば日本人の中国敵視を煽り、日本を中国と戦争させて東アジアの経済台頭と多極化を潰すとか)
しかしMI6も、ここ数年で3つの大失敗をしている。一つは、米英中心体制を維持する戦略だった「テロ戦争」が、ブッシュ政権の無茶苦茶によって破綻したこと。オバマは就任早々に「テロ戦争の終結」を、グアンタナモ閉鎖とともに宣言している。
二つ目は、これと付随して、米政界を牛耳ってくれる英国の代理勢力だったイスラエルが存亡の危機にあること。ガザ戦争で、イスラエルは「戦争犯罪」に問われそうだ。三つ目の失敗は、脅威となりそうな国の金融市場を潰す道具として、彼らが使っていたであろうヘッジファンドやタックスヘイブンなど、非公開の国際的な資金の調達機能と秘匿場所が、国際金融危機の対策として規制され、潰されていきそうなことだ。これらのことを考えると、英国では金融界だけでなく、MI6の力も減退していると推測される。 】
過去に僕が妙だなと思ったイギリスの行動が、これを「仮説」に使うなら、説明できるような気がするのだ。イギリスはなぜユーロに入らなかったのか。労働党政権なのに、なぜイラク戦争に賛成したりイスラエルの肩を持ったりしてきたのか。一般に近年、なぜイギリスは近くの国から離れて、遠くのアメリカにべったりで来たのか。アメリカのレーガノミックスが、イギリスのサッチャリズムを踏襲したように見えたが、それはなぜなのか。などなど
田中氏は、物作りがだめになったけれど、過去に稼いだ金で国際的金融事業を行い、その周辺を巧みに工作することで経済を支えてきたイギリスの「終焉」を語っている。だとすれば、イギリスが画策してきた部分では、世界の悲劇が減るという意味で、これは明るいニュースになるが。
今までのイギリスが悪辣だったというよりも、こういうことだったのではないかななどと僕は推定し、感慨が深かった。第1次、2次世界大戦を経て衰退してきた大英帝国を、こういう形の「経済的知力?」で辛うじて持たせてきたのかと。今は第2位の経済大国である日本が今後相対的に衰退していくとしても、こういう所行の二の舞は願い下げだなとも思った次第だ。また、今のイスラエルが強いのではなく、困っているから強気に出ているだけとも読めるのである。暗い事ばかりの今の世界のなかで、これは本当に朗報となるのかな?
【 米の著名な投資家ジム・ロジャーズは1月21日「もう英ポンドは終わりだ。ポンド(建て資産)を持っている人は、すぐに全て売った方が良い」「ポンドを支えてきたのは、北海油田とロンドンの金融界だったが、今やいずれも枯渇している。もはや英国は、何も売るものがない」「シティ(英金融界)も終わりだ。国際金融の中心はアジアに移っている。今や、世界のすべての資金はアジアにある。何故その資金をわざわざ欧米の方に戻す必要があるのか?。ロンドンなんか不要だ」と宣言した。
ロジャースは数年前、中国中心のアジアが経済的に勃興することを予測して拠点を米国からシンガポールに移し、多極化に賭けた人である。英国の経済力(経済謀略技能)は意外と強く、その後、中国株が大幅下落したりして、事態は彼の予測した速度では進んでいないが、英国が崩壊するとなれば、世界経済の多極化も進むだろう。彼は、崩壊する英国に対して「ざまあみろ」と思っているに違いない。 】
【 英国はユーロ加盟して欧州の盟主をめざす(つまり米国とやや疎遠になる)多極型戦略を捨て、米イスラエルと一緒に世界支配する一極型戦略を選択した。結局、イラク戦争の失敗と金融危機の発生によって、この一極型戦略は劇的に崩壊し、米英イスラエルはこぞって窮地に陥っている。 】
【 英国は、経済が金融偏重であるうえ、英国の金融システムが米国のコピーなので、07年夏に米国で金融危機が勃発した直後から「英国は米国より先に破綻する」との予測を、私は米英発の情報の中に見かけるようになった。しかし、日本の「専門家」を含む、世界の大方の人々は「米英金融システムは強い」という固定観念に固執し、破綻を予測できなかった。今になって「バブルというものは、崩壊するまで誰にもわからないものだ」などと、著名な「専門家」や論説委員が、自らの不勉強や思考の柔軟さの欠如を棚に上げ、日本の大手新聞に書いているのを見ると、米英金融崩壊を早期に予測して長らく与太者扱いされた私は、悲痛な思いにとらわれる。
世界における英国の強みは、ロンドン金融界(シティ)の力だけではない。国際政治や国際相場を裏で操れる諜報機関(MI6など)の工作力もある。地球温暖化、原油や金の相場、ロシア市場の暴落、中東やロシア・中国周辺などでのテロ・民主化運動・ゲリラ活動など、彼らが操作しそうな分野は多い。シティが潰れても、MI6が健在なら、英国は新たな策動によって、自国の繁栄と、自国好みの国際政治体制を維持するかもしれない。(たとえば日本人の中国敵視を煽り、日本を中国と戦争させて東アジアの経済台頭と多極化を潰すとか)
しかしMI6も、ここ数年で3つの大失敗をしている。一つは、米英中心体制を維持する戦略だった「テロ戦争」が、ブッシュ政権の無茶苦茶によって破綻したこと。オバマは就任早々に「テロ戦争の終結」を、グアンタナモ閉鎖とともに宣言している。
二つ目は、これと付随して、米政界を牛耳ってくれる英国の代理勢力だったイスラエルが存亡の危機にあること。ガザ戦争で、イスラエルは「戦争犯罪」に問われそうだ。三つ目の失敗は、脅威となりそうな国の金融市場を潰す道具として、彼らが使っていたであろうヘッジファンドやタックスヘイブンなど、非公開の国際的な資金の調達機能と秘匿場所が、国際金融危機の対策として規制され、潰されていきそうなことだ。これらのことを考えると、英国では金融界だけでなく、MI6の力も減退していると推測される。 】