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拉致再調査に「中韓 困惑」・・・  文科系

2014年05月31日 18時25分56秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 標題は、拉致再調査で日朝合意という出来事への本日の中日新聞6面記事の見出しである。1面ではこう。『政府、平壌に拠点検討』、『拉致調査 常設化も視野』とあった。先ずは目出度いことである。中日新聞に「中韓 困惑」と書かれた両国でさえ、「人道の見地から支持」とか、「地域の平和と安定に有益だ」とかと、まっ先に先ず述べている。
 ところで、6面の記事は、この両国がこの出来事に複雑な心境であるとも解説している。朝鮮の後ろ盾である中国は日本の対北経済援助に困惑し、韓国は韓国で韓米日の対北制裁協力が乱れるのではないかと恐れているとあった。
 ところで、この問題で本日、田中宇氏の配信ニュースにこんな解説記事があった。この解説にほの見える東アジア政策ならば、5月8日拙エントリー『「アジア力の世紀」の要約と書評』の著者が説く日本の外交進路と重なる部分が大きいと思ったものだ。拉致再調査ニュースを見ながら、必然的にそんなことを考えていた。

【 田中宇 5月31日配信「拉致問題終決の意味」より

 米国の覇権が衰退する一方で、中国の台頭やBRICSの結束が強まり、世界の覇権構造が多極化している。日本人は関心を持たないが、中国からコーカサスまでのユーラシア中央部では、中露の覇権が急速に強まっている。そんな中で日本は、対米従属以外の自前の戦略として、今回の、北朝鮮に資金をやって中国の言うことを聞かなくさせる嫌がらせ策を超える戦略を持っていない(嫌がらせ策でも、新たに打ち出しただけ大きな前進だが)。
 朝鮮半島は戦前、日本の覇権下(国内)だった。今の日本人の多くは韓国人が大嫌いだから、朝鮮半島なんか中国にやってしまえと思うかもしれないが、これは日本の長期的な国益を無視している。戦前のような上下関係のある植民地化(併合)は「悪」だが、ドイツとフランスなどがEUとして統合したように、日本と韓国(いずれ北朝鮮も)が対等な関係で「日韓併合」するなら、EUよりはるかにゆるやかな統合であったとしても、日本は朝鮮半島を中国に奪われることを防げる。
 しかし、このような試論は、日本人と韓国人が小さな無人島をめぐって強く憎悪し合う現状のもとでは、まったく机上の空論だ。このままだと、日本は無策のまま、唯一の依存先である米国をいずれ喪失し、中国沖の孤立した弱小島国に戻るしかない。】

イラク戦争以来世界から信頼を失ったアメリカは財政的世界支配力なども急速に落ちていて、TPP強要や「思いやり予算」死守など自国のことで精一杯になり始めた。安倍政権でさえ既に、アメリカと一定の距離を置く方向にも動き始めているふしがある。この「拉致再調査」も「ロシアへの接近」も、統合EU軽視(蔑視)も、「そういう方向の現れ」だと、僕には思われる。それでさて日本は、安倍政権は、これら全体としてどういう国際的立ち位置を目指すのか。解釈改憲も「首相が、立憲主義を破壊」も、靖国参拝なども、当面のそういう彼らなりの方向の現れなのだろうが、これではBRICs諸国と対立を生むのも必至だし、国家財政赤字も莫大なものになって行き、消費税などはうなぎ登りなのではないか。こんな方向では、日本の将来など無いも同然だと思うのだが、どうなのだろう。特に、アメリカのように、金融で他国が物作りで貯めた金をむしり取ろうとか、他国の大会社を買い占めるとかなどは、嫌われる暴力のようなものだと思うのだが。
コメント (4)
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