来年10月再増税「困難」 本田・内閣参与景気懸念で慎重 (14.8.28 中日新聞)
安倍晋三首相の経済政策のブレーンで内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授は二十七日、共同通信のインタビューの応じ、消費税率を予定通り二〇一五年十月に10%へ引き上げることは「難しいのではないか」と慎重な見方を明らかにした。
今年四月に消費税率を8%に挙げた後の景気の落ち込みを踏まえ、再増税は「リスクが大きい」と懸念を表明。「七~九月の(経済統計の)数字を見たい」としながらも、経済の情勢次第で、実施時期を半年から一年半程度延期することも検討すべきだと指摘した。
首相は10%への再増税を今年十二月に判断する方針で、本田氏の慎重姿勢が影響を与える可能性がある。
本田氏は最近の景気に関し「非常に厳しい状況が続いている。消費と設備投資の落ち込みが激しい」との認識を示した。その上で、四月に消費税率を8%に上げてから再増税判断までの期間が短すぎるとし「2回目の増税によって相当消費マイインドが落ち込んでしまう」と語った。
消費税の再増税には、デフレ脱却にめどがつき、経済が安定することが必要だと強調した。こうした環境が整うと期待され、予算年度の始まる月でもある十六年四月か十七年四月に実施時期を遅らせる案を選択肢に挙げた。
増税を延期しても「(財政再建に向けた)説明責任を国際社会に果せば国債の信認が傷つくことはあり得ない」と述べ、国債が売られて金利が急騰するとの懸念は当たらないとした。
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内閣府が13日に発表した4~6月期のGDP速報値は、前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となりました。4月の消費増税前の駆け込み需要の反動で、個人消費が過去最大のマイナスになったことが主因。設備投資や住宅投資も下落に転じており、1997年の消費増税直後を大幅に上回る刑期の冷え込みを示した(毎日新聞)。
最近の政府の月例経済報告(8月26日公表)では、景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いており」としながらも、個人消費や生産に弱さが残っていることを踏まえ、景気下振れのリスクの要因として「駆け込み需要の反動の長期化」を新たに盛り込み、先行きへの警戒感を示した(毎日新聞)。
政府は7月下旬、今年度のGDPを1.2%増という見通しを発表しましたが、民間の調査会社各社は当初の今年度1.0%増の見通しを軒並み0.5%に引き下げており、政府見通しの1.2%増は実現困難とみています(毎日新聞)。
今年4月の消費税率引き上げがわが国の経済にマイナスの影響をもたらしているようです。一時マスコミからも持て囃された感のあるアベノミクスですが、民間投資を喚起する成長戦略という第三の矢もあまり働いていないようで、首相の経済ブレーンからも疑問符を突きつけられた格好ですね。
大西 五郎
安倍晋三首相の経済政策のブレーンで内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授は二十七日、共同通信のインタビューの応じ、消費税率を予定通り二〇一五年十月に10%へ引き上げることは「難しいのではないか」と慎重な見方を明らかにした。
今年四月に消費税率を8%に挙げた後の景気の落ち込みを踏まえ、再増税は「リスクが大きい」と懸念を表明。「七~九月の(経済統計の)数字を見たい」としながらも、経済の情勢次第で、実施時期を半年から一年半程度延期することも検討すべきだと指摘した。
首相は10%への再増税を今年十二月に判断する方針で、本田氏の慎重姿勢が影響を与える可能性がある。
本田氏は最近の景気に関し「非常に厳しい状況が続いている。消費と設備投資の落ち込みが激しい」との認識を示した。その上で、四月に消費税率を8%に上げてから再増税判断までの期間が短すぎるとし「2回目の増税によって相当消費マイインドが落ち込んでしまう」と語った。
消費税の再増税には、デフレ脱却にめどがつき、経済が安定することが必要だと強調した。こうした環境が整うと期待され、予算年度の始まる月でもある十六年四月か十七年四月に実施時期を遅らせる案を選択肢に挙げた。
増税を延期しても「(財政再建に向けた)説明責任を国際社会に果せば国債の信認が傷つくことはあり得ない」と述べ、国債が売られて金利が急騰するとの懸念は当たらないとした。
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内閣府が13日に発表した4~6月期のGDP速報値は、前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となりました。4月の消費増税前の駆け込み需要の反動で、個人消費が過去最大のマイナスになったことが主因。設備投資や住宅投資も下落に転じており、1997年の消費増税直後を大幅に上回る刑期の冷え込みを示した(毎日新聞)。
最近の政府の月例経済報告(8月26日公表)では、景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いており」としながらも、個人消費や生産に弱さが残っていることを踏まえ、景気下振れのリスクの要因として「駆け込み需要の反動の長期化」を新たに盛り込み、先行きへの警戒感を示した(毎日新聞)。
政府は7月下旬、今年度のGDPを1.2%増という見通しを発表しましたが、民間の調査会社各社は当初の今年度1.0%増の見通しを軒並み0.5%に引き下げており、政府見通しの1.2%増は実現困難とみています(毎日新聞)。
今年4月の消費税率引き上げがわが国の経済にマイナスの影響をもたらしているようです。一時マスコミからも持て囃された感のあるアベノミクスですが、民間投資を喚起する成長戦略という第三の矢もあまり働いていないようで、首相の経済ブレーンからも疑問符を突きつけられた格好ですね。
大西 五郎