安保法案 与党でも難解? 自民が「簡易版」問答集(15.5.30 中日新聞)
自民党は、安全保障関連法案に関する想定問答集の第二弾を作成し、所属議員に配布した。第一弾は十五日にできており、短期間で同じテーマの問答集を作るのは異例だ。第一弾に比べ簡素化した内容が特徴で、法案内容が与党議員にとっても難解な表れといえる。
党幹部は「複雑な法制を理解できていない議員も多い。しっかり勉強してほしい」と話した。
「集団的自衛権を使って何をするのか」の問いには、停戦前の機雷掃海や、朝鮮半島有事に「非難する日本人を乗せた米輸送艦が公海上で攻撃を受けた場合」を挙げた。米国の戦争に巻き込まれるとの不安には「あり得ない」とした。
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集団的自衛権の行使を容認する新しい安保法制、「平和安全法制関連法案」(自衛隊法やPKO協力法など従来の関連法の改正10本を一まとめにした)や「国際平和支援法」が5月14日に閣議決定され、国会に提出されました。
今月26日には衆議院本会議で代表質問が行われ、27日から衆議院の特別委員会で審議が始まりました。代表質問や27日と28日に安倍首相も出席して行なわれた委員会質疑では各党の代表が「日本が戦争に巻き込まれることになる恐れがある」「自衛隊員が戦闘で死傷するリスクが高まるのではないか」などの問題点が指摘されました。
これらの質問に対する安倍首相らの答弁は明確さを欠いたり、前日の答弁内容と違うニュアンスの答弁があったりしました。政府は当初「専守防衛はかわらない」「自衛隊が活動している現地が戦闘状態になったら、自衛隊は活動を休止し、引き揚げる」などと回答していました。自衛隊員が攻撃を受けるリスクについても、安倍首相は言及しませんでしたが、野党の批判を受けて「リスクはある」と回答しました。
新聞やテレビも「武力行使の余地拡大 米艦防護にも含み」(28日中日新聞)、「『事態』定義答弁あいまい」(29日朝日新聞)など質疑の内容に厳しい目を向けています。
安倍首相はアメリカの議会演説で今国会中に法案を成立させると約束しました。しかし新聞社・通信社が行なった世論調査でも「新しい安保法制に反対」が多数で、賛成は30%台という少数です。テレビニュースの街頭インタビューでも「法案についてよく分からない」という声も多くありました。国民は法案に反対している人や理解できない人の方が、法案に賛成する人より多いという状態を政府は真剣に考えるべきです。
こうした状況の中で、法案の審議で自民党議員が激しいヤジを飛ばす場面がしばしば見られました。法案の内容を理解できなくても、党員の間で法案についての確認できていなくても、数の力で政府の決めた方針を強引に押し通そうとする者が多数いるような状態です。
日本は今戦後70年守ってきた平和と民主主義の道を守り抜くのかどうかの岐路に立たされています。
大西 五郎
自民党は、安全保障関連法案に関する想定問答集の第二弾を作成し、所属議員に配布した。第一弾は十五日にできており、短期間で同じテーマの問答集を作るのは異例だ。第一弾に比べ簡素化した内容が特徴で、法案内容が与党議員にとっても難解な表れといえる。
党幹部は「複雑な法制を理解できていない議員も多い。しっかり勉強してほしい」と話した。
「集団的自衛権を使って何をするのか」の問いには、停戦前の機雷掃海や、朝鮮半島有事に「非難する日本人を乗せた米輸送艦が公海上で攻撃を受けた場合」を挙げた。米国の戦争に巻き込まれるとの不安には「あり得ない」とした。
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集団的自衛権の行使を容認する新しい安保法制、「平和安全法制関連法案」(自衛隊法やPKO協力法など従来の関連法の改正10本を一まとめにした)や「国際平和支援法」が5月14日に閣議決定され、国会に提出されました。
今月26日には衆議院本会議で代表質問が行われ、27日から衆議院の特別委員会で審議が始まりました。代表質問や27日と28日に安倍首相も出席して行なわれた委員会質疑では各党の代表が「日本が戦争に巻き込まれることになる恐れがある」「自衛隊員が戦闘で死傷するリスクが高まるのではないか」などの問題点が指摘されました。
これらの質問に対する安倍首相らの答弁は明確さを欠いたり、前日の答弁内容と違うニュアンスの答弁があったりしました。政府は当初「専守防衛はかわらない」「自衛隊が活動している現地が戦闘状態になったら、自衛隊は活動を休止し、引き揚げる」などと回答していました。自衛隊員が攻撃を受けるリスクについても、安倍首相は言及しませんでしたが、野党の批判を受けて「リスクはある」と回答しました。
新聞やテレビも「武力行使の余地拡大 米艦防護にも含み」(28日中日新聞)、「『事態』定義答弁あいまい」(29日朝日新聞)など質疑の内容に厳しい目を向けています。
安倍首相はアメリカの議会演説で今国会中に法案を成立させると約束しました。しかし新聞社・通信社が行なった世論調査でも「新しい安保法制に反対」が多数で、賛成は30%台という少数です。テレビニュースの街頭インタビューでも「法案についてよく分からない」という声も多くありました。国民は法案に反対している人や理解できない人の方が、法案に賛成する人より多いという状態を政府は真剣に考えるべきです。
こうした状況の中で、法案の審議で自民党議員が激しいヤジを飛ばす場面がしばしば見られました。法案の内容を理解できなくても、党員の間で法案についての確認できていなくても、数の力で政府の決めた方針を強引に押し通そうとする者が多数いるような状態です。
日本は今戦後70年守ってきた平和と民主主義の道を守り抜くのかどうかの岐路に立たされています。
大西 五郎