南北が再び対話の局面に入り込んだ。2010年の離散家族対面から5年ぶりだ。久しぶりだからなのか、韓国では再び期待がふくらんでいる。数十年間、北朝鮮は対話の中に足の爪を隠していた。それでも韓国では「南北対話幻覚症」が相変わらずだ。国家の進路について幻想的な期待を持つのは危険だ。北朝鮮についての本質的な質問を投げかける必要がある。
金正恩(キム・ジョンウン)政権は安定を確保したのか。南北対話をまともに推進させるなら結果に責任を負うべき核心勢力がいなければならない。北朝鮮ナンバー2の3人衆は黄炳瑞(ファン・ビョンソ)北朝鮮軍総政治局長、金元弘(キム・ウォンホン)国家安全保衛部長、崔竜海(チェ・ヨンヘ)労働党秘書だ。黄は国防委副委員長でもあり、金は政権の警護室長であり、崔は習近平とプーチンに会う特使だ。それなら金正恩と黄-金-崔の4人の関係は平穏なのだろうか。
黄-金-崔の3人は、金正恩の叔母の夫・張成沢(チャン・ソンテク)とは長年よく知った関係だった。労働党または国防委を通じて絡んでいた。そんな彼らが張成沢粛清の際、どのように行動したのか、お互いはよく分かっている。3人は今、健在だったり出世したりした。3人はお互いを信じているのだろうか。そして金正恩は3人を本当に信頼しているのだろうか。今は自身の猟犬だが、ある日突然自身にかみつくかもしれないと疑わないのだろうか。3人とも金正恩を信じているのだろうか。自分たちも一日で張成沢や玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)のようになるかもしれないと思わないのだろうか。そんな彼らが自信を持って金正恩に政策を建議できるだろうか。
南北問題が平和的に解決されるには、金正恩が改革・開放を受け入れなければならない。ところでそれが可能だろうか。トウ小平は1978年に、ゴルバチョフとベトナム共産党政権は86年に改革・開放に成功した。彼らがそうしたのは個人崇拝と絶対腐敗がなかったからだ。個人崇拝と腐敗がある政権は改革・開放ができない。外部の風が入ってくれば人民は長年だまされていたということを知って蜂起を起こす。すると政権は崩れる。チャンスがあったのに金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)は改革・開放ができなかった。89~92年に東欧共産圏が崩れた時も、北朝鮮は門を閉ざした。権力が堅固だった金日成・金正日も改革・開放だけはできなかった。ところで権力が脆弱な金正恩が果たしてできるだろうか。
改革・開放をしない限り、北朝鮮政権の対話の目的はただ1つだ。韓国からドル・コメ・肥料を受け取ることだ。それでこそ政権を延命させ、核・ミサイルを開発できる。金日成もそうしたし、金正日もそうした。91年に非核化共同宣言があったが、2年後に金日成は核開発を宣言した。2000年に金正日は金大中(キム・デジュン)政権から4億5000万ドルを獲得した。薬効が落ちるとすぐに2002年、延坪(ヨンピョン)海戦挑発を敢行した。2007年金正日は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領から途方もない約束を勝ち取った。2008年李明博(イ・ミョンバク)政権になって合意文は空へと飛んで行った。金正日は2年後、韓国哨戒艦「天安」・延坪島(ヨンピョンド)を攻撃した。平和を望むなら金を出しておけという脅迫だった。
それなら息子の金正恩は何を望むだろうか。改革・開放であろうか。違う。それはやはりお金だ。31歳の不安な権力者・金正恩は今お金が必要だ。自身が優れた指導者だということを証明するには幹部にプレゼントを包まなければならず、人民にトウモロコシも与えなければならない。そしてスカッドミサイルに核弾頭を載せようとするなら仕上げ作業にお金をばらまかなければならない。ところで幸い南北対話という妖術がある。うまくやれば悩みを解決できる。金剛山(クムガンサン)観光が解決すれば年に3000万ドルが入ってくる。5・24措置が解除されれば韓国に鉱物や水産物を売って多量の金を得ることができる。海州(ヘジュ)近海と開城(ケソン)の泗川江(サチョンガン)の砂を売るだけでも年に1億ドルは稼げる。こうしたお金を与えながら、韓国は何を得るのだろうか。北朝鮮の人民の空腹が解決されるのか。夢のような話だ。
最後の質問は、韓国の姿勢に関することだ。韓国は本当に何のために南北対話をするということなのか。単純な平和なのか。ただ緊張さえなければ良いのか。男たちはゴルフをして、女たちはショッピングをするために北朝鮮の挑発さえなければ良いのか。平和は気楽なのだ。だが2500万人の北朝鮮同胞の苦痛はどうなるのか。良いだろう。知らないふりをするとしよう。それならば核はどうなのか。北朝鮮がある日スカッドミサイルに核を装着でもすればどうなるのか。韓国はそのまま頭にのせて息を殺して生きなければならないのか。核ミサイルがあるというのに果たして韓国が拡声器を開くことができるだろうか。
歴史上の改革・開放を拒否した共産政権の問題が、対話で解決された事例はない。金正恩政権も同じだ。それは彼らが悪いのではなく共産主義が悪いからだ。共産主義の本質はそういうものだ。もちろん対話は必要だ。しかし共産主義者と対話する時はテーブル上の手ではなく、テーブル下の足を見なければならない。本質的な問題に対する厳格な姿勢だけが韓国の幻覚症を止めてくれるだろう。
金正恩(キム・ジョンウン)政権は安定を確保したのか。南北対話をまともに推進させるなら結果に責任を負うべき核心勢力がいなければならない。北朝鮮ナンバー2の3人衆は黄炳瑞(ファン・ビョンソ)北朝鮮軍総政治局長、金元弘(キム・ウォンホン)国家安全保衛部長、崔竜海(チェ・ヨンヘ)労働党秘書だ。黄は国防委副委員長でもあり、金は政権の警護室長であり、崔は習近平とプーチンに会う特使だ。それなら金正恩と黄-金-崔の4人の関係は平穏なのだろうか。
黄-金-崔の3人は、金正恩の叔母の夫・張成沢(チャン・ソンテク)とは長年よく知った関係だった。労働党または国防委を通じて絡んでいた。そんな彼らが張成沢粛清の際、どのように行動したのか、お互いはよく分かっている。3人は今、健在だったり出世したりした。3人はお互いを信じているのだろうか。そして金正恩は3人を本当に信頼しているのだろうか。今は自身の猟犬だが、ある日突然自身にかみつくかもしれないと疑わないのだろうか。3人とも金正恩を信じているのだろうか。自分たちも一日で張成沢や玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)のようになるかもしれないと思わないのだろうか。そんな彼らが自信を持って金正恩に政策を建議できるだろうか。
南北問題が平和的に解決されるには、金正恩が改革・開放を受け入れなければならない。ところでそれが可能だろうか。トウ小平は1978年に、ゴルバチョフとベトナム共産党政権は86年に改革・開放に成功した。彼らがそうしたのは個人崇拝と絶対腐敗がなかったからだ。個人崇拝と腐敗がある政権は改革・開放ができない。外部の風が入ってくれば人民は長年だまされていたということを知って蜂起を起こす。すると政権は崩れる。チャンスがあったのに金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)は改革・開放ができなかった。89~92年に東欧共産圏が崩れた時も、北朝鮮は門を閉ざした。権力が堅固だった金日成・金正日も改革・開放だけはできなかった。ところで権力が脆弱な金正恩が果たしてできるだろうか。
改革・開放をしない限り、北朝鮮政権の対話の目的はただ1つだ。韓国からドル・コメ・肥料を受け取ることだ。それでこそ政権を延命させ、核・ミサイルを開発できる。金日成もそうしたし、金正日もそうした。91年に非核化共同宣言があったが、2年後に金日成は核開発を宣言した。2000年に金正日は金大中(キム・デジュン)政権から4億5000万ドルを獲得した。薬効が落ちるとすぐに2002年、延坪(ヨンピョン)海戦挑発を敢行した。2007年金正日は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領から途方もない約束を勝ち取った。2008年李明博(イ・ミョンバク)政権になって合意文は空へと飛んで行った。金正日は2年後、韓国哨戒艦「天安」・延坪島(ヨンピョンド)を攻撃した。平和を望むなら金を出しておけという脅迫だった。
それなら息子の金正恩は何を望むだろうか。改革・開放であろうか。違う。それはやはりお金だ。31歳の不安な権力者・金正恩は今お金が必要だ。自身が優れた指導者だということを証明するには幹部にプレゼントを包まなければならず、人民にトウモロコシも与えなければならない。そしてスカッドミサイルに核弾頭を載せようとするなら仕上げ作業にお金をばらまかなければならない。ところで幸い南北対話という妖術がある。うまくやれば悩みを解決できる。金剛山(クムガンサン)観光が解決すれば年に3000万ドルが入ってくる。5・24措置が解除されれば韓国に鉱物や水産物を売って多量の金を得ることができる。海州(ヘジュ)近海と開城(ケソン)の泗川江(サチョンガン)の砂を売るだけでも年に1億ドルは稼げる。こうしたお金を与えながら、韓国は何を得るのだろうか。北朝鮮の人民の空腹が解決されるのか。夢のような話だ。
最後の質問は、韓国の姿勢に関することだ。韓国は本当に何のために南北対話をするということなのか。単純な平和なのか。ただ緊張さえなければ良いのか。男たちはゴルフをして、女たちはショッピングをするために北朝鮮の挑発さえなければ良いのか。平和は気楽なのだ。だが2500万人の北朝鮮同胞の苦痛はどうなるのか。良いだろう。知らないふりをするとしよう。それならば核はどうなのか。北朝鮮がある日スカッドミサイルに核を装着でもすればどうなるのか。韓国はそのまま頭にのせて息を殺して生きなければならないのか。核ミサイルがあるというのに果たして韓国が拡声器を開くことができるだろうか。
歴史上の改革・開放を拒否した共産政権の問題が、対話で解決された事例はない。金正恩政権も同じだ。それは彼らが悪いのではなく共産主義が悪いからだ。共産主義の本質はそういうものだ。もちろん対話は必要だ。しかし共産主義者と対話する時はテーブル上の手ではなく、テーブル下の足を見なければならない。本質的な問題に対する厳格な姿勢だけが韓国の幻覚症を止めてくれるだろう。