日本の自衛隊が海外で武力行使を可能にする安保法案が17日、参議院特別委員会の通過によって事実上成立しながら日本の専守防衛の原則が岐路に立つことになった。Q&Aを通じて法案の主な内容と意味を探ってみる。
Q:今回、日本の国会で成立する法案はどんなものなのか。
A:計11法案の制定・改正案だ。日本が攻撃されなくても同盟国のために武力を使用する集団的自衛権の行使を含む武力攻撃事態法の改正案をはじめ10法案が改正される。同時に自衛隊の常時海外派遣を可能にする国際平和支援法も作られる。
Q:法案の最も大きな特徴は。
A:日本が集団的自衛権を行使することになったことだ。日本の歴代内閣は今まで集団的自衛権は持っているが、戦争と武力行使の放棄を含む憲法第9条の解釈上行使できないという立場を守ってきた。しかし安倍晋三首相は昨年7月に憲法解釈変更の閣議決定を通じて従来の政府方針を変えた。今回これを立法化して自衛隊の集団的自衛権の行使を本格化することになった。日本の憲法学者や元裁判官、知識人らが法案が違憲だとして反対する理由はまさにここにある。もう1つは、自衛隊の活動範囲についての制限もなくなる。世界のどこにでも米軍や他国軍の後方支援ができることになる。
Q:こうした変化が持つ意味は。
A:日本の安保政策の一大軌道修正といえる。日本は戦後、平和憲法によって受動的な専守防衛原則を堅持してきたが、能動的・積極的な安保政策に切り替えることになった。自衛隊(Self-Defense Force)という言葉自体も面目を失うことになった。日本国民が自衛隊の役割の拡大によって再び戦争に巻き込まれるのではないかと憂慮するのはこれがからんでいる。安倍首相の母方の祖父・岸信介元首相が1960年に日米安保条約を改正して対等な日米同盟を指向して以来の変化と言える。
Q:野党と国民の反対でも断行した理由は。
A:3つの側面がある。1つは安倍首相の思想的DNAだ。安倍首相は安保面で積極的平和主義を掲げ、戦後体制からの脱皮を試みてきた。自衛隊の「普通の軍」化はその決定版だ。もう1つは対外的な側面だ。オバマ米政権のアジア再均衡政策に歩調を合わせる性格が強い。米国は緊縮財政政策にともなう国防費削減で日本の積極的な安保貢献を要求してきた。安倍首相は4月の訪米当時、安保法案の成立を約束したことがある。最後は、中国の積極的な海洋進出を牽制するための側面がある。この部分について日米の理解は一致している。
Q:自衛隊の役割拡大で日米同盟の性格も変わる可能性が大きいが。
A:日米両国は4月、18年ぶりに防衛協力のための指針(ガイドライン)を改正した。自衛隊の米軍に対する協力を世界規模に拡大して同盟をより一体化させる内容だ。日米同盟が日本の防衛中心の片務的な同盟から、双方の業務的同盟にぴたっと近寄ったことになる。日米同盟が化粧直し程度を超えて、顔そのものを変える次元に変わることになった。同盟の軍事的な色あいも一層強化された。
Q:日本国内の世論動きはどうか。
A:法案成立に対する反対世論が強い。16日だけでも国会議事堂周辺には3万5000人(主宰側発表)が集まり法案反対デモを行った。デモは全国で大小の規模で広がっている。朝日新聞が12~13日に実施した世論調査によれば、法案に反対するという割合は54%で、賛成(29%)を圧倒した。今回の国会で法案を通過させる必要がないという回答も68%だった。今回の法案の国会通過の余波で安倍首相が退く可能性はない。今月初めの自民党総裁選挙で無投票当選したのは法案通過後の逆風をあらかじめ遮断するための措置といえる。
Q:今回、日本の国会で成立する法案はどんなものなのか。
A:計11法案の制定・改正案だ。日本が攻撃されなくても同盟国のために武力を使用する集団的自衛権の行使を含む武力攻撃事態法の改正案をはじめ10法案が改正される。同時に自衛隊の常時海外派遣を可能にする国際平和支援法も作られる。
Q:法案の最も大きな特徴は。
A:日本が集団的自衛権を行使することになったことだ。日本の歴代内閣は今まで集団的自衛権は持っているが、戦争と武力行使の放棄を含む憲法第9条の解釈上行使できないという立場を守ってきた。しかし安倍晋三首相は昨年7月に憲法解釈変更の閣議決定を通じて従来の政府方針を変えた。今回これを立法化して自衛隊の集団的自衛権の行使を本格化することになった。日本の憲法学者や元裁判官、知識人らが法案が違憲だとして反対する理由はまさにここにある。もう1つは、自衛隊の活動範囲についての制限もなくなる。世界のどこにでも米軍や他国軍の後方支援ができることになる。
Q:こうした変化が持つ意味は。
A:日本の安保政策の一大軌道修正といえる。日本は戦後、平和憲法によって受動的な専守防衛原則を堅持してきたが、能動的・積極的な安保政策に切り替えることになった。自衛隊(Self-Defense Force)という言葉自体も面目を失うことになった。日本国民が自衛隊の役割の拡大によって再び戦争に巻き込まれるのではないかと憂慮するのはこれがからんでいる。安倍首相の母方の祖父・岸信介元首相が1960年に日米安保条約を改正して対等な日米同盟を指向して以来の変化と言える。
Q:野党と国民の反対でも断行した理由は。
A:3つの側面がある。1つは安倍首相の思想的DNAだ。安倍首相は安保面で積極的平和主義を掲げ、戦後体制からの脱皮を試みてきた。自衛隊の「普通の軍」化はその決定版だ。もう1つは対外的な側面だ。オバマ米政権のアジア再均衡政策に歩調を合わせる性格が強い。米国は緊縮財政政策にともなう国防費削減で日本の積極的な安保貢献を要求してきた。安倍首相は4月の訪米当時、安保法案の成立を約束したことがある。最後は、中国の積極的な海洋進出を牽制するための側面がある。この部分について日米の理解は一致している。
Q:自衛隊の役割拡大で日米同盟の性格も変わる可能性が大きいが。
A:日米両国は4月、18年ぶりに防衛協力のための指針(ガイドライン)を改正した。自衛隊の米軍に対する協力を世界規模に拡大して同盟をより一体化させる内容だ。日米同盟が日本の防衛中心の片務的な同盟から、双方の業務的同盟にぴたっと近寄ったことになる。日米同盟が化粧直し程度を超えて、顔そのものを変える次元に変わることになった。同盟の軍事的な色あいも一層強化された。
Q:日本国内の世論動きはどうか。
A:法案成立に対する反対世論が強い。16日だけでも国会議事堂周辺には3万5000人(主宰側発表)が集まり法案反対デモを行った。デモは全国で大小の規模で広がっている。朝日新聞が12~13日に実施した世論調査によれば、法案に反対するという割合は54%で、賛成(29%)を圧倒した。今回の国会で法案を通過させる必要がないという回答も68%だった。今回の法案の国会通過の余波で安倍首相が退く可能性はない。今月初めの自民党総裁選挙で無投票当選したのは法案通過後の逆風をあらかじめ遮断するための措置といえる。