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書評 スノーデンが米世界盗聴を告発した時    文科系

2019年04月25日 13時02分21秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 旧稿の再掲を今日から3回に分けて始めることにした。同じくアメリカの告発をしたジュリアン・アサンジの運命やいかにと、世界が話題にしている時だから。


書評 「暴露 スノーデンが私に託したファイル 」①  文科系
2014年06月04日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など

 新潮社刊「暴露 スノーデンが私に託したファイル」を読んだ。この5月13日に第一刷が出て、30日には第3刷というベストセラー。本屋さんにも山積みだった。この第3刷を一昨日買ってきて、昨日までにはこの400ページ近くをあらかた読んでしまった。エドワード・スノーデン、言うまでもなくアメリカ情報組織の大々的な違法情報収集活動を世界に次々と暴露して、去年世界を深閑とさせた人物である。当時最も世を騒がせたことに、こんなニュースがあった。ドイツのメルケル首相の携帯電話さえ、アメリカ情報部に筒抜けだったのである。この件では、メルケル自身がオバマ大統領に面接して抗議を申し入れている。
 このスノーデン、経歴が凄い。高校中退でありながら21才にしてCIA(アメリカ中央情報局)のテクニカルエキスパートになり、NSA(アメリカ国家安全保障局)元シニアアドバイザー、DIA(国防情報局)の講師という職歴を持っている。専門はサイバー防諜であり、CIAとNSA両方の上級サイバー工作員の資格をも有するこの人物が、去年の6月に著者と香港のホテルで会ったときは、まだ29才。若くないと務まらない仕事とは聞いていたが、それにしても。極めて頭脳明晰で有能な、かつ正義感に溢れた人物であることもまた、著者が繰り返しているところだ。



 この本の主内容は、スノーデンが職業上関わった大量の情報をある2人の人物を通してだけ世に告発するに至ったその経過である。この2人の一方が、得意分野を憲法と市民権としていた元弁護士で、今はアメリカ政府を見張るような仕事で知られているジャーナリスト・グレン・グリーンウォルド、この本の著者だ。書中にも再三出てくるが、スノーデンの告発動機は、アメリカ政府がこんな大々的盗聴をやって良いのか悪いのか、これは国民が判断すべきことだろうというものである。全く世の話題にもならず、自分だけが捕らえられて終身刑か闇に葬られるかと、そんな事態こそ彼が最も恐れていたことだとも明かされていた。

 本書のまず初め第1章であるが、2人の香港での出会いまでに数か月という長い時間と手間を要し、なかなかスノーデン(という名前)が出てこないのである。相手は初め、全くのペンネームで何回も著者と連絡を取ろうとしてきた。「あなたのコンピューターにこういうシークレットソフトを入れてください」。容易に実名を明かせないし、電話はもちろん著者が持っているような普通のコンピューターやメールもネットも使えないと知り抜いているからである。その要請を著者が長い間外って置いたので、今度はこういうことになる。そんなシークレットソフトを搭載したコンピューターを持っている1人の女性ジャーナリストを通して、彼女と2人で名も知らぬ香港の人物に会いに行くことに。その搭乗時に初めて知ったのが、エドワード・スノーデンという名前とその経歴であった。なお、何ヶ月もペンネームで連絡を取りたいといってきた人物が実はスノーデンだったとは、かなり後になって知ったこととあった。

 ここまでに本書の第1章50ページすべてが費やされている。
 第2章では、初対面の「証人尋問」が延々と続くのだが、ここがまずとにかく面白い。「このスノーデンって信用できるのか。動機などもよほどきちんと聞き取らなければいけない」、「俺自身が政府の罠に引っかけられるのではないか」などなどと恐れる心境さえ、この著者にあったのだと思いながら読み進んだものだった。
(続く)


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「ジュリアン・アサンジの勝利」   文科系

2019年04月25日 10時28分39秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ジュリアン・アサンジがとうとう、長年政治亡命していたイギリスのエクアドル大使館から引きずり出されて、イギリス警察に連行されていったのは、この4月のちょっと前のこと。アメリカのイラク戦争など多数の秘密資料を世界中に公開したウィキリークスの創始者である。エクアドルが親米政権に替わって、新大統領が方針転換したために起こった世界史的悲劇である。
 その彼について褒め称える識者は世界に多いのだが、当然のことだろう。アメリカの世界史的戦争を批判する人士なら、当然そうするはずだから。

 同じく、エドワード・ジョセフ・スノーデンが、ロシア警察に連行されることはないだろうが、心の心底から、僕はそう願う。己の人生を捨てる覚悟を持ってアメリカの世界的盗聴網を香港から暴いたその瞬間に、ロシアに亡命して行った正真正銘の英雄、人間である。スパルタカスや安重根が、それぞれローマ帝国、大日本帝国から観たら極悪人であっても、現代の世界から観たら英雄、真の人間であるのと同じことだ。以下もまた、「マスコミに載らない海外記事」から転載させて頂いた。


『2019年4月25日 (木)
ジュリアン・アサンジの勝利 2019年4月16日 Andre Vltchek New Eastern Outlook

 歴史を通して、暗黒の反動的権力は、常に主流言説を横取りし、歪曲し、あるいは大衆に恐怖を広め、暴力で、虚偽で、世界を支配しようと試みてきた。
 勇敢で正直な人々が常に嘘を暴き、野蛮や腐敗に向かって立ち上がった。一部の人々は剣や銃を使って、正気でない不正な支配者と戦った。他の人々は言葉を武器に選んだ。
 多くの人々が打倒された。彼らの大部分が打倒された。新しい同志が立ち上がった。抵抗の新しい旗が発表された。
 抵抗することはより良い世界を夢見ることだ。そして夢を見ることは生きることだ。
 最も勇敢な勇士は決して彼らの国と文化のためだけに戦ったわけではない。彼らは人類全体のために戦った。過去、彼らは「直観的国際主義者」と我々が容易に定義できる人々だったし、今もそうだ。

 オーストラリア人コンピュータ専門家、思想家でヒューマニストのジュリアン・アサンジが、新しい、ほとんど試されたことのない形の戦闘を選んだ。彼は欧米帝国に対し、文字と言葉の大隊丸ごと、何十万もの文書を解き放った。彼は欧米が何十年もの間行ってきた最も多くの凶悪犯罪の証拠を保存していたデータベースに侵入した。ひどい秘密がさらされた。真実が明らかにされた。沈黙して苦しんでいた人々に面目と威厳とが最終的に戻った。
 ジュリアン・アサンジは、献身的な専門家と活動家の小さなチームの「指揮官」だった。私は彼らの何人かと会い大いに感銘を受けた。だがいかに数が少なくとも、このチームは世界を変えたり、少なくとも欧米の大衆に知り、その結果行動する機会を与えたりするのに成功している。
 ウィキリークス後、ニューヨークやベルリンやロンドンやパリの誰も「我々は知らなかった」と言う権利を持っていない。もし彼らが今知らないなら、それは彼らが日和見主義で、身勝手に知らないことに決めたからなのだ。
 ジュリアン・アサンジと彼の同志は、欧米が、アフガニスタンの人々や、中東やアフリカやアジアやラテンアメリカのいたる所で新植民地主義と帝国主義で苦しむ人々にしている全てを公表した。

 ウィキリークスを批判する人々は、アサンジの何を悪く思っているのだろう? 欧米帝国の密告者や工作員が「暴かれた」ことだろうか? 世界が彼らのことを哀れむと予想されることだろうか? 何千万という被害者が忘れられ、欧米諜報機関のメンバーや連中のご機嫌取りが安全で、保護されているよう感じられるためにだろうか?


 この記事を公開用に回す数日前、ジュリアン・アサンジは、かつて社会主義政権に支配されていて、彼に政治亡命と市民権を認めた国に、身勝手にも、その両方を裏切られた。現在の支配者レニン・モレノは、歴史によって極めて厳しく評価されるだろう。彼はエクアドル社会主義の成果を解体し、真実と地球の存続のために、既に自分の命より多くを犠牲にした人物を、文字通り(曲がったことをするイギリスとアメリカ司法制度に)売った男として記憶されるだろう。

 ロンドン警視庁がジュリアン・アサンジをロンドンのエクアドル大使館から引きずりだし、バンに押し込んだ時、世界中が欧米支配体制のむき出しの本質をかいま見ることができた。圧制的で、壊疽にかかった、残忍な執念深い活動中の支配体制を。
 だが我々は忘れるべきではない。支配体制は確信があって強いから、そうしてるのではない。支配体制は実際はおびえている。支配体制はパニック状態だ。支配体制は敗北しつつある。支配体制が自分が「脆弱」と思う所、つまり世界至る所で人を殺している。
 なぜだろう? なぜなら、もし他のどのような方法もないなら、何百万人もが、全ての大陸で、それと戦う準備ができている欧米の恐怖に直面する準備ができていて、目覚めているから。

 それは彼らが今真実を知っているからだ。それは現実が隠されることができないからだ;欧米のグローバルな命令の野蛮は誰ももう否定することができない何かだ。欧米の影響から自身を解放することに成功した国々の新しいマスコミに感謝する。ジュリアン・アサンジと彼の僚友のような英雄にもちろん感謝する。


 ジュリアン・アサンジは倒れていない。彼は刺され、裏切られた。だが彼は生きていて、彼を支援し、称賛し、彼の誠実さや勇気や品位を感謝している何百万人もの人々と共にいる。
 彼は帝国丸ごとと対決していたのだ。地球上最も強力で、悪で、破壊的で残忍な勢力と直面してた。そして彼は、秘密の組織に損害を与えるのに成功し、その結果、一部の計画を駄目にし、生命を救ったのだ。
 このすべては勝利だと見なせる。最後の勝利ではないが、ともあれ勝利だ。

 アサンジを逮捕することにより、帝国はその弱さを示した。彼を大使館から警察のバンに引きずり込んで、帝国は既に自分の死に装束を縫い始めたことを認めたのだ。』
コメント (1)
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なにこれ?  らくせき

2019年04月25日 09時19分27秒 | Weblog
河野太郎外相は23日の閣議で2019年版外交青書を報告した。18年版にはあった「北方四島は日本に帰属する」との表現が消えた。「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」との文言も削除された。4島を実効支配するロシアと、拉致問題解決に応じない北朝鮮への態度を一定程度軟化させることで、それぞれとの交渉を前進させる狙いがある。

 北方領土の記述で19年版は日本の法的立場に関する説明を回避。「問題を解決して平和条約を締結」するとの言い回しにとどめた。18年版にあった「未来志向の発想により、平和条約の締結を実現する」も踏襲しなかった。

共同通信の記事。
これってホントなの????
ほんとなら内閣総辞職もの。でもどこからも責任を問う声なし。
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