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深い感慨、少子化対策の本命、やっと登場・・・  文科系

2023年03月19日 05時24分52秒 | 国内政治・経済・社会問題
 この17日に岸田政権が表明した「少子化対策の基本理念」に、僕はとても深い感慨を覚えた。長い安倍政権時代などの対策とは180度異なった前進が観られたからである。どこがそうなのかは、ちょっと長い説明がいる。初めにその説明の結論を書いておくと、こういうことになる。

「少子化対策の基本理念」の第一にこのことが上がっているのが、従来の「対策」から考えれば画期的にすぎるのである。
「若い世代の所得増」
 そう、年収300万を割る男性が結婚相談所などでも対象外の相手となってきたからこそ、今や50歳まで未婚という男性が4人に1人になったのである。少子化の最大原因は、この30年に若者の給料が劇的に下がったことだった。 

 ところで、こんな当たり前のことが、どうして日本の少子化対策政治史上画期的な考え方となるのか。この問題を30年も追い続けてきた専門家、山田昌弘・中央大学文学部教授(家族社会学専門)が、光文社新書2020年5月に世に出した「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?」という本の中にこんな証言がある。

『私は1996年に出版した「結婚の社会学」(丸善ライブラリー)の中で「収入の低い男性は結婚相手として選ばれにくい」という現実を指摘している。・・・・・
 当時、これほど評判の悪かった指摘はなかった
・・・1990年代後半のマスメディアや政府は、この事実への言及を避けていた。
 政府関係の研究会で、私がこの指摘をしたところ、政府のある高官から、「私の立場で、山田君が言ったことを言ったら、首が飛んでしまう」と言われたことがある。
 当時、大手の新聞では、私の発言の該当部分は記事にならなかった。
 ある地方公共団体に依頼され執筆したエッセーに関しては、担当課長が、削除を依頼しにわざわざ大学までやって来て、頭を下げられたこともある。
  その理由は、「収入の低い男性は結婚相手として選ばれにくい」という指摘は事実であっても差別的発言だから(たとえ報告書であっても)公で発表することはできない、それだけではなく、それを前提とした政策をとることはできない、というものである』(48~49ページ)

 ここに見られるとおり、従来の日本政府は日本少子化の最大原因について猛烈な世論統制をやってきたのである。急激な少子化、小国化、その原因が安い給料というのが、保守党政権にとっては「恐ろしいこと」だったからと観るほかはないだろう。げに政府がやる言論統制は恐ろしいということだ。

 このうえは、岸田政権が若者の給料を事実として見事に上げてみせるのを見たいものだ。今の我が国には孫が欲しいのにいないという老人たちも多いはずなのであって、是非この行く末を見守っていこうではないか。
コメント (1)
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