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「中東、激変」の兆候   文科系

2007年06月20日 11時21分21秒 | Weblog
先ず第一文段落までは、本日の新聞記事への僕の印象を。
オルメルト・ブッシュ会談は、かなりはっきりした内容だ。新聞の言葉を引用する。
「オルメルト首相は『イスラエルの安全を確保する』という前提をつけた上で、『パレスチナ国家実現の真の機会を探るため、アッバス議長と最大限に協調していく』と訴えた」
えっ、と思いませんか?「イスラエルの安全を確保する」?イスラエルってそんなに危機的なの?また、あのイスラエルが、「パレスチナ国家実現の真の機会を探る」って、どういうことよ?こんなことを今、オルメルトがわざわざアメリカへでかけて、ブッシュに直訴?

さて、イスラエルが危機的になったと語っている国際情勢解説者がいる。共同通信出身で、マイクロソフトにもいたことのある田中宇(さかい)氏だ。彼の週1回程度の配信ニュースから、中東関係をちょっと覗いてみよう。
「アメリカを中東から追い出すイラン」(5月29日)
「イランの台頭を容認するアメリカ」(6月1日)
「パレスチナ分裂で大戦争に近づく中東」(6月19日)

全て詳細に読んだが、要約するとこうだ。
アメリカは中東から遠からず手を引く方向を決めた。すると、イスラエルはもうダメだろう。極端な弱化か、消滅か、やけっぱちの核ミサイルか(大変なことであるが)。
この背景は、イランの攻勢、アメリカ中東権威の失墜にある。
八方ふさがりのイラク、ハマスのガザ地区占領、レバノンはヒズボラの対イスラエル攻勢、アフガニスタンの原理主義の攻勢。これら全ての背後にはイランが存在している。
また、ウォルフィッツ世銀総裁交代前後の「世銀のイラン融資是認方針への大転換」なども。有名なネオコン・ウォルフィッツは、類い希なユダヤ主義者・父以来のシオニストであって、彼が決して認めなかったイラン・パキスタンからインドへと経由する天然ガスパイプライン建設融資をこの5月、世銀副総裁が認める方向を表明したというのだ。田中氏は、アメリカもこれを黙認したと見ている。
こんな背景からなのだろう。5月8日のイラク議会は275分の144の過半数で米撤退決議を決めたし(田中氏の配信では、正確にはこう書いてあった。「イラクからの撤退計画を発表するよう求める、事実上の撤退要請決議を行った」と。昨年末は同じ決議支持が100人だったとも語っている)、28日には27年ぶりの米・イラン要人会談があった。

こうして、田中氏は今後の急変を予想している。崩れるのは速いだろう。アメリカ政界へのイスラエル・ユダヤ財閥の力はもの凄く、簡単には行かないにしてもとも語っている。ラムズフェルド、ボルトン、ウォルフィッツなどなどネオコンの退潮・失墜ぶりがそれだけ急だということだが、民主党大統領候補のヒラリー、オバマでさえ、イスラエル配慮発言は手厚いものだとも。アメリカでは確かに、ユダヤ財閥を敵に回したら、民主党といえども大統領にはなれないらしい。それでも、ダメになった者は救えないということでもあるらしい。

本当だろうか?
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10 コメント

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忘れました! (文科系)
2007-06-20 13:37:42
忘れました。
田中宇氏のニュースアドレスは、以下です。

http://tanakanews.com/070619mideast.htm

なお、原文は上記の「パレスチナ分裂で大戦争に近づく中東」(6月19日)だけでも、400字詰め原稿用紙で25枚もと極めて長い物です。文中の要点のニュースソースもはっきりと英文などで明示してありますので、お望みの方はアクセスしてみてください。
返信する
こんにちは (memaido)
2007-06-20 14:48:52
本日も楽しく拝見させてもらいました。
またこさせていただきます。
返信する
ほんとう? (楽石)
2007-06-20 15:10:25
可能性はあると思うけれど、そうなるだろうか?

日本にファタハの外交のリーダーが来たりしているのは、
かなりファタハが危ないという証拠だとは思われるけど・・・
アメリカの内部勢力の分析が少し楽観的かな?

いずれにせよ観察を続ける必要はありますね。



返信する
楽石さんへ (文科系)
2007-06-20 16:18:14
僕もにわかには信じがたい気持ちですが、状況証拠は確かに多いのです。上に題名を書いた配信ニュース「パレスチナ分裂で大戦争に近づく中東」(6月19日)というのの最後の部分を抜き出しておきます。


「米政界を支配しているのに国難のイスラエル(小見出し)

 イスラエルは、アメリカの政界に対して支配的な影響力を持っている。来年の米大統領選挙に出馬する候補者たちが、口々に「必要なら、イランを軍事攻撃すべきだ」「戦術核兵器を使ってもよい」などと、現実離れした正気の沙汰ではないことを言い続けているのは、各候補ともイスラエルの気に入られようと必死だからに違いない。一部の候補者による「必要なら、イラク駐留米軍を再増強する」という、現実離れした発言も、イスラエルに取り入るためのものだろう。(関連記事その1、その2)

 米政界におけるイスラエルの支配力が強いのは、ブッシュ政権が、イスラエルの要求を150%満たしてやる政策を採っているからである。ブッシュ政権は、イスラエルの要求を、稚拙なやり方で、過度に満たそうとして失敗することによって、中東における反米反イスラエル勢力の伸張を招き、逆にイスラエルを窮地に追い込んでいる。(関連記事)

 イスラエルは、米政界を支配しているにもかかわらず、国家的に存亡に危機に追い込まれている。私が見るところ、これはチェイニー副大統領らによる意図的な作戦である。イスラエルは、チェイニーらにはめられていることに、すでに気づいているだろうが、もはや挽回は難しい。(関連記事)

 中近東では、すでにパキスタンの親米ムシャラフ政権が崩壊の危機にあり、アフガニスタンでは反米のタリバンが復活してカルザイ政権を窮地に追いやっている。イラクではシーア派のサドル師らによる反米活動が盛んになり、米政府内からは「9月までにイラクが安定しなかったら、米軍の撤退を検討するかもしれない」といった見方が出ている。トルコは、クルド人の独立を阻止するために、北イラクに侵攻しようとしているし、北アフリカのソマリアでも戦闘が再び激化している。(関連記事その1、その2)

 中近東のいくつもの地域で、状況は戦争の瀬戸際にある。中東におけるアメリカの覇権は、崩壊し始めている。中東でイスラエルを擁護してくれる勢力が全くない現状下で、アメリカが中東で覇権を失うことは、イスラエルにとっては国家の滅亡につながりかねない。

 イランのアハマディネジャド大統領は、ハマスのガザ占拠より2週間前の6月3日に「イスラエルの滅亡が近い」と発言し、欧米マスコミはこの発言をイスラエルに対する中傷であるかのように報じたが、これは中傷ではなく、戦争の黒幕の一人であるアハマディネジャドが、現実を客観的に分析した発言と受け止めるべきである。(関連記事) 」




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えっ それが本当なら。 (野次馬読者)
2007-06-21 11:43:36
アメリカがイスラエルを見捨てる?

 イランに任せる?

 チェイニーが意図画策したシナリオ?

 どうしてこんな大転換を始めるの。

 そうせねばならない政治的経済的理由は?

 おぼれる前に、泥沼から這い上がる?

 
 石油利権のみに専念するの?

 
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野次さん、お返事です (文科系)
2007-06-21 13:31:31
野次さん、お返事です。

最後の2行辺りが当たらずとも遠からずじゃないでしょうか。

逃げ足の速い裏切りですよ。以下と同じね。
アルカイダ、ビンラディンを旧アフガニスタン政府軍とソ連相手にさんざん使っておいて捨てた。捨てる前後に裏で多くの悪魔的仕業・正体を握られたのだと思います。その憎しみが9・11になったのでしょう。その復讐から今度は、アフガンの新タリバン政府まで潰してしまった。もの凄い恨みのマグマですよ。

さてそして、今度ももう裏でイランと今後の長期構想でお話ししていると思いますね。それほどにイラク戦争と、その後遺症が大きかったのだと思います。多分ベトナム戦争以上です。冷戦下でないのにあんなことをやったわけですから。

考えても見てください。イラク戦争は、日本でこそ批判が見えませんが、イタリア、スペインで与党を潰し、イギリスの希望・ブレアの政治生命を断ち(まだ53歳と若くすごい人気者で、内政では偉大な成果も上げています!)、そして米共和党政府もほぼ潰した。それぐらいのめちゃくちゃだと理解していない先進国は、世論が全く愚かな日本だけですよ。

日本の将来は極めて危うい!!
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これって本当? (楽石)
2007-06-21 16:46:37
田中氏はこう書いています。

私は以前から「チェイニーらはイスラエルを支援するふりをして潰そうとしているのではないか」と疑っている。チェイニーがファタハ・イスラムを支援していることも、スンニとシーアを戦わせて共倒れにする戦略のふりをして、実はスンニとシーアを結束させ、そこにアメリカが武器を注入し、最終的にイスラエルに対して戦いを挑ませることを、隠れた目的としているのではないかと感じる。

これは余りに有り得ないと思います。
結果的に、こうなるというのなら分かりますが。
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荒唐無稽ですが (文科系)
2007-06-21 23:19:16
荒唐無稽ですが、こんなことも考えました。一つの物語ですが。

チェイニーとラムズフェルドは、レーガン、ブッシュ1,2世政権と若い頃からつきあってきました。そして、イスラエル、ユダヤ財閥がいかにアメリカ政府を身勝手に動かしきたったかを痛感しており、その末に「もうこの根は断つべきだ。我々がやるしかない」と決意したと。どうですか?
ブッシュは馬鹿だし、絶好の機会とね。

こうして、最後に人間の心がどっかで目覚めたと、こうだったら楽しいなー。

いずれにせよ、イスラエルはもうダメですよ。と言うよりも、ここまでアメリカを引っ張ってしまった勢力が暫く立ち上がれなくなったということでしょう。共和党はもちろん、民主党もそいつらをよく知っているはずですから。
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こういうのも、どうです? (文科系)
2007-06-23 01:05:38
こういうお話、筋書きもどうでしょう?上と並んで、現在分かっている限りのことからの完全な仮説ということですが。

「もうアメリカの物作りは、産軍複合体だけ。景気対策としてもここに予算を注ぎ込んでいく以外に道はなし。「毒を食らわば皿まで」だけね。大統領や議員は権力欲だけだし、選挙民の意識はブッシュの馬鹿を選ぶというようなもので、なにをやられても一過性だけの健忘症の馬鹿ばかり。まーやりたいように産軍政一体でやらせてもらうさ。
ならば、演繹的に考えて、紛争相手が大きく、強くなるほど良いというもの。いまはイスラエルがヤラレルぐらいに相手が大きくなることが、将来への布石ってね。イラン頑張れ、アルカイダ頑張れ、シーア派もスンニー派も、みんなみんな大きく育て!」

どうです?
要はこれぐらいのニヒリズムということね。周囲が数十年かかって高級官僚たちをそうさせたということね。ネオコン的な中心部分って、旧ニューレフトが多いということも聞いたことがあります。
千里眼さん、その点、どうです?
返信する
上への補足 (文科系)
2007-06-23 10:31:43
上記はつまり、ソ連相手に、それも相手を巨大すぎるほどに過大に言いふらして作った産軍政複合体の「自己運動・増殖」が、歯止めが利かぬどころか、「実際に敵を育てる段階」に入ったという予想です。アイゼンハウアーが昔警告したことが、予想以上に当たっていると。
この自己増殖が今度求めた温床がイスラムということで、これが強いほど自己増殖に良いといまや演繹的に考えているのでは。

カール・マルクスが語った人間疎外、資本のだぶつきを消す自己運動が、新自由主義全盛の中でそこまでのニヒリズムに陥っていると考えてみました。単なる人間の意志によるのではなくね。
双子の赤字を前にしたら、「もう行く所までいくっきゃない」といっても良いでしょうか。

まさに、この世には神も仏もないものか、ですね。


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