新聞が腐るときなくさい臭い 丸山進

川柳作家の丸山さんのブログ
「あほうどり」に、こんな句が載っていました。
続いて、こんな文も。

世の中のなんでも包める新聞紙
まだ新米の頃、初めて設計して納入した装置が
誤動作するというクレームがあった。
原因調査のためすぐに現地に飛んだ。
深夜になっても原因が分からず、徹夜状態に
なった。途中でコンクリートの床の上に新聞紙を
敷き、ちょっとだけ仮眠した。
肝心の誤動作はドロ沼化し、なかなか解決しな
かったが、新聞は使い道が広いなあと感心した
ことは鮮明に覚えている。

新聞は弁当も包めるし、猫の死体も包める。
新聞に火をつけて燃やせば暖かい。新聞が人の
背中に火をつけることもある。
新聞は万能だ。新聞は生きものだ。
進化もするし退化もする。
真実も言うが、嘘も言う。ふざけたり、弱気に
なったり、はったりがきついこともある。
誰かに媚びたり、浮気をしたりもする。
新聞は人間と同じように優しく、怖く、楽しく、
哀しいものであるが、上手く付き合っていく
しかない。

　　　　　　　　　　　　　（らくせき）