
★世界の食糧危機問題、日本の食糧自給率、安全性など「農業」のあり方が問われていますが、ネット紙のJANJANに三富きよみんのこんな記事が出ていました。一石を投じる記事だと思い紹介します。 (ネット虫)
********************************** 練馬区の小泉牧場は、23区ただ一軒の酪農家です。昭和50年代に押し寄せた都市化の波も、地域社会の支持を得て乗り越え、「東京牛乳」ブランドに生乳を提供するなど、元気な酪農家として知られています。
小泉與七さん 「苦労は無いですね」。そう言いきる小泉與七(よしち)さんの顔は自信にあふれていました。
約70万人が暮らす東京都練馬区。住宅街の一画に、乳牛約40頭を飼育する「小泉牧場」はあります。搾乳した生乳は、東京・多摩地域を主とした酪農家より集乳して作られる「東京牛乳」ブランドに提供しています。また、小泉牧場の牛乳を使った牧場直売アイスミルクは、練馬区観光協会が練馬区にちなんだ商品を選ぶ「ねりコレ」に選ばれるなど、地元の名物となっています。
■酪農体験をした親子が理解してくれた
苦労は無いと言う小泉さんですが、動物を扱う牧場という環境から過去に、「苦情はあった」と明かします。昭和50年代、かつて農地が多かった練馬の地にも都市化の波が押し寄せ、牧場のまわりにも新たに住宅ができ、引っ越してきた住民から「ニオイ」「鳴き声」で苦情を受けたと言います。
近隣の酪農家は次々と廃業していき、23区内に残っていた別の牧場も平成14年に閉鎖。とうとう小泉牧場は23区ただ一軒の酪農家となりました。
時代の流れから不利な状況だったにもかかわらず、なぜ小泉牧場だけが続けてこれたのか。筆者の疑問に小泉さんは、「酪農体験をした子どもやその親が、牧場の負の部分も含めて理解してくれた。だから、ずっと続けてこれた」と、話します。
■牧場は仕事の場、生産現場、命を生産する場
理解の始まりは、近くの小学校の先生が「小泉牧場での酪農体験」を学習に取り上げたことがキッカケでした。その後、教育・行政・農業界など多方面から酪農体験・見学の依頼がくるようになり、小泉さんは積極的に受け入れてきたと言います。
その一つ、平成16年から続いている酪農体験学習会(主催:練馬区)は、応募が定員をはるかに超える人気イベントとなっています。(今年も9~10月の間で開催予定)
小泉牧場は観光牧場ではありません。小泉さんは子どもたちに、「牧場は仕事の場、(牛乳の)生産現場、(牛の)命を生産する場」ということを伝えています。
子どもたちは身近に牛を見て、触り、食の生産現場に対する理解を深めていったようです。小泉さんが積み重ねてきた、牧場をオープンな場とする試みは、やがて、その子どもたちの親、地域住民の理解につながっていきました。
■子どもも親世代も 牧場から得るものは大きい
飼料高騰から厳しい酪農の現実ですが、小泉さんは「乗り越えていきたい」と意欲を見せます。息子の勝さんが跡取りとして活躍している面も意欲につながっているのでしょう。
平成13年度から始まった小学校との交流はずっと続いています。食育がクローズアップされる今、生産現場を知る体験学習はますます注目を集めるのではないでしょうか。
「時代が変わってきた」と言う小泉さん。子どもたち、そして親世代にも、この小さな牧場から得るものは大きいと、筆者は感じます
********************************** 練馬区の小泉牧場は、23区ただ一軒の酪農家です。昭和50年代に押し寄せた都市化の波も、地域社会の支持を得て乗り越え、「東京牛乳」ブランドに生乳を提供するなど、元気な酪農家として知られています。
小泉與七さん 「苦労は無いですね」。そう言いきる小泉與七(よしち)さんの顔は自信にあふれていました。
約70万人が暮らす東京都練馬区。住宅街の一画に、乳牛約40頭を飼育する「小泉牧場」はあります。搾乳した生乳は、東京・多摩地域を主とした酪農家より集乳して作られる「東京牛乳」ブランドに提供しています。また、小泉牧場の牛乳を使った牧場直売アイスミルクは、練馬区観光協会が練馬区にちなんだ商品を選ぶ「ねりコレ」に選ばれるなど、地元の名物となっています。
■酪農体験をした親子が理解してくれた
苦労は無いと言う小泉さんですが、動物を扱う牧場という環境から過去に、「苦情はあった」と明かします。昭和50年代、かつて農地が多かった練馬の地にも都市化の波が押し寄せ、牧場のまわりにも新たに住宅ができ、引っ越してきた住民から「ニオイ」「鳴き声」で苦情を受けたと言います。
近隣の酪農家は次々と廃業していき、23区内に残っていた別の牧場も平成14年に閉鎖。とうとう小泉牧場は23区ただ一軒の酪農家となりました。
時代の流れから不利な状況だったにもかかわらず、なぜ小泉牧場だけが続けてこれたのか。筆者の疑問に小泉さんは、「酪農体験をした子どもやその親が、牧場の負の部分も含めて理解してくれた。だから、ずっと続けてこれた」と、話します。
■牧場は仕事の場、生産現場、命を生産する場
理解の始まりは、近くの小学校の先生が「小泉牧場での酪農体験」を学習に取り上げたことがキッカケでした。その後、教育・行政・農業界など多方面から酪農体験・見学の依頼がくるようになり、小泉さんは積極的に受け入れてきたと言います。
その一つ、平成16年から続いている酪農体験学習会(主催:練馬区)は、応募が定員をはるかに超える人気イベントとなっています。(今年も9~10月の間で開催予定)
小泉牧場は観光牧場ではありません。小泉さんは子どもたちに、「牧場は仕事の場、(牛乳の)生産現場、(牛の)命を生産する場」ということを伝えています。
子どもたちは身近に牛を見て、触り、食の生産現場に対する理解を深めていったようです。小泉さんが積み重ねてきた、牧場をオープンな場とする試みは、やがて、その子どもたちの親、地域住民の理解につながっていきました。
■子どもも親世代も 牧場から得るものは大きい
飼料高騰から厳しい酪農の現実ですが、小泉さんは「乗り越えていきたい」と意欲を見せます。息子の勝さんが跡取りとして活躍している面も意欲につながっているのでしょう。
平成13年度から始まった小学校との交流はずっと続いています。食育がクローズアップされる今、生産現場を知る体験学習はますます注目を集めるのではないでしょうか。
「時代が変わってきた」と言う小泉さん。子どもたち、そして親世代にも、この小さな牧場から得るものは大きいと、筆者は感じます