アベノミクスのバックボーンの1人、高橋洋一がテレビでしゃべっているのを聞いた。安倍自身も同じ事を力説していたと記憶する。
「大量緩和は、何よりも雇用のため。失業率は劇的に改善されていたではないか!」
何が雇用かと、笑うしかない。そもそも、第二次ベビーブームの子どもたちが親になったら急に増えるはずの子どもまでが減り続け、第一次ベビーブームの親たちがどんどん大量に退職してきたのだから、このことだけでも、失業率など下がって当たり前なのだ。
加えて、そもそもその失業が少ない職業って、日本の場合はパートなどの不安定職業ばかりだったのである。だからこそ、先進国でも珍しいほど長く給料が上がらないままの国だった。そのことが結婚難や少母化を招き、少子化につながったと、安倍の呪縛が解けたやの今になってやっと、この国の大問題になっているのではないのか。
他方では、大量緩和によって株価は上がったから内部留保だけが貯まって、賃金はこのように劇的に安いままだったということだ。さらには、内部留保でたまった金で企業努力を誘導する政治的イノベーションも皆無だったということである。