①中国は、「OD05オムニバス」を投資口として、12年までは日本株大量買い漁りをして、13年3月に5兆円とも言われていたものをその年から大量売りに入り、15年3月末までに姿を消した。なお、2013年末に16,291円まで上昇した日経平均は、海外投資家の買越額がこのように上がっていることによるものとみられた。12年は2兆7074億円だった買越額が、2013年には14兆6508億円にまで上がっていた。こうして、中国が決して後退一辺倒になったということではないと言う推察も成り立つ。
②13年3月までのその売買主体は「OD05オムニバス」と言い、中国投資有限公司(CIC)の資金運用機関ということだった。
③次は、現状として大事なことで、このOD05が消えた後に、その後の日本買いはどうなったかという話になる。二つの説が続いてきた。口座を他名義へ移したのか、売却したのか。この16年春にやはり、①にも示唆したように、名義移転説が出て来た、以下のように。
④アベノミクスの円安誘導で買いやすくなった日本株への大保有主体が現れた。姿を消したOD05と同じような買い漁り、株式保有率を示す「SA/NV10」である。アメリカのある銀行のブリュッセル支店が、その届け出拠点になっている。
⑤(④以下はこの⑤も、本年4月8日週刊ポストの記事内容だが、こうあった) 語り手は「シグマ・キャピタル」のチーフエコノミストの田代秀敏氏とあり、④などを調査した結果としての話をこうまとめている。
買収ターゲットは98社。ちかごろ噂に上っている東芝、パナソニック、ソニーはもとより、新日鉄住金、三菱重工、中電、東京ガス、JR東日本、ANA、もちろん3メガバンクも入っている。この3メガバンクでは、OD05オムニバス時代にはいずれも第3位の大株主であったものである。
⑥なお、以上の検証をご自分でなさりたい方は、この語で検索して下さい。「SA/NV10」。この投資口が、どの日本企業公表の株主であるかとか、時にはそれぞれの大株主度・その順位などが、分かります。
以上は、「日本公金の大量株買い出動は、中国の膨大な蓄積外貨による日本株買い、操作への対策である」という仮説を検証するための第一次中間報告とするということです。次には当然、これが日本公金による株買いにどう 繋がって来るのか、あるいは来ないのか。今はまず、皆さん色々思いを巡らせてみて下さい。アベ政権の「大量金融緩和」、国債を日銀資金で銀行などから目一杯買い上げて現金を市場にジャブジャブ流す「財政ファイナンス」、果ては「マイナス金利」などなどとの関係をあれこれ考えてみるということです。「これだけ金をだぶつかせても、『有効に』使ってくれないのか!」という政権の声が聞こえてきませんか? いずれにしても、公金による大量株買いには、以下の様相はうかがえるようです。
「マイナス金利導入までした円安誘導で景気浮揚を図るほどに、中国投資有限公司(CIC)が入り込んでくる。その莫大な資金からすれば、何が起こるか分からない。日本3大メガバンク(関連ファンド)さえ、対抗に二の足を踏んでいるようだし・・・。」