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「四つ葉のクローバーを見つけると幸運がくるのよ。」
「電車にのっても、道を歩いても、
だれも知っている人に会わないしあわせ。」
「ぼーっとして電車にのっていると、
前にすわっている人たちが、ちょうどドーミエの絵のように、
それぞれのおもしろい顔つきをしてならんでいます。
どの顔にもその人の今までの生活や性格がにじみでていて、
人の世に生きる哀感があふれているのに、
今の私とはまったくかかわりあいがなくて、
たんに画面のなかの人物なのです。
あかるい春の光のなかを、
電車は私までも絵のなかのひとつの点景にして走っていました。」
「草がぽしゃぽしゃはえていたり、
青いりんごの色に暮れていく山なみ、
むこうの丘に黒ぐろと消えのこっている松の群、
日本の東北の山野のなつかしい草穂が、
私の胸をうってせまり、
すばらしい交響楽のゆたかな音のなかにいる時のように、
私にはもう外のものはなにも聞こえないような気がしました。」
「大人というものはどんなに苦労が多くても
自分の方から人を愛していける人間になること」
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