たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』『アクアヴィーテ』東京宝塚劇場_楽しかった

2020年01月04日 21時19分52秒 | 宝塚
 お正月の東京で宝塚を観劇するのは真琴つばささんの主演の月組『黒い瞳』以来かな。(当日券があるか問い合わせて並ばずとも買えた記憶あり。)タカラヅカスペシャルで笑いをもっていった宙組、二日目にして十分すぎるぐらいあったまっていて大劇場よりもさらに安定感がありました。みんなが公演ごとに力をつけてきているのがわかり、中でも和希そらさんの躍進ぶりは素晴らしい。トップから三番手までがはっきりしてきたところに四番手として片羽。ショーでの出番が確実に増えていてこれからが楽しみ。真風涼帆さん、キキちゃん(芹香斗亜さん)、星風まどかちゃんのトライアングルに和希さんとこれまた成長著しい桜木みなとさんの双璧という5人はかっこよくて安定の極み。安心して楽しめました。

 真風涼帆さんの「新年あけましておめでとうございます」で開幕、芝居『イスパニアのサムライ』、大劇場観劇の時にも書いたと思いますが、大野先生博識でたぶんかなりマニアック。プログラムをみると普通は紹介されなさそうな小さい役まで載っていて、こだわりを持ちつつ下級生ひとりひとりに至るまで役を割り振って生かそうとする座付き役者の努力をみる思い。シリアスドラマかと思いきや、キキちゃんアレハンドロさんの登場で客席は一気に和む。これって笑っていいのかな?笑っていいんだよねという雰囲気で、キキちゃんが出番少ないけどおいしいところ取り。二階席ですごく楽しそうに笑うオジサンの声がけっこう響いていて、でもいやな感じはなく笑っていいだよね、っていう安心感がひろがった客席でした。大野先生こだわりのマカロニウエスタンを、蓋をあけてみたら一心に担ったキキちゃんアレハンドロさん。銃をもち剣をさげたキキちゃんが、「ともだちの名前はキキちゃん」って銃を紹介するのは、相変わらず可愛いかっこよすぎた。お笑いジェンヌの流れは紅ゆずるさんからキキちゃんへとひきつがれましたね。真風さん蒲田治道が「アレハンドロ?」っていうところがタカラヅカスペシャルの風共の「スカーレット?」にきこえてしまいました。ツッコミところ満載の、ベルばらみたいな、いかにもタカラヅカっぽい大げさなばばあんという感じの音と展開でいかにもタカラヅカチックなハッピーエンド。それがいいの。宝塚だからいいの。プログラムの表紙になっている真風さんの和風マントと着物、オペラグラスでみると刺繍が細かく素敵でした。衣装代惜しみませんね。専用劇場を維持しながら衣装代かけてチケットは五千円。すごい経営努力があってのことなんでしょうね。休憩時間キキちゃんのことをほめる声がたくさんきこえた客席はあたたかかった。なんというか二番手が長いことをみんな知っている、きっと苦労もあるんだろうけれどずっと宙組にいるかのように馴染んで楽しそうにやっていてさらに力をつけてきている姿に安心して楽しめている感じかな。真風さん、まどかちゃんとすごくあっているんですよね。

 ショー『アクアヴィーテ』、ウイスキーはお好きでしょの場面(0第6章第13場)。真風さん、キキちゃん、桜木さんの三人がたぶん内心すごく照れながらキザな甘い誘いの言葉をいうの客席がもうわかってるから、きたぞきたぞとう感じで、笑いがおきてそのあとに拍手。一緒に舞台をつくっている雰囲気がよかった。台詞は大劇場の時と同じだったと思います。桜木さんがグッドイーブニングから「あなたの唇はストロベリーパフェ」、キキちゃんが「あなたの膝の上でだっこされたい」、真風さんがもっとも照れる感じで「紫の鎖でつながれたい」みたいな感じだったかな。こういう先生を言わせる藤井大介先生のセンス。長身で小顔で腰の位置が高いスーツ姿の三人の並びはかっこいいの極み。第2場で、左足180度あげて登場し、キキちゃんと踊るのどなたかと気になったら今回で退団する実羚淳さんなんですね、男役さん、ハイレグの足が長くて、すごくきれいに筋肉がついています。新体操の選手と同じことやっています。タカラジェンヌは美しいアスリートなのだと再認識。第17場で加えタバコの真風さんと踊るドレスの女性は秋音光さん。男役にドレスを着せるのは藤井先生あるある。長身の男役がそろったスタイリッシュな宙組のかっこよさを引き立てる振り付けの連続でした。オープニングからかっこよかった。振り付けは羽山紀代美さん。加えタバコの場面の振り付けは安寿ミラさんに納得。ダンディーで色気ありすぎる真風さんと貫禄でてきた星風まどかちゃんのデュエットダンスは若央りささん。大ぶりな振り付けはなくしっとりとした雰囲気。デュエットダンスの時のキキちゃんのソロが大劇場からさらによくなっていました。音源ほしいな。さらに思い出すまま断片的に書いてみると、まどかちゃんが娘役さんたちを率いて、男役さんたちと向き合って群舞で踊る場面、すごくカッコよかった。どうよ、どうよっていう表情が初々しい可愛さと貫禄のかっこよさ同居。まどかちゃんとキキちゃんが手をからめながらせり上がってくる場面もタカラヅカをみているという満足感とかっこいい素敵さにくらくら、真風さんとキキちゃんがシンクロしてデュエットダンスを踊る場面、桜木さんのソロにのって、真風さんまどかちゃん、キキちゃん夢白あやちゃんの二組が踊る場面で、ほんのわずかだけどキキちゃんとまどかちゃんのペアになったところも見逃せませんでした。見どころいっぱい、それぞれ意味があるところは今度こそ「歌劇」を読み込んでライブビューイングに臨まないとです。その前にチケット申し込まねば。そういえばフィナーレの最後、銀橋から舞台に戻る前に、真風さん、紅さんが愛里さんに対してやっていたように、まどかちゃんにお先にどうぞ、ってやっていましたよよね?今までもやっていましたっけ?天彩峰里ちゃんが、さらにかわいくなっていたなあ。星組時代、エトワールやっていたんですね、『異人たちのルネッサンス』から注目している娘役さん。

 大劇場よりも熱くなった舞台。郷里近郊のバスツアー人が集まらず催行しなかったのはなぜなのか不思議。東京はチケットとりづらい、大劇場は近くてまだチケットがとりやすいというありがたみを知らないのかな。バスツアーは旅行会社がとってくれるわけだからさらにありがたいことなのですよ。

 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。30年間利用してきた東横線や日比谷線に乗って移動していると今まで通り暮らしいるみたいでしたが、家賃払っていない今は部屋がないので大好き日比谷を離れなければなりません。日常だった時間が夢になってしまった人生。都会と地方がこんなにも違うとわかっていませんでした。9連休早すぎます。真っ暗な郷里はさみしすぎて気持ちが上がりません。4月から無収入というわけにはいかず、でも家から通勤は無理なのでどうすればいいのか。まだ人生をやり直せるのか、今はわかりません。車がこわくて悲鳴あげている自分は自分ではない。懐かしい街を久しぶりに歩いてしみじみわかりました。郷里では暮らせないのだと。そう確信しながら今は今を乗り切ることに精一杯なまま連休は終わっていこうとしています。