「平成18年11月12日(日)晴れ、実習7日目
実習の前半で、母を思い、妹を思い、心の中で葛藤を繰り返した。一週間ほど前、母の診断名が精神分裂病であることを弟から聞いた。母に幻聴や関係妄想といった症状が出てから17年ほどが過ぎ、ようやく診断名を知る勇気をもつことができた。○○○○での6日間の実習による葛藤があったからこそかもしれない。妹が不幸な最期をとげたことも相まって私はこの10数年もの間自分を肯定することができなかった。だが今ようやくそんな自分にひと区切りをつけることができるかもしれない。「おねえちゃん、もう十分苦しんだからいいんじゃない」そんな妹の声が聞こえてくる気がする。私は私に与えられた時間を十分に生きること。それでいいのだとようやく思えるようになった。
私がもしPSWとして私に出会い、相談をもちかえられたとしたら、私はどんな手をさしのべることができるのか。こうすれば絶対に正しいという答えはどこにもない。幸せはそれぞれの心の中にあるものだ。PSWとしてできることは本当にささやかなことかもしれない。人を援助していくことの難しさを感じ始めている。
実習7日目、なにかをしなければ・・・というかまえを取り払って、楽な気持ちでのぞんでみると、利用者さんたちの声がとてもよくきこえてくる。常連の方たちはそれぞれに自分の居場所と過ごし方を見つけて、自分の家に帰ってくるようなつもりで楽しんでいあるようだ。おのずとルールが存在し、気を遣い合いながら、それぞれが自分の世界の中で過ごしている。作業やプログラムがあるわけではないので、人間の素がどんと表に顔を出す。こわくもあり、面白くもある場所だ。私も普段のあれもしなければ、これをしなければを捨ててそこにいることを楽しんじゃえ、という気持ちに、7日目にしてなることができた。
2週間ほど間があいたが、それがよかったかもしれない。
前半でいつも顔を見かけた利用者さんたちとあた会うと慣れてきたということがあると思うが、嬉しかったし、また会うことができたという安心感があった。自分でも驚いたし、不思議だった。
Yさんはまだフリースペースに慣れていないようでちらちらとこちらを気にしている様子だが、積極的に話しかけることはできなかった。実習生のTさんが鎌倉彫の話で声をかけていたのでそこに混じる形で話にしばらくのった。
Yさんも自分から話をするようにされ始めたのであせらず次のことばを待つ間も大切であると感じた。無理に自分が話さなければいけないと思う必要などないし、それは普段の生活のなかと全く一緒だ。
Kさんが体脂肪計をもってきていたので、自分ものって測ってみたりした。体年齢は31歳、よかった・・・。それからは、女性のTさん、実習生のAさんもまじえて、テーブルを囲んで会話が続いた。それぞれが新聞をひろげたり本を読んだりお茶を飲んだり、決して広いとはいえないスペースの中で同じ時間を共有している。EさんとIさんが最近のFさんの様子を気にしていた。強い薬に変えたのかな、なんだかぼうっとしているようだ・・・と。
互いの様子を気づかい合う関係はとても大切だと思う。毎日会社なりに行っている人であれば、来なければ同僚が心配するがそうではない場合、どうしているだろうと気をかけてくれる、そんな仲間がいることは心強いし必要だと思う。○○○○はおのずとそんな関係をつくっていく役割も果たしているのだろう。
私は今まで利用者さんたちを受けとめなければ・・・と思ってきたが、そんなことはおこがましい。私が受け入れられているのかもしれない。そんなことにようやく気づいた。人が人に手をさしのべる、できることは本当にささやかなことしかないかもしれない。その人が自分を生きる、そのプロセスに寄り添うことだけだ。
自分ができないことを知る、それもとても大切であることを学んだ。次の実習まで5日あく。会社ではバリアをつくらざるを得ない面もあるが、素の私で○○○○での時間を楽しみたいと思う。」
「平成18年11月18日(土)晴、8日目
本日の目標;時間配分のリズムがつかめないまま8日目を迎えた。普段の仕事との両立はかなり厳しい。できるだけ元気に、笑顔でいることを心がけたい。」
実習の前半で、母を思い、妹を思い、心の中で葛藤を繰り返した。一週間ほど前、母の診断名が精神分裂病であることを弟から聞いた。母に幻聴や関係妄想といった症状が出てから17年ほどが過ぎ、ようやく診断名を知る勇気をもつことができた。○○○○での6日間の実習による葛藤があったからこそかもしれない。妹が不幸な最期をとげたことも相まって私はこの10数年もの間自分を肯定することができなかった。だが今ようやくそんな自分にひと区切りをつけることができるかもしれない。「おねえちゃん、もう十分苦しんだからいいんじゃない」そんな妹の声が聞こえてくる気がする。私は私に与えられた時間を十分に生きること。それでいいのだとようやく思えるようになった。
私がもしPSWとして私に出会い、相談をもちかえられたとしたら、私はどんな手をさしのべることができるのか。こうすれば絶対に正しいという答えはどこにもない。幸せはそれぞれの心の中にあるものだ。PSWとしてできることは本当にささやかなことかもしれない。人を援助していくことの難しさを感じ始めている。
実習7日目、なにかをしなければ・・・というかまえを取り払って、楽な気持ちでのぞんでみると、利用者さんたちの声がとてもよくきこえてくる。常連の方たちはそれぞれに自分の居場所と過ごし方を見つけて、自分の家に帰ってくるようなつもりで楽しんでいあるようだ。おのずとルールが存在し、気を遣い合いながら、それぞれが自分の世界の中で過ごしている。作業やプログラムがあるわけではないので、人間の素がどんと表に顔を出す。こわくもあり、面白くもある場所だ。私も普段のあれもしなければ、これをしなければを捨ててそこにいることを楽しんじゃえ、という気持ちに、7日目にしてなることができた。
2週間ほど間があいたが、それがよかったかもしれない。
前半でいつも顔を見かけた利用者さんたちとあた会うと慣れてきたということがあると思うが、嬉しかったし、また会うことができたという安心感があった。自分でも驚いたし、不思議だった。
Yさんはまだフリースペースに慣れていないようでちらちらとこちらを気にしている様子だが、積極的に話しかけることはできなかった。実習生のTさんが鎌倉彫の話で声をかけていたのでそこに混じる形で話にしばらくのった。
Yさんも自分から話をするようにされ始めたのであせらず次のことばを待つ間も大切であると感じた。無理に自分が話さなければいけないと思う必要などないし、それは普段の生活のなかと全く一緒だ。
Kさんが体脂肪計をもってきていたので、自分ものって測ってみたりした。体年齢は31歳、よかった・・・。それからは、女性のTさん、実習生のAさんもまじえて、テーブルを囲んで会話が続いた。それぞれが新聞をひろげたり本を読んだりお茶を飲んだり、決して広いとはいえないスペースの中で同じ時間を共有している。EさんとIさんが最近のFさんの様子を気にしていた。強い薬に変えたのかな、なんだかぼうっとしているようだ・・・と。
互いの様子を気づかい合う関係はとても大切だと思う。毎日会社なりに行っている人であれば、来なければ同僚が心配するがそうではない場合、どうしているだろうと気をかけてくれる、そんな仲間がいることは心強いし必要だと思う。○○○○はおのずとそんな関係をつくっていく役割も果たしているのだろう。
私は今まで利用者さんたちを受けとめなければ・・・と思ってきたが、そんなことはおこがましい。私が受け入れられているのかもしれない。そんなことにようやく気づいた。人が人に手をさしのべる、できることは本当にささやかなことしかないかもしれない。その人が自分を生きる、そのプロセスに寄り添うことだけだ。
自分ができないことを知る、それもとても大切であることを学んだ。次の実習まで5日あく。会社ではバリアをつくらざるを得ない面もあるが、素の私で○○○○での時間を楽しみたいと思う。」
「平成18年11月18日(土)晴、8日目
本日の目標;時間配分のリズムがつかめないまま8日目を迎えた。普段の仕事との両立はかなり厳しい。できるだけ元気に、笑顔でいることを心がけたい。」