たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

白内障の兆し

2020年07月05日 23時17分42秒 | 日記
 蒸し暑い午後、部屋に緑のカーテンが整い少し落ち着いたので、てくてく、てくてくと坂を歩いてバスに乗り、またてくてく、てくてくとターミナル駅構内を歩いて、ここ数年通っている眼科にやっと行ってきました。使い捨てコンタクトレンズのストックがなくなってしまったのでギリギリでした。工事でまた様変わりしていますがどこになにがあるのか基本は体がおぼえているので大きく迷うこともなく気持ちは楽。ここは近くに大きな店もなく不便ですが郵便局も薬局も徒歩圏内にあるし、バスはどんどんくるので今のところ時刻表をみなくてもそれほど待つことなく乗っています。バス停付近、横断歩道に信号がなくても歩いて人がたくさんいるので渡ろうとして立っていると車は止まってくれます。油断してはいけませんが少しほっ。

 3月31日の契約終了以降仕事をしていないからかお正月の検診の時より視力はでているようです。10カ月間の白い画面に黒文字のシステム、数字がみえなくってみえなくってつらすぎました。背筋が凍るような意地悪と陰湿さの中で緊張し続けて心身共にきつい10カ月でした。田舎生活にあわせてレンズの度数を強めにしていたのでなおさらでした。車社会から離れたのでレンズの度数をまた一段階さげて元に戻しました。バスや電車の表示、少し遠くの景色がみえれば、手元の細かい文字をみることの方が多いのでたぶん困ることはありません。白内障の兆しがでているという診断。年相応ということですね。車のライトがまぶしいのも白内障の兆しの症状とのこと。80歳になれば誰でもなる、人口レンズに交換するのに、点眼で麻酔して手術は5分で終わり、ただ見えるのでその間緊張は続くとの説明。白内障の手術をした方の話をきくたびに震えあがっているのでやらないですむならやりたくない。車を運転することはないと話したら必須ではないとのこと。自分が今さら車がないと生きていけないところで暮らし続けるのは無理だったのだと納得しました。

 部屋のお隣はたぶん男性、明日から平日がスタート。生活の音や足音はやはり響きますが以前の住まいほどではないかな。いろいろな人がいるし、コロナで在宅ワークってなっているし、平気、平気。明後日、一昨年業務で近くのどでかい病院へ行くのに二度ほど前を通ったことがあるところ、役職者にくっついていったので駅からの道のり考えてなかったけれど一人で帰ったりしたこともあるからわかるかな、たぶん。自分にやれるとはとても思えない業務、作文など書くだけ書きました。パソコンでドラフトつくって手書き、小さい字がみえなくってみえなくってまたもやつらい作業でした。

 最後の最後は最後の最後のとりでにたどり着くことになるであろう淋しい人生なのかもしれません。バスに乗りながらふと涙がにじみましたがみんなひとり、最後はみんなひとり。やれるところまでやってみるしかありません。ふんばるのだよ、自分・・・。

星組『鎌足-夢のまほろば、大和し美しー』_思い出し日記(7) 

2020年07月05日 08時38分45秒 | 宝塚
2020年7月4日;星組『鎌足-夢のまほろば、大和し美しー』_思い出し日記(6) 
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/089f504f74bb861e9d3b82c010bcfe21

 有沙瞳ちゃん演じる皇極天皇と華形ひかるさん演じる蘇我入鹿、自分が傀儡に過ぎないのだと知った二人の深い孤独が共鳴し合う場面、これも書き留めておきたい。
 
 皇極天皇が歩く時鈴の音が鳴る、即位を祝う宴で皇極天皇の持つその鈴が震えていることに触れた入鹿は皇極天皇が何かにおびえていることを感じていたのでした。大臣となった入鹿は皇極天皇の寝所を挨拶に訪れました。

入鹿「明日も早くからお勤めがございます。お休みになりませんと」
皇極天皇「ええ、けれど・・・」
入鹿「けれど」
皇極天皇「眠っているうちに、この板葺の宮がおそわれてもう二度とこの目に朝日の映ることがないのではなと思うと休むことができないのです」
入鹿「ご安心ください。この入鹿がいるかぎり帝に危害の及ぶことは決してございません」
皇極天皇「入鹿・・・」
入鹿「よろしければここでわたしが寝ずの番をつとめましょう。お休みください。」

皇極天皇「入鹿、あなたには申し訳ないことになったと思っています。わたくしが不甲斐ないばかりに要らぬ苦労をあなたにかけている。」
入鹿「わたしの方こそ、力及ばぬ我が身を恥じております。」
皇極天皇「即位したあの日、あの日から、わたくしの人生は失われてしまった。帝と祭り上げられ、おとしめられる。わたくしが人であることなどみな忘れてしまったのです。みながみているのは帝という名のわたくしの傀儡(くぐつ)。けれどその傀儡(くぐつ)がこわれればわたくしも生きてはいられない」
入鹿「みかど」
皇極天皇「入鹿、わたくしはこわいのです、知らぬうちにわたくしひとり遠くへと取り残されているようで・・・」
入鹿「いいえ、一人ではありません」「一人で苦しみをお抱えになるのはおやめください」「傀儡(くぐつ)であるのはあなただけではない、わたくしも同じ、傀儡(くぐつ)には傀儡(くぐつ)の苦しみがわかる」「あの日と同じ、あなたはこんなにも震えておられる、誰が知らなくてもわたくしが知っている、帝である前に一人の女だ、あなたが人として生きるためならばわたくしは修羅にもなりましょう」
「あの人を脅かすものは入鹿が断じて許さぬ」

 そして入鹿は皇極天皇と対立する勢力を討ち果たしていき、鎌足に討たれるまで止まることはできなくなってしまったのでした。鎌足と入鹿、少年の日、共に歩むと誓い夢見た志はむごいものとなりました。

 この場面の振付も歌舞伎界の藤間勘十郎さん。色っぽいですね、この場面も昨年のLVでは見逃したのでオンデマンド配信でようやく視聴することができて嬉しいです。