たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』(4)

2020年07月27日 23時27分34秒 | 宝塚
2020年6月8日;雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』(3)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/4a88a8499229c11f0a75fd687c934d9f

2020年1月29日:雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/01feaadd79b67bfbc16ccdd52261beed

2020年1月29日:雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/9fa68918da7cacb1f6b3a1465017d1e4

 3月22日の東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイングが幻となってから4カ月、すごく長い時間が流れたような気がします。無観客でも退団者がいる千穐楽の公演だけは守ろうとした歌劇団を、非難の嵐がおそったのをみるのはつらかったです。舞台は不要不急のイベントではなく、心の糧。これからの公演が一日、一日、無事に上演できますようにとの祈りを込めつつ・・・。

 綾凰華(あやおうか)さん演じるニックは作曲家で、真彩希帆ちゃん演じるデボラの仕事仲間。おもい物語の中でいつもピアノを弾きながらニコニコニコニコ、笑顔を絶やさない明るい存在だったのが印象的でした。。少し前にちらっと書いたような気がしますが、星組から組替えしてきたジェンヌさん、オンデマンド配信で星組生としては最後だった『阿弖流為』を視聴したとき、いい芝居役者だと思いました。2019年雪組『壬生義士伝』では彩風咲奈さん演じる大野次郎右衛門の息子、大野千秋を演じていて、出番は少ないながら存在感がありました。役者顔の表情がいいなと思います。

 オンデマンド配信で視聴したぽっぷあっぷタイムという番組で語ったニックを演じるにあたってのエピソード。稽古場の最終日に演出の小池修一郎先生から、「ニックは唯一このあとも平和でやさしい世界に生きていくのかもしれない」とぼろっと言われたと。「最終日に?」と思わず突っ込む組長の奏乃はるとさん。最終日だったそう。

 ニックは映画には登場しないキャラクターとのことで、小池先生の創作なのかな。唯一の明るいキャラで音楽の才能がなかったらどうなったのか、望海風斗さん演じるヌードルスたちの出身地;ローワー・イーストにいられたのか。ただ明るいだけでは話から脱線してしまうので、どうしてそうなったのかを考えながら演じているとの話。こうして、演じる役柄の唯一無二の、その人だけの人生史を創造しながら役を膨らませ、その人生を舞台の上で生きるのかと。真彩希帆ちゃんとは楽屋でもニックとして接していたとの話。自分で自分を守り、ハリウッドでスターになる夢をかなえるために必死に生き抜いたデボラはいつもどこか緊張感をみなぎらせていたように思いますが、ニックのそばにいるときだけは緊張感から解き放たれ、ほっとできる、ニックはそんな存在でした。客席も緊迫感のある物語の中で、ニックの存在にほっとできました。唯一無二の存在感に、役者としての技量が光っていたと思います。

 一回の観劇では、なかなかにストーリーがわかりづらいところもあったのですが映画を知らなくても楽しめるようになっていたところはさすがの小池先生。朝美絢さん演じるキャロルのことなどもぽつぽつかけるといいかな・・・。

2020年1月28日(火)の宝塚大劇場、人生に必要な時間でした。