『マイ・フェア・レディ』から『回転木馬』まで(8)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b55b50eca1b1d346649012d1fa9400ad



(1995年『回転木馬』帝国劇場公演プログラムより)
「東宝のミュージカル上演史『マイ・フェア・レディ』から『回転木馬』まで-小藤田千栄子-
80年代から90年代にかけては、世界的にロンドン・ミュージカルが主流となった時代である。ロングラン『レ・ミゼラブル』は、その代表的な作品だが、ついで作詞=アラン・ブーブリル、作曲=クロード・ミッシェル・シェーンベルクが発表したのが『ミス・サイゴン』である。ベトナム戦争の時代を背景にしたラブ・ストーリーで、ミュージカルが現代史に果敢に挑戦した作品だ。
これもまた全キャストをオーディションで決めたのが大きな特徴で、市村正親、本田美奈子などが選ばれた。さらに大きな特徴は、1992年4月23日にプレビュー開始、5月5日の初日から、1993年9月12日の千秋楽まで、ほぼ一年半のロングランを敢行したことである。歴史的な快挙であった。思えば『マイ・フェア・レディ』が初演されたとき、前売り当初は、なかなかチケットが売れなかったなどと聞いたこともあるが、それが一年半連続の上演が出来るようになったのである。この間、約30年の歳月が流れている。
『ミス・サイゴン』終了後を受けて、94年には『レ・ミゼラブル』の上演もあった。初演以来の滝田栄、鹿賀丈史、島田歌穂などに加えて、また新しいキャストが加わっての上演であった。ほかにも再演ものはたくさんある。まず帝劇に大地真央の『マイ・フェア・レディ』(90年3月~4月ほか)が登場し、ほかに大地真央作品では『サウンド・オブ・ミュージック』(92年3月・青山劇場ほか)、『エニシング・ゴーズ』(90年7月・大阪近鉄劇場ほか)などがあった。
91年4月には帝劇で田原俊彦主演『心を繋ぐ6ペンス』、同じ月、梅田コマ劇場では鳳蘭主演で『アプローズ』もあった。これは日本初演ではないが、阪急東宝グループの劇場に『アプローズ』が登場したのは初めてのことである。93年5月には日生劇場で田原俊彦主演の『ガイズ&ドールズ』、そして94年4月には新キャスト=西田敏行主演の『屋根の上のヴァイオリン弾き』も登場。これらの作品を見ていると、再演の形を取りながらも、同時に新しく生まれ変わっているのも分かる。
90年代に初演された作品も、もちろんある。斉藤由貴主演『5時の恋人』(92年・青山劇場)、大地真央主演の『レディ、ビー・グッド!』(93年・青山劇場)などであり、宝塚では『グランドホテル』(93年4月~5月。東京は7月)の上演があった。このミュージカルの日本初登場は、1991年の来日版だったが、宝塚では演出にトミー・チューンを迎えて、宝塚版としての豪華な作品に仕上げた。オリジナル・ショー『ブロードウェイ・ボーイズ』との2本立てで、月組公演。いま『回転木馬』の涼風真世主演だった。」
→続く
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(1995年『回転木馬』帝国劇場公演プログラムより)
「東宝のミュージカル上演史『マイ・フェア・レディ』から『回転木馬』まで-小藤田千栄子-
80年代から90年代にかけては、世界的にロンドン・ミュージカルが主流となった時代である。ロングラン『レ・ミゼラブル』は、その代表的な作品だが、ついで作詞=アラン・ブーブリル、作曲=クロード・ミッシェル・シェーンベルクが発表したのが『ミス・サイゴン』である。ベトナム戦争の時代を背景にしたラブ・ストーリーで、ミュージカルが現代史に果敢に挑戦した作品だ。
これもまた全キャストをオーディションで決めたのが大きな特徴で、市村正親、本田美奈子などが選ばれた。さらに大きな特徴は、1992年4月23日にプレビュー開始、5月5日の初日から、1993年9月12日の千秋楽まで、ほぼ一年半のロングランを敢行したことである。歴史的な快挙であった。思えば『マイ・フェア・レディ』が初演されたとき、前売り当初は、なかなかチケットが売れなかったなどと聞いたこともあるが、それが一年半連続の上演が出来るようになったのである。この間、約30年の歳月が流れている。
『ミス・サイゴン』終了後を受けて、94年には『レ・ミゼラブル』の上演もあった。初演以来の滝田栄、鹿賀丈史、島田歌穂などに加えて、また新しいキャストが加わっての上演であった。ほかにも再演ものはたくさんある。まず帝劇に大地真央の『マイ・フェア・レディ』(90年3月~4月ほか)が登場し、ほかに大地真央作品では『サウンド・オブ・ミュージック』(92年3月・青山劇場ほか)、『エニシング・ゴーズ』(90年7月・大阪近鉄劇場ほか)などがあった。
91年4月には帝劇で田原俊彦主演『心を繋ぐ6ペンス』、同じ月、梅田コマ劇場では鳳蘭主演で『アプローズ』もあった。これは日本初演ではないが、阪急東宝グループの劇場に『アプローズ』が登場したのは初めてのことである。93年5月には日生劇場で田原俊彦主演の『ガイズ&ドールズ』、そして94年4月には新キャスト=西田敏行主演の『屋根の上のヴァイオリン弾き』も登場。これらの作品を見ていると、再演の形を取りながらも、同時に新しく生まれ変わっているのも分かる。
90年代に初演された作品も、もちろんある。斉藤由貴主演『5時の恋人』(92年・青山劇場)、大地真央主演の『レディ、ビー・グッド!』(93年・青山劇場)などであり、宝塚では『グランドホテル』(93年4月~5月。東京は7月)の上演があった。このミュージカルの日本初登場は、1991年の来日版だったが、宝塚では演出にトミー・チューンを迎えて、宝塚版としての豪華な作品に仕上げた。オリジナル・ショー『ブロードウェイ・ボーイズ』との2本立てで、月組公演。いま『回転木馬』の涼風真世主演だった。」
→続く