来談者中心療法①②-講義メモ
2004年7月10日(金)来談者中心療法③④-講義メモ(1)
諸富祥彦
第3ステージ『パーソンセンタード時代』(自己実現論)
「中年期の危機」を克服して、身体レベルで感じていることと頭の中の概念が一致する(自覚する、自分の中にあるリアルなものを認める)。カウンセラーは心を無にしながら、身体レベルで今ここで感じていることを伝えていく。(91頁)
人間性回復運動;human potential movement
エンカウンターグループに没頭していく-109頁。
ファシリテーターが対等なメンバーになれるのがいいグループ。
メンバー同士が語り合うことによって人間力がきたえられる。
人と関わる基礎能力を養っていく。
ロジャーズ自身がはじめて自分を好きになれたことで、人間として自分の気持ちを表現するスタイルに変化していった。一回自分の世界を消し去り、伝えるべきことは伝える。自己開示。
249頁-私はあなたに関心があること、あなたのことを気にかけていること、あなたの世界を少しでも理解できたらと願っている。私がここにいるということを一生懸命クライエントに伝えようとする。セラピストが「ただ十分にそこにいることが相手を癒していく」ことに気づく。同情と共感は違う。
アメリカ、モントレー湖の近く(サンフランシスコ)
E Salen Institate(ワークショップのメッカ)
第4ステージ『スペシャリティの時代』
身内との関係が70代になって悪化。
70代になってはじめて恋をした。
↓
人間を超えた霊的な世界を希求し始める-128頁。
220頁-ロジャーズが最後にたどり着いた境地。心には二つの次元がある。心理学的な次元と霊的な次元、霊的な次元は変性意識状態、夢うつつの状態。
ユーマワーク:昏睡状態の人と対話を行う。
最後に国際平和運動に取り組む。
ロジャーズの人生そのものが自己実現のプロセス。
自らの危機をのりこえることでカウンセリングも変わっていく。その人がより自分らしくなっていくのをサポートするのがカウンセリング。
トーマス・ムーア
スピリチュアル:上にのぼっていくようなキラキラと美しい感じ。
魂:下に深くもぐっていく感じ。
ベーシックエンカウンターグループの目的
- 他者理解
- 自分の気持ちを語る
- フィードバック
他者とふれ合うことで自己理解が深まる。
165頁-ロジャーズの人間観ー人間ジャガイモ論「実現傾向」-<いのち>への信頼
この世におけるすべての<いのち>あるものは、本来、自らに与えられた<いのちの働き>を発揮して、よりよく強く生きるように定められている。例えば、小さな窓しかない2メートルもの地下室の貯蔵庫に入れられたジャガイモは、それでも窓からもれる薄日に届こうと60cmも90cmも延びていく。
人間もジャガイモも条件さえ整えば自らの<いのち>をよりよく生きる方向へ向かうよう6つの条件(どの療法にも必要なこと)。
(1)「受容」もしくは「無条件の肯定的配属」
どの部分も否定しない、選択しない
どの部分にも積極的に「あるね」と存在を認めていく。
丸をつけるわけではない。
どの気持ちも等しく認めていく。
↓
クライエントの中に自分の中のいろんな部分を認める心が育まれていく。
「内なるセラピスト」
(2)共感的理解
225頁-こちらの理解をたしかめていく。
一般に「感情の反射」と呼ばれている技法の内実は、クライエントの体験世界の「鎖」になることであり、相手の内的世界についての自分の理解や受取りを確かめていくことである。
(3)自己一致
相手の話をききながらカウンセラーの中に出てくるものを全部認める。あるものをあると認める。これをクライエントにも自分自身にも行う。
クライエント中心療法の中心エッセンス、自己受容、全てを認める。
上記の3つの条件は出発点であり、ゴールである。カウンセラーが道徳的になって自分を追い込むとそれはクライエントに伝わる。
『インターティブフォーカシング』
自分を無にして先ず相手を理解する