たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-東京宝塚劇場公演(2)

2020年11月24日 00時01分56秒 | 宝塚
月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-東京宝塚劇場公演
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/c118208999c4df50089a7425053cf30d

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-ナウオンステージを視聴
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/047b5a19a90491b3ce0ce893d2c22775

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』宝塚大劇場千穐楽LV(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/1a0998a4e0212b1a981b6f7acaaae90b

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』宝塚大劇場千穐楽LV
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/4e01fc08d7efb187404ae549c637fea4

『WELCOME TO TAKARAZUKA』、大劇場公演は初舞台生の口上だったところが、月城かなとさんのソロになっていました。プログラムに「舞楽 越天楽-疫病退散の祈りを込めて」とあります。オペラグラスでみると雛人形の五人囃子のように美しい顔立ちと舞姿だと思いました。鳥居が浮かぶセットが現れ、松本悠里さんが傘をおいて雪の中を踊る「雪の巻」、美しいかげソロどなたかと思ったらエトワールもつとめた白雪さち花さん、心にしみわたる歌声でした。松本悠里さん、日本人形のような可愛いらしさ、色あせることがありません。かつての思い人は男役さんたち3人でした。登場してはけるだけですがほおかむりした立ち姿が美して芝居として余韻が残る登場の仕方。月がだんだんと満ちていく「月の巻」で流れていたのはベートーヴェンのピアノソナタ「月光」でした。間違えていました。オーソドックスな日本物のショーですごく好きとナウオンのたまきち、ショーだけれどすごく演じている、みんな芝居心で表現しよとしているという話は芝居の月組の力。月城かなとさんと風間柚乃くんの引き抜きがある「花の巻」で流れる曲、よく知っているけれどわからなかったのは、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」でした。たまきちが話しているようにショー全体でひとつの物語のようで、誰もが知る洋楽と日本舞踊の見事なマッチングは見やすく、生演奏だったらさらに見応えあるだろうなと思わずにはいられませんでした。美園さくらちゃん、日本物のお化粧も似合い、オペラグラスでみると手先指先の仕草もすごく綺麗でした。

 『ピガール狂想曲』、開演5分前になるとアコーディオンの音色が流れる舞台空間は、この世にいる間に訪れることはもうないであろうパリへといざなってくれているようでした。

「花は自然に咲くものよ、自らの力でね」、ゴーストライターをさせてきた傲慢な夫ウィリー@鳳月杏さんにすっかり愛想をつかし、男に振り回されるのはもうこりごりよという時のガブリエル@美園さくらちゃんの台詞。鍛え抜かれ、引き締まったボディラインと努力に裏打ちされているであろう自信、ベル・エポックと呼ばれる時代の、絵画から抜け出したようなドレスの着こなしと生き生きのびのびと役を生きている姿がいちだんと素敵でした。今まで批判のことばを向けてきた全ての人を納得させてもう何も言わせないトップ娘に成長した姿は癖がぬけて気持ちいいかぎりでした。ムーラン・ルージュの舞台にデビューすることになり、今までダンスなんてやったことがない女性がジャック@珠城りょうさんとデュエットダンスを踊る稽古をしているときのぎこちなさが自然でうまいなあと思いました。ジャックを実は女性と知らずにキュンとなり、ピンとのびた背筋で着こなすゴージャスなドレスに身を包んで自ら支配人シャルル@月城かなとさんの元を訪ねるときの可愛い貫禄、ウィリーと渡り合い手紙を破り捨てる時の、男性から自立していこうとする20世紀の女性。今この時に堂々とガブリエルを演じている姿にかつて涼風真世さんの相手役に選ばれてからめきめきと成長した姿をみせた麻乃佳世ちゃんの姿が重なりました。

 月組トップ娘役の系譜。劇中の舞台として披露されるフレンチ・カンカンの場面に、1996年久世星佳さんのトップお披露目公演『CAN CAN』でダンサー風花舞ちゃんが披露したスーパーカンカンが甦ってきたのはわたしだけではないでしょう。風花ちゃん、とにかくクルクルと踊りまくっていました。まさかロンドン公演で足を痛め満身創痍だったとは驚きました。月組のカンカンはこの時以来かな。タカラジェンヌの身体能力の高さ、すごいですね。ほんとにすごい、選ばれし方々。ドレスを身に着けたまま当たり前のように舞台上を側転したり、足あげたり、二階席からみるとフォーメーションもきれいでした。振付は麻咲梨乃さん。

 珠城りょうさんの男性の振りをしているジャンヌと、瓜二つな腹違いの兄ヴィクトールとの演じ分け、短い間に入れ替わる場面は幾度もあり、どっちがどっちだか混乱しそうになりました。ウィリーの「また着替えた」は台本通りなのかな。ナウオンでちなつさんが話しているように短い間での早替わりなのに登場するとき全く息があがることもなくちゃんと演じ分けられていてすごいと思いました。ジャンヌが女性でありヴィクトールより若くみえるように、工夫を重ねた、体格と背は削りようがない、どうすればいいかわからなかった、どうなるのかこんなに想像がつかなかったことは初めてとたまきち。あるときシャルルの執務室に現れたジャンヌがピンク色のグロスをつけてきたのがすごくかわいかったと月城かなとさん。ムーラン・ルージュの再起をかけた舞台が大騒ぎで失敗し行方をくらますも「死ねなかった」と戻ってきてなお子どもの頃に憧れた風車に夢を託そうとするシャルルの姿にキュンとなるジェンヌちゃん、銀橋でうたう姿はいちだんと乙女で可愛くなっていました。トップスターと二番手さんが最後は結ばれる大団円という設定、めったにないので希少。

 月城かなとさんのシャルル、わたしは勝手に『I AM FROM AUSTRIA』のエマのマネージャー役リチャードと重なるところがあるのですがすごくよくなったと思います。すごい美人さんが演じる三枚目キャラ、手探りだったところがようやくご自身の中でバランスがとれてきて落としどころがみえてきたような安定感、自信をもって演じていると感じました。出番多くて、純粋な心をいつまでも持ち続けるオジサン、かっこよさに磨きがかかった三枚目ぶりでした。

 ちなつさんのウィリー、劇場で観劇しても模様の入った衣装の着こなし具合、素敵でした。コメディを担って舞台の流れを作っていく役割、エネルギーがいるというナウオンでの話。出番多くはないですがダメンズぶりを遺憾なく発揮していて存在感あります。妖艶な夫人からひげをうけたイケオジまで役柄の振り幅の広さよ。何をやっても安定。ガブリエルへの手紙を読んでいる途中でガブリエルが手紙を破るとライトが消える演出、楽しいですね。

 劇場で観劇している醍醐味を感じたのはフィナーレ、ロケットから幕があがると、大階段にたまきちとたまきちを囲むようにマーメイドドレスの娘役さんたちの姿。美しいドレスさばき、花が咲き誇るように繰り広げられるダンスから、娘役さんたちが舞台上でドレスを広げてポーズを決めている時、大階段から燕尾服の男役さんたちが続々と降りてくる流れ、大階段の燕尾服ダンスはエリザベートのフィナーレで男役さんたちが踊る群舞を思い起こさせました。燕尾服の着こなし、ちなつさんさすがの美しさ。そして美園さくらちゃんが大階段に姿を現しデュエットダンス、ここで歌っているたまきちのすごさよ。一連の振付は羽山紀代美さん。宝塚をみにきているという満足感とトキメキ。























再開を祈っています

2020年11月23日 11時59分02秒 | ミュージカル・舞台・映画


「シアタークリエ『RENT』公演の中止について(第三報)」
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS05040/ee000b47/5bef/4eb6/8c14/14fd895be859/20201120170335847s.pdf


 30日までの公演中止が発表されたシアタークリエ、ひっそりと扉が閉じられていました。コロナ禍、不要不急ということばで括られ、社会のすみっこへすみっこへと追いやられた劇場たち。東宝は、7月11日(土)、シアタークリエの無観客ライブ配信から公演を再開しました。振り返るとその後一度公演が中止されました。

公演再開のお知らせ(帝国劇場・シアタークリエ)
https://www.tohostage.com/info20200622.html

シアタークリエ『SHOW-ISMS』 7月28日公演再開のお知らせ
https://twitter.com/toho_oshirase/status/1287334350569140224

 『RENT』を観劇する予定はありませんでしたが、シアタークリエも心のエネルギーをたくさんもらった思い出の場所、公演再開後前を通りかかると清掃している制服姿のスタッフさんたちを見かけていました。中止の文字をみるのは心がいたくてたまらず、今はただ無事に再開できることを祈るばかりです。

 星組公演の2週間中止のあと、粛々と公演が続いているお向かいの東京宝塚劇場、いつ公演が中止になってもおかしくない緊張感の中で公演は続ていることを肌で感じました。

 個人的にはGo to キャンペーンもGo to イートも全く恩恵に浴しておらず、その是非もわかりません。ただ劇場の灯りが消えてしまうとわたしの生きている理由がなくなってしまいます。だから灯りが消えてほしくない、すみっこへすみっこへと追いやられるのをこれ以上みたくない、それだけです。

ブレブレですが東京宝塚劇場とシアタークリエの前の遊歩道のイルミネーション。

 





ミッドタウン日比谷前は小さなクリスマスツリーがいくつも飾られていて、灯りの色が変わるようになっていました。すごく綺麗だったのですが写真にするとつまらないですね。
雰囲気だけでも伝わればと思います。
昨年の12月郷里から新幹線に乗ってやってきた時の写真をいまだ整理しきれていませんが、今年もこうしてイルミネーションがともる光景をみることができました。それだけでもよし。












2018年12月の『オン・ユア・フィート』





2017年6月の『CLUB SEVEN ZERO』





2017年11月の『ダディ・ロング・レッグス』









2017年9月の『一路真輝さん35周年コンサート』







月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-東京宝塚劇場公演

2020年11月23日 00時47分47秒 | 宝塚
 2020年11月22日(日)15時30分~、無事に観劇することができました。裏でスタッフには常に緊張感が走っているのかなという空気を感じましたが、舞台はひととき現実を忘れさせてくれる華やかさ。久しぶりに満席の劇場、ミラーボールが回る臨場感、冷静に振り返るとこうして華やかなフィナーレのある東京宝塚劇場公演はお正月の宙組以来なのでした。終演後シャンテにいた時に茨城県沖地震が起きました、揺れているのがわかりました。上演中でなくて本当によかったと思いました。プログラムの原田諒先生のことばには、大劇場公演の千穐楽を迎えるまで日々薄氷を踏む思いであったこと、座付き作家として生徒たちを守り、宝塚の伝統を繋いでいく覚悟など書かれていて胸があつくなりました。月組は3月10日に稽古をスタートさせたものの4月7日以降中止、公演再開を前に5月29日に演出家が劇団に集められたそうです。そこから密をさけるために演出の変更して客席にそれとは感じさせない工夫が取り入れられていると。

 入団5年目までの下級生はA日程とB日程にわかれての上演、人数が少ないことを感じさせまいとする気迫の舞台でした。特にロケットのエネルギーが凄まじいと感じました。卒業したはずの上級生にさしかかっている男役さんたちがひっぱる気迫のロケット、風間柚乃くんが真ん中で終始目をひきました、蓮つかさくんいる?と思って終演後プログラムを確認したらいました。男役さんが多かったように思います。背が高いので迫力あるし、なんというか舞台への、ものすごい熱を感じました。下級生はこれから身につけていくであろう舞台に向けたエネルギーに満ち満ちたラインダンスでした。これをうまく表現できる言葉の力をもたないのが残念ですが、とてもかけがえのない場面に出会うことができたように思います。

 植田神璽翁の言葉には、『WELCOME TO TAKARAZUKA』のスタッフとしてお名前のある方が鬼籍に入られたと。プロローグとフィナーレ以外の振付をした花柳壽應氏が大劇場初日の翌朝に、とりわけ雪の場面と月の場面が素敵だと感じた舞台装置を手がけた関谷敏昭さんが10月18日に旅立たれたそうです。この世ばかりでなく、AnotherWorldの思いも込められた5カ月遅れの舞台、多くの思いを背負いながら年を越して無事に千穐楽を迎えられますようにと祈ります。

 その前に自分年末もチケット当選しました。そこまで無事にたどり着けるかしらね、観劇するのは今年あと1カ月と一週間というところにきていてもどうなるかわからない、来年を迎えることができるかわからないという緊張の毎日。なんかもう終わっているかもしれませんがここまで生き延びてきて、今年もまた日比谷のイルミネーションをみることができたということで今はよしとしましょう。毎日吐きそうになっているのでキラキラの中へ逃げる時間は必要、せめて劇場の中にいるときは夢をみていたい、心の片すみに希望を感じたい。

 たまきちの、シャルルにキュンとなるジャンヌちゃんがいちだんと可愛いかったことなどあれこれと書きたいですが今はこれにて・・・。








東京宝塚劇場名物の公演デザート、開演前に予約して幕間にいただきました。






ミュージカル『プロデューサーズ』

2020年11月22日 13時24分59秒 | ミュージカル・舞台・映画
日経電子版  2020年11月21日井上芳雄のエンタメ通信より
「ばかばかしさ」を追求して 怒濤の日々(井上芳雄)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO66416240Z11C20A1000000?channel=DF120720172677

2020年11月21日(土)17時開演、東急シアターオーブ

 久しぶりの渋谷、初の東急シアターオーブ、生演奏でした。指揮はお久しぶりの上垣先生。3階席だったのでオーケストラボックスの全体もみることができました。開演前の劇場に音合わせをしている楽器の音色が流れてくるという幸せ。カーテンコールではオーケストラボックスの演奏者と舞台上のキャストがなんども互いを讃え、拍手を送り合うという生の舞台、生演奏らなではの光景。舞台とオケボックスとの呼吸があってこその作品。ダンスと歌が次々と怒涛のように続いていくので相当なエネルギーがいるだろうなと思いました。こんなときに粛々とばかばかしいといえばばかばかしい、下ネタ多めのコメディ。ばかばかしいことは全力でやるからこそ楽しい。一縷の希望を信じて踏み出してみたところに希望はなく続けていくのはきびしいとわかった現実の前に深く沈む込んでしまいそうになりましたが、しばし忘れて楽しみました。日々の生活には一ミリの笑いもないので『ピガール狂想曲』のライブビューイング以来かな、3週間ぶりに笑うことができました。脳みそウニウニ、疲れ過ぎなのが少し軽くなったように思います。

 ルドルフでデビューしてから20周年を迎えた井上芳雄さんが今日もこうして舞台に立っている、それだけで安心感をもつことができます。コメディ作品のこんな芳雄さん、はじめてみました。大いなる挑戦でしょうか。ほぼでずっぱりで台詞も歌も多く、歌は難易度高そうでした。二幕ではいったん休憩して「ちょっと待って」っていう場面もありました。そういう時の客席との間のとりかたが上手い、アドリブと台本通りの境目がわからなかったのさすがだと思いました。クオリティ高い。「『RENT』家賃っていう意味だよ」っていう台詞はアドリブですね。公演中止となっているシアタークリエへの応援メッセージさりげなくぶちこんできていました。

 大野拓朗さん、ルドルフとロミオしか観たことなかったので久しぶりに拝見。歌声につやがあり、こんなにいい声だったかしらとびっくり。たぶんアドリブで芳雄さんが「歌うまいね」って言ったの、素で本気だと感じました。弱気なレオ、赤ちゃんのときから加えているブルーのハンカチ?に依存しているレオ、芳雄さんのマックスに新聞ではたかれるところなんかもはまっていて、こんな役者の引き出しがある方なんだなあと新しい発見。芳雄さんよりも背が高いんですね。カーテンコールでは芳雄さんもおんぶして下手にはけていく場面もありました。

 春風ひとみさんはさすが、吉野圭吾さんも歌上手いのは言うまでもなく、こんな濃いゲイの演出家役、似合いすぎでした。初でしたが木村達成さんのゲイの扮装がスタイルよくてびっくり、きれいだし歌も上手い。佐藤二郎さん、テレビではなんどかみていると思いますが舞台は初、異色の存在感がよかったです。

 光っていたのが木下晴香ちゃん。いつかキムを演じてほしいと思っているのですが、可愛いグラマラスと歌声、素敵でした。登場した瞬間、お化粧と衣装で最初誰だろうと思いましたがすぐにわかりました。スタイルよくて小顔で足がきれい。片言英語しか話せないスェーデン人の新進女優をいやらしくなく、可愛く演じていました。技術的に上手いだけではなく、役として伝えたいものがしっかりあって歌っているので違和感が全くなく自然体。ほんとにこういう人なのかしらと思わせるような存在感。当たり前かもしれませんがダンスもできるんですね。これからますます成長していく予感、『モーツァルト』の「ダンスはやめられない」をどう歌うのか、楽しみで仕方ありません。

 何役もこなす、アンサンブルメンバーのみなさん、『エリザベート』など、東宝の舞台でお馴染みなった方ばかり、中止が続いた時は仕事なくてかなりつらかったことと思います。こうしてまた舞台で会えてほんとうによかったなあと思いました。

 芸達者なみなさんが全力で笑いを届けようとがんばっているクオリティの高い舞台。

 千穐楽まで無事に公演が続いていくことを祈ります。


















渋谷ヒカリエ11階、開演前、夕焼け色の富士山が浮かんでいました。






日本でまたひとつブロードウェイミュージカル開幕
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/6cf7a065fac235bc08603bbdb65b7790

2018年『フェルメール展』-「マルタとマリアの家のキリスト」

2020年11月21日 16時50分38秒 | 美術館めぐり
 2008年国立西洋美術館『フェルメール展』で出会った「マルタとマリアの家のキリスト」に、2018年上野の森美術館『フェルメール展』にて再会しました。大きな絵でした。

(2008年『フェルメール展』公式カタログより)

「若い頃のフェルメール作品で現存するものはないと思われるなか、本作品は、通常、このたぐいまれな巨匠の初期の頃の作品とされている。彼の作品の大半を占める日常生活の一幕を描いた風俗画とは趣きを異にし、新約聖書を典拠とする宗教主題を、等身大のサイズで大胆な筆使いを用いて描いている。また本作品は、フェルメールの最初の修業の場がデルフトとは別の場であった可能性をも示唆する。1625-1650年頃のデルフトには、クリスティアーン・ファン・カウエンベルフ(1604-1667)など、スケールの大きい色彩豊かな風俗画や物語画を描く画家が1、2人はいたものの、本作品は《取り持ち女》(ドレスデン国立美術館コレクション)などといったほかの初期作品と同様に、フェルメールの義母の遠縁にあたるアブラハム・ブールマールト(1564-1651)やその弟子ヘンドリック・テル・ブシュッヘン(1588-1629)など、ユトレヒトのような都市で活躍する画家らが実践する国際的潮流をフェルメールが見知っていた可能性を示す。とはいうものの、彼らのうちの誰一人として、ピーテル・アールチェン(1509-1575)やヨアヒム・ビューケラール(1530頃-1573)といった16世紀の南ネールランドの画家が頻繁に取り上げていたこの宗教主題に取り組もうとはしなかった。」

2018年『フェルメール展』at上野の森美術館
2018年『フェルメール展』_牛乳を注ぐ女
 










ミュージカル『生きる』-大千穐楽ライブ配信決定

2020年11月21日 12時30分35秒 | ミュージカル・舞台・映画
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①11月29日(日) 17:00 鹿賀丈史、小西遼生 大千穐楽
②11月30日(月) 12:00 市村正親、新納慎也 大千穐楽

【アーカイブ視聴期間】
①12月2日(水)23:59まで
②12月3日(木)23:59まで

 ホリプロが送り出したミュージカル『生きる』、大千穐楽のライブ配信が決定したそうです。わたしは10月17日に日生劇場で鹿賀丈史さん主演のバージョンを観劇しました。市村正親さんバージョンもみたいのでアーカイブで視聴しようかな。

 生きることはただそれだけで美しいという黒澤明監督からのメッセージ。明日がみえない不安の中、自分なんか生きていてもしょうがないとふてくされてしまいそうになる今、沁みます。





ミュージカル『生きる』-いのち短し恋せよ乙女
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/2d80d9d5c958dd436275e5859954c7d4

日生劇場にオーケストラの音色が響いていました
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/711e734e64d5c5c21807e2cc3dd5f409

1995年雪組『あかねさす紫の花』-プロローグ

2020年11月20日 23時44分17秒 | 宝塚
なつかしの雪組『あかねさす紫の花』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/a6e3c2faf0bf16e0c70aa5f73f1613fb

 1976年に初演された『あかねさす紫の花』、現役タカラジェンヌのみなさんも大好きなんですね。オンデマンド配信された『タカラヅカのミカタ!動画配信のススメ』の中から、月組の鳳月杏さんと千海華蘭ちゃんの同期コンビの回。華蘭ちゃんの中で『あかねさす紫の花』といえば1995年雪組公演、プロローグから好きという話。カンカンという拍子木の音から歌うま朱美知留さんのかげソロ、後ろ向きに立っていたいっちゃん(一路真輝さん)演じる万葉の貴公子、大海人皇子がスポットライトの中からマントを広げながら正面を向いて登場。いっちゃん、美しい、きれい、とタブレット端末の映像に見惚れる二人。いっちゃんの「紫の匂える妹を憎くあらば~♪」美声。そして華蘭ちゃんの注目はプロローグ、狩りをしている振りではなく馬に乗っている振りが好きという話。小学生で真似してずっと一緒にやっていたそうです。なるほど、たしかにそうでした。中臣鎌足を演じたタータン(香寿たつきさん)を中心に狩装束の男役さんたちが並んで、はあっという掛け声と共にひたすら馬に乗って駆ける振りを続ける場面、ライブビューイングでみた2018年花組博多座公演の狩りをしている振りとは違います。

 繰り返し上演されている『あかねさす紫の花』、額田王が最後は中大兄皇子の元へいって終わるのも、額田王が自ら駆け寄るのか、中大兄皇子が抱き寄せるのか、いろいろなバージョンがありそれを見比べるのも楽しいという中大兄皇子を演じた鳳月杏さんの話。大海人皇子と中大兄皇子が額田王をめぐって争う三角関数を、ひもをつかって表現した白雉の踊りは名場面、よくぞこういう振付を思いついてくださったと二人。柴田侑宏先生の、言葉の美しさが光る作品。

 タカラジェンヌさんたちの宝塚大好きは、わたしたちが気づかない、すごく細かいところまでみていたりするのでこうして話をきく機会があるとなるほど、なるほどと思うことが多いです。舞台に立ち続けているジェンヌさんたちが誰よりも宝塚ファンというのは嬉しいですね。

 なんだか心配な状況になってきてしまいました。明日と明後日、それぞれ無事に観劇できるでしょうか、できるはずと信じます。シアタークリエ、再開できることを祈っています。




タカラヅカのミカタ!も楽しい

2020年11月19日 22時46分50秒 | 宝塚
 ささやかな息抜きのひととき、オンデマンド配信された「タカラヅカのミカタ!」も楽しいです。一年前の今頃、月組に戻ったばかりの鳳月杏さんと同期の千海華蘭ちゃんが登場しているという贅沢さ。『I AM FROM AUSTRIA』の東京宝塚劇場公演が始まろうとしている頃のお二人。タカラジェンヌが宝塚のすき過ぎるを語る姿もまた楽しい。一路真輝さんの『あかねさす紫の花』が好きすぎるとか、お仲間。こんな動画も楽しいですが時間切れとなってきました。

 『I AM FROM AUSTRIA』、昨年の12月、新幹線でわたし観劇しに来たんですよね。その頃の日比谷ミッドタウン前の風景。今年はどんなクリスマス・ツリーかな。もうすぐみることができるはず、もうすぐよ・・・。

やれることをやるしかないっす

2020年11月19日 21時29分08秒 | ミュージカル・舞台・映画
https://twitter.com/seishirofficial

https://www.youtube.com/watch?v=fljG7VAmTko&feature=youtu.be

"見えないものと闘った一年は
見えないものに支えられた一年だと思う"

 加藤清史郎君がカロリーメイトの新しいCMに登場。YouTubeに公開されました。森山直太朗さんの「さくら」にのせて、ミニドラマをみているような素敵な仕上がり。清史郎君の役者魂がさく裂した演技、久しぶりにみるような気がします。清史郎君には役者ということばが似合う。大河ドラマの泣き虫与六から、帝国劇場『レ・ミゼラブル』のガブローシュまで、根っからの役者だと思います。ゼロ歳から仕事している清史郎君、聡明な青年へと成長中。今年大きな舞台が二本続けて中止となってしまい、どれほど悔しいことだろうと思いますがくさらず懸命に生きているんですよね。そんな清史郎君の「やれることをやるしかないっす」という言葉がわたしには沁みます。受験生と先生に向けた応援メッセージとしてつくられていますが、こんなオバチャンの心にも明日のみえない不安とたたかいながら今を生き延びようとしているだれの心にも、やさしくあったかく届けられたメッセージ。大塚製薬の公式ツィッターによると「さくら」はこのCMのためにあらたに録音されたそうです。先生役の飯塚悟志さんはお笑いの方?こんな先生、いるよね、いる、あなたの近くにいますよね、っていう雰囲気がすごい。絶妙なキャスティング。スタッフはプロ中のプロのすごい方ばかりなんでしょうね。それぞれの持てる力が最大限に引き出され凝縮されたCM、多くの人に届くといいなと思います。


清史郎君、19歳のお誕生日おめでとう
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b00094eaa3203cb864c8f302d18bc2b2



 生きることがきつい。生きることがいやになってしまいそうな毎日、それでもこの世に生まれてきたからには与えられた命を生きなければなりませんね。

 明日、ようやく金曜日、果てしなく長い5日間フル稼働の終わりにやっとこさたどり着こうとしています。長い、これはほんとに長い。久しぶりのお給料日かもしれません。3月以来ですかね、すごく長い時が流れたような気がします。残念ながら激動の一年はまだ終わりません。なにがどうなるかわかりません。個々のことはいやではないです。人の力になることができているのだというよろこびとやりがいがあるはずですが、そのはるか手前の噂話と悪口、上のわかってなさ、信頼のなさ、ばらばら感が2カ月足らずでみえすぎるほどにみえすぎてしまいました。今日の朝も朝からききたくないことがきこえすぎてしまいうんざりなりすぎて、逃げだしたくなってしまいました。リスクが大きい状況にまともに巻き込まれたらこわれるかもしれません。相談員さんは逃げるという選択肢も含めて応援してくれてそうなので(ただし言うべきことは言った方がいいとのアドバイス)、どこにいっても大なり小なりこうといえばこうですが、あとはもうありありませんが、自分がこわれるほどにあぶないと思ったら逃げる、心のかたすみにはいつもそう準備しながら明日もバスに体を乗せる、それが今のわたしにやれることの最大限。

やれることをやるしかないっす。

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-ナウオンステージを視聴

2020年11月18日 22時00分14秒 | 宝塚
月組『I AM FROM AUSTRIA』_美園さくらちゃんのこと
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/55abcf3687342e998e96fd2de65fc1a9

 オンデマンド配信された月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』のナウオンステージをようやくチラ見。美園さくらちゃんの、ものすごく、ものすごく細いけれど、折れるのではないかと心配になるぐらい細いけれど、引き締まった美しさに息をのむような思いがしました。おそらくものすごい努力に裏打ちされた、堂々たるトップ娘役ぶりはみていてほんとに気持ちいいです。背中と美しいラインが努力を物語っているように思います。幼さを感じさせて話し方から洗練された大人の女性へと、役と共に見事な成長ぶり。彼女のガブリエル、鳳月杏さんとの夫婦ぶりをみたくてチケットを申し込んでみたといってもいいです。

 東京宝塚劇場公演、20日(金)初日、お向かいのシアタークリエが公演中止となり心配です。日比谷は今どんな様子なのかな。もうすぐだよ、もうすぐ。明日はまだ木曜日だけど、長いけど、もうすぐそこ。

 無事に初日の幕が上がりますように。

 自分、無事に観劇へとたどり着けますように・・・。