セブン&アイ・ホールディングスは、傘下のスーパー「イトーヨーカ堂」の業績が低迷しているため、正社員8600人を3年後をめどに半分に減らす方針を決めた。かわりにパートを6800人増やし、1店あたりの従業員に占めるパートの割合を今の8割弱から9割に高める。というニュースが昨日流れた。
3年間の計画で人件費を100億減らすのが目的だが、同時に「スーパーはかつては安さだけ求められたが、今は多様なニーズをくみとらないと競争に勝てない。接客力が大切になり、店の人数は必要だが、人件費を増やしたくない」としている。レジなど人数を増やすことでサービス向上になるということなのだろう。
イオンなど他社は多くてもパート比率が80%なので、正社員を削り90%をパートで運営し、競争力をつけるというのは大変なことで衝撃的だ。10%の正社員への負担が増えるといった問題をはるかに超える困難さを克服しなければならないからだ。パートは法で正社員より労働時間が短い労働者と決められているので、中核的な6時間パートが正社員並みの能力を持たないとやっていけない。同社は、給与制度も改善し、調理師免許などの技能を持つ人の給与を3倍ほどに増やしたり、パートのままで役員や店長に起用したりするとしている。
これまでの正社員の考え方を一変し、9割のパートが基幹社員という位置づけになるのではないだろうか。主婦パートがこれまでのスーパーでは主力で、この中から店長を育成できるのか、専門職パートを雇うのか、当然均等待遇が実現するのか注目したい。
日本のスーパーでいつも気がかりなのはレジが立ち作業なことで、ヨーロッパではあり得ないし、途上国でも女性の立ち作業は労使紛争になることもあるくらいだ。何で座れないのだろう。