久しぶりで途上国を支援している国際労働財団(JILAF)で若い人に話す機会があった。
途上国でのデモクラシーの危機と支援に触れたが、改めで考え、まとめてみた。
昨日のニュースではバングラディッシュでの選挙をめぐり暴動が起こり、多数の死傷者が出て、この国での支援活動はしばらく難しくなった。選挙をめぐり多くの途上国が混乱している。ブラジルでは公共料金の値上げをきっかけに大規模大衆デモが発生し、政府は要求を飲まざるを得なかった。街頭デモクラシーとマスコミは言っているが、エジプトでは選挙で選ばれた政府が追放され、タイではバンコックのデモ隊を政府が治められない状況が続いている。今年はインドネシアでも大統領選挙が予定されており、ミャンマーではこれから民主化の動きが出て来る。
選挙で選ばれた政府が大衆デモで覆るような事態はデモクラシーの危機だ。共通点は一度選ばれると政府は何でも出来ると錯覚することだろう。今年はせっかく手に入れた自由選挙、デモクラシーが問われる重要な年で、これが混乱を招くようだと対極をなす中国のような一党独裁体制を評価し、独裁を正当化する後進途上国も出てこよう。
1989年11月ベルリンの壁が破壊され、次いでソ連という一党独裁体制が崩れ、欧州でデモクラシーが謳歌し、曲がりなりにも東欧の国々は春が来たと喜んだ。バングラディッシュやタイではいつになったら春が来るのか、常夏で燃え続け、混乱が続くのか、西欧人はあまり評価しないがシンガポールのようなデモクラシーが途上国では合うのではないかと思わざるを得ない。但し、リー・クァンユーのような清潔で立派な指導者が必要だ。