日本のギャンブル中毒患者が536万人と推定され、成人での比率は4.8%でスイスの0.5%、米国ルイジアナ州1.68%、香港1.8%に比し、飛びぬけて高いと厚労省から委託された国立病院機構が発表した。日本が高いのは偏にパチンコが寄与してることは間違いないがそれにしてもばくち好きの香港人を凌駕しているのには驚いた。
今、日本でカジノ構想が盛んに打ち上げられているが、もう少し慎重に検討した方が良さそうだ。ラスベガス、マカオ、シドニーなどカジノを訪ねたが、その華麗さ、熱気には一種の魔術みたいな雰囲気が漂い、賭けてみようという気分にさせる。マカオやシドニーでは香港、中国、台湾といった中国系の人々が早朝から、脇目も振らず熱中している。ラスベガスやモナコなどEUのカジノとは雰囲気がかなり違う。マカオでは大陸系中国人が丁半賭博のような簡単で、短時間で勝負がつく賭博に人気が有るようだ。少なくとも映画に登場する富裕層のルーレットなどとはかなり雰囲気が違う。
日本のカジノはどんなものになるのだろうか?地理的に見てシドニーのカジノのように先ず香港の富裕層がしかけ、次に中国の小金持ちが大挙してくると予想される。シドニーのカジノは香港のクラウングループが事実上経営し、香港の富裕層がホテルと飛行機を借り切ってくると聞いた。こうした中で日本人ギャンブラーが巻き込まれ、中毒患者が増えるだろう。
会社に入って、最初の仕事が代理店の売上げ限度管理と小売店への小口融資だった。毎日債権を管理するのが仕事で、不良債権が発生しないように目を光らせるわけだが、上司から言われたのは経営者の生活行動を調べ、競馬、競輪をやっているようだと要注意ということだった。ギャンブルは中毒になるとなかなかブレーキが効かない。サラ金地獄に陥った人の大部分はギャンブルで何とか取り戻そうという人が多く、結果は多重債務に陥る。カジノはおそらくそういった人を増やすことになる。