上海市場株のバブルが弾け、いまのところ株価は年初の水準で落ち着いたが、本体の経済の方のバブルも弾け、中国経済への依存度の強まった世界経済への影響がどうなるか気になる。先週、飲みながら勉強会に著名なエコノミストを招き(毎年必ず1回は来ていただいている)、その辺の事情を聞いた。オフレコの会なので、詳細は書けないが、私の消化したところをしるしてみる。
中国の経済統計信頼度については、いろいろ報道されてるが、現在の状態を表す指数で有名なのは李克強指数だろう。この指数で見ると、現在の成長率は3%ぐらいだが、この李克強指数に修正李克強指数というのがあってこれで見ると、政府発表の成長率とほぼ同じ7%ぐらいになるという。この差は李克強指数の構成要素である銀行指数、電力消費量、鉄道輸送量のうち鉄道輸送量を高速道路輸送量に変えたのが修正指数だ。鉄道輸送量の64%が石炭なので偏りすぎているというのが変えた理由だ。石炭、石油などエネルギーは在庫が積み上がり、輸送量はマイナスになっている。
在庫といえば鉄鋼をはじめ、自動車、電機機械などあらゆる製品で積み上がっている。これはリーマンショック後、4兆元の巨額投資拡大をはかったため、設備過剰が今表面化してきたものだ。株のバブルは元に戻っても、経済本体のバブルは今後の成長率を4ないし5%に低下させるだろう。来年は6%にソフトランディングすれば良い方だ。
この影響は中国経済に依存度が高い国ほど大きく、台湾、ベトナム、そしてタイ、韓国の順でそしてその他の東南アジア諸国となる。